米国:99%完成したワッツバー2号機で温態機能試験が完了

2015年8月17日

feb2015ワッツバー

今年2月現在のワッツバー原子力発電所©TVA

 米テネシー州でワッツバー原子力発電所2号機(ウェスチングハウス社製PWR、120万kW)を建設しているテネシー峡谷開発公社(TVA)は8月11日、温態機能試験など同炉の包括的試験が完了し、システムが設計通りの性能を有することが確認できたと発表した。今後は格納容器の健全性や、緊急用ディーゼル発電機など安全関連機器で追加の試験を実施する計画。同炉の建設進捗率はすでに99%に到達しており、2016年初頭の営業運転開始を予定するなど、米国において21世紀初の新設原子炉となる日も近い。
 同炉は1973年の建設許可に基づいて着工されたが、TMI事故後の安全要件追加や電力需要の低迷などにより1985年に建設工事が停止。その後、約25億ドルの予算を投じて完成させる計画が2008年1月から始まっていた。
 温態機能試験の実施は、運転許可の申請に先立ち必要となる重要要件の1つで、運転許可の取得により燃料の初装荷が可能になる。TVAは同炉の60もの主要システムを一斉に動かす一連の試験を8週間かけて実施。所内機器で発生させた熱を使ってシステムの温度と圧力を通常運転レベルまで上昇させたほか、所内の蒸気を使って主要タービンを通常運転時のスピードまで回転させたという。
 今回収集した最新のデータは、これまでに実施した容器の開放試験や冷態耐圧試験、二次系耐圧試験などの試験情報に加えて蓄積し、米原子力規制委員会(NRC)の規制に準拠した設計通りの安全運転が確実となるよう役立てる考えだ。