B&W社の原子力事業会社が中国の「華龍一号」設計用SGの設計と機器製造 受注
米バブコック&ウィルコックス(B&W)社の原子力事業会社であるBWXテクノロジーズ(BWXT)社は8月17日、同社のカナダ子会社が中国広西省の防城港原子力発電所3、4号機向けに蒸気発生器(SG)の設計と機器製造契約を受注したと発表した。両機には中国広核集団有限公司(CGN)と中国核工業集団公司(CNNC)双方の第3世代設計を融合して開発した「華龍一号」を採用することが昨年12月に決定。BWXT社は、中国が独自ブランドの輸出用と位置付ける同最新設計向けSG機器を2018年にも納入するとしている。
BWXT社の発表によると、防城港3、4号機向けSGの設計契約は元々、CGNの子会社である中広核工程公司と中広核工程設計公司が獲得したほか、SG機器の製造契約も東方電気と東方(広州)重機公司が獲得したもの。BWXT社はこれら中国企業から実際の業務を請け負ったとみられている。BWXTカナダ社のJ.マカリー社長は「SGの設計・製造会社に選定されたことを誇らしく思う」とコメント。防城港発電所に高品質のSGを供給し、その長期的な運転を支援していきたいとの抱負を述べた。
防城港サイトでは現在、CGNが61%出資する広西防城港核電公司が1、2号機(各100万kW級PWR)を建設中で、これらはフランスの技術を元にCGNが開発した第2世代改良型PWRの「CPR1000」となる予定。Ⅱ期工事にあたる3、4号機の建設計画は2011年から2020年までの原子力中長期発展計画に盛り込まれており、「華龍一号」の実証炉プロジェクトの1つとして今年中にも本格着工が見込まれている。CGNとしては、これら2基には中国製の圧力容器やSG、主要ポンプ、デジタル制御システム、制御棒駆動機構などを設置したい考えで、国産化率は少なくとも85%に達する計画である。