バッテンフォール社:ドイツで所有していたクリュンメル発電所の廃止措置申請
スウェーデンのバッテンフォール社は8月25日、ドイツで50%の所有権を保有していたクリュンメル原子力発電所(140万kW級BWR)について、地元シュレースビヒ=ホルシュタイン州の州都キールにあるエネルギー移行・農業・環境・農村地域省に廃止措置を申請したと発表した。実際に申請書を提出したのは24日のことで、同社は今後数か月以内に、15年~20年にわたる廃止措置期間中のプロセス全般と廃止措置の安全性について明記した安全報告書を作成・提出する予定。同報告書は原子力発電所の廃止措置および解体作業で承認を得るための重要な手続の一環となっている。クリュンメル発電所は福島第一事故後の2011年8月、ドイツの脱原子力政策に基づき永久閉鎖された8基のうちの1つだが、変圧器等のトラブルによる改修工事のために2007年6月からすでに停止中だった。バッテンフォール社はまた、同様に2011年に永久閉鎖されたブルンスビュッテル原子力発電所(80万kW級BWR)の所有権も66.7%保有していた関係で、同発電所の廃止措置申請書を2012年に提出済み。同発電所はクリュンメル発電所と同じく、2007年7月から改修工事のために停止していたプラントで、サイトも同じ州内にあることから、同社は「ブルンスビュッテルで行っている承認手続の経験をクリュンメルに活かすことができる」とコメントした。
なお、州政府によると、廃止措置の承認手続にはパブリック・コメントの聴取と環境影響評価の実施が含まれており、すべての要件が満たされて、実施許可の発給に至るのは2018年末頃になると予測。それまでは使用済み燃料を敷地内の中間貯蔵施設に移す作業が行われる見通しで、実際の解体作業はそれ以降の15年間に行われる可能性を指摘した。バッテンフォール社では、廃止措置承認手続における法的義務とは別に公衆の理解を促進するため、発電所近隣住民や一般市民との対話の強化、新たなウェブサイトやフェイスブックを活用した関連情報の提供を検討中である。