UAE:バラカ4号機に着工、1サイトで同型炉を4基同時に建設
アラブ首長国連邦(UAE)で原子力発電導入計画を担当する首長国原子力会社(ENEC)は9月2日、アブダビ首長国西部のバラカ原子力発電所建設サイトで4号機の建設工事を正式に開始したと発表した。同サイトではすでに、4号機と同じ出力140万kWの韓国製・改良型PWR「APR1400」として1~3号機が建設中であることから、着工式典に出席したエネルギー省のS.マズルーイ大臣は「バラカは同型の原子炉4基の建設が同時に行われるという世界でも唯一のサイトになった」とコメント。2020年までに4基すべてが完成すれば、同国の電力需要の4分の1を賄うとともに、毎年1,200万トンの温室効果ガスの排出抑制が可能になるとしている。
バラカ3、4号機の建設許可は2014年9月15日に連邦原子力規制庁(FANR)が発給。同月24日にENECは3号機の建設工事を開始した。4号機については、過去7か月間に貧配合コンクリートの打設や基盤ピットの防水加工、金属製構造物の腐食防止、鉄筋の敷設といった準備作業を実施。今回、工事が始まった原子炉建屋の完成には今後36か月を要する見通しで、営業運転の開始は2020年を予定している。
現在同サイトでは、2012年に着工した1号機の進捗率が75%に達しており、2017年の営業運転開始を目指してENECは2016年にも最初の核燃料を装荷する計画。最初の燃料バッチを安全に受領するため、関係組織間の調整を遅滞なく進める考えだ。1号機が運開した後は、12か月のインターバルで順次、後続原子炉が運開していくことになる。