ハンガリー:パクシュ発電所Ⅱ期工事プロジェクトの技術的側面をECが承認
ハンガリー政府は9月11日、パクシュ原子力発電所Ⅱ期工事建設プロジェクトで同国がロシアと結んだ契約について、新設炉の安全性などプロジェクトの技術的な側面を欧州委員会(EC)が承認したと発表した。同プロジェクトが欧州原子力共同体(ユーラトム)条約の関連要件を満たしていると認めたもので、首相府のJ.ラーザール長官は、「低価格のエネルギーを得る新しい時代に向けて、ハンガリーはまた一歩前進した」とコメント。ECからはこのほか、国家補助規則との整合性や資金調達方法についても承認を得る必要があると伝えられている。
パクシュ発電所はハンガリー唯一の原子力発電所で、4基の50万kW級ロシア型PWR(VVER)で国内の総発電電力量の4割を供給。近年、これらの運転期間が満了しつつあるため、ハンガリー政府はこれらの運転期間を延長する一方、ロシアからの低金利融資によりⅡ期工事(5、6号機)として120万kW級VVERを2基増設する計画を進めている。昨年12月にはパクシュⅡ期工事開発会社がロシアの原子力エンジニアリング企業と(1)エンジニアリング・資材調達・建設(EPC)契約、(2)完成炉の運転管理契約、(3)燃料供給契約--を締結したが、ECは燃料供給セキュリティの観点からロシアから燃料を調達する3つ目の契約に対し懸念を表明。ハンガリー政府とECおよびユーラトム供給局(ESA)がさらなる協議を重ねた結果、ECは4月に同契約への副署を承諾していた。