米規制委:ニュージャージー州の事前サイト許可審査で最終安全評価報告書

2015年10月7日

 米原子力規制委員会(NRC)スタッフは10月1日、パブリック・サービス・エンタープライズ・グループ(PSEG)がニュージャージー州南部の原子力発電所建設サイトで申請していた事前サイト許可(ESP)審査において、最終安全評価報告書を完成したと発表した。同州セーレム郡で隣り合って立地するセーレムとホープクリーク両原子力発電所の隣接区域について、新たな原子炉を建設・運転しても安全上の問題はないと結論付けたもの。スタッフは今後、同報告書を原子力安全許認可会議(ASLB)の公聴会にかけるが、その前に環境影響声明書の最終版を完成させる必要があるとしている。

 ESPは、電力会社が原子炉新設計画への資金投入を決断する前に、建設サイト特有の(1)安全性、(2)環境影響、(3)緊急時計画--について、NRCから事前に承認を得ておくためのもので、有効期限は20年間。建設・運転一括認可(COL)申請の審査を受ける際、ESPの審査結果を参照することでサイト関係の審査に要する時間を短縮できるが、任意の手続であることから、ESPを通さず直接COL審査を申請した場合は、ESP審査と同等の情報をNRCに提出することになる。これまでに、イリノイ州のクリントン、ミシシッピー州のグランドガルフ、バージニア州のノースアナ、ジョージア州のA.W.ボーグルの各サイトでESPが発給済みとなっている。

 PSEGは2010年5月にセーレム郡サイトのESPをNRCに申請した。これに関してNRCが作成した安全評価報告書は688ページにおよび、原子炉安全諮問委員会(ACRS)による審査コメントも明記。審査を行った具体的なトピックとしては、以下のものがあったと説明している。すなわち、
・サイトの地震学、地質学、気象学、および水文学的特性、
・潜在的な事故発生リスク、
・発電所の物理的セキュリティを適切に支援するための能力、
・PSEGが提案した全面的な統合緊急時計画--である。