スウェーデン:オスカーシャム原子力発電所の運転会社が1、2号機の早期閉鎖を決定
スウェーデンでオスカーシャム原子力発電所を運転するOKG社は10月14日の臨時株主総会で、大株主である独E・ON社の方針により同発電所1号機(O1)(40万kW級BWR)と2号機(O2)(60万kW級BWR)を早期閉鎖するという政治的決断を下した。これにより停止中のO2は再稼働させず、O1については現在の計画に従って運転を行い、廃止措置の日程などが準備出来た段階で閉鎖日を決定することになる。ただし、出力の大きい同3号機(O3)(120万kW級BWR)が今回の決定から影響を受けることはなく、技術的な寿命を迎える2045年まで低炭素電源として発電を継続すると明言している。
O1とO2の早期閉鎖は、今年6月にE.ON社が戦略的提案としてOKG社に勧告していたもの。経済性が低下したO1についてOKG社は同月18日、永久閉鎖するための準備として許可申請書を国土環境裁判所に提出していたが、O2は2013年に開始した大規模な安全性改良工事が年内の再稼働に向けて終盤に入ったところだった。E.ON社はO2を早期閉鎖する理由として安全性関連の問題からではなく、恒常的な電力価格の低迷や原子力発電設備に対する課税、安全要求項目の追加にともなう巨額の投資を指摘。同炉を2020年以降も継続運転するための投資にはビジネス・チャンスが不足しているとしたほか、O2のような小出力プラントで広範な投資を行うより、O1とO2の合計出力より大きいO3こそ長期的な電力の安定供給戦略上、重要との認識を示していた。