バッテンフォール社:リングハルス2号機を2019年、1号機を2020年に閉鎖と決定
スウェーデンのバッテンフォール社は10月15日の臨時株主総会後、リングハルス原子力発電所1号機(90万kW級BWR)と2号機(90万kW級PWR)を閉鎖する具体的な時期を、それぞれ2020年と2019年に決定したと発表した。同社は今年4月、両炉を早期閉鎖する方針を表明したのに続き、9月には両炉への投資は最長でも2020年までとすることを最終決定。閉鎖のタイミングは、この夏中かけて実施した分析調査に基づき判断したと説明したが、少数株主の独E・ON社が「最終判断を下す前に、さらに分析調査を続けるべき」と述べていたことも明らかにしており、今回の承認が全株主の一致した判断ではないことを示唆した。E.ON社は一方、スウェーデンで過半数を所有しているオスカーシャム原子力発電所の1、2号機については、前日の14日に「運転継続させる投資にビジネスチャンスはない」として早期閉鎖する経営的判断を下している。
同社は1970年代半ばに運転開始した1、2号機で安全要件に準拠した改善・最新化作業を進め、2025年まで運転継続させることを計画していた。しかし、近年の電力価格の低迷に加えて、昨年発足した連立政権の脱原子力政策により、議会が6月に原子力税の17%引き上げを決定。8月から施行されたことも原子力発電所の採算性を悪化させていると説明。今年初頭の段階で、リングハルス1、2号機に対して170億クローナ(約2,500億円)の評価損を計上したことを明らかにした。ただし、1980年代初頭に運転開始した同3、4号機(各90万kW級PWR)に関しては、予定どおり60年間稼働させる計画に変更はないと強調している。
同発電所の分析調査では、燃料コストや将来的なメンテナンス要件、両炉を2020年まで稼働させるのに必要な投資額といったファクターに加えて、運転スキルと資源に関する要件についても考慮。実際に閉鎖するタイミングは、燃料経済や両炉の共有システムを分離する技術的側面などのファクターが影響したという。
同社のT.ワールボリ会長兼取締役会議長は、「閉鎖時期について今、判断を下すことは、投資とメンテナンス両方の経費を合理化する詳細な計画の立案という点で絶対的に重要だ」と指摘。非常に長期にわたる手続きでもあり、今回の決定が従業員にどのように影響するか言及するのは時期尚早だと述べた。