米国:閉鎖したサンオノフレ発電所の補償額4億ドルで保険会社と合意
2013年に閉鎖されたサンオノフレ原子力発電所(SONGS)2、3号機(各PWR、112.7万kW)を所有する米サザン・カリフォルニア・エジソン(SCE)社は10月22日、蒸気発生器(SG)の不具合により閉鎖前の段階で停止していた期間の保険金として、保険会社のニュークリア・エレクトリック・インシュアランス社(NEIL)から4億ドルを受け取ることで合意に達したと発表した。SCE社はカリフォルニア州公益事業委員会・電力利用者擁護局(ORA)などの顧客擁護団体らと昨年11月に結んだ和解案に基づき、SONGS関連の保険金請求が成功した場合はこれを顧客に返金すると約束。NEILとの保険契約では関連資産の損害と偶発的な運転停止期間が補償対象となっていたことから、SONGSの主要な共同所有者3社に今回の保険金の95%を配分し、電気料金の割引という形で2016年初頭から顧客への返金を開始する。具体的な配分は、SCE社に3億1,280万ドル、サンディエゴ・ガス&エレクトリック社に8,000万ドル、リバーサイド市に716万ドルとなっている。
SONGSの2、3号機では2012年1月、取り替えたばかりのSG細管から冷却水の漏洩が発生したため運転を停止。SCE社は復旧の見通しが立たないとして2013年6月に両炉を永久閉鎖した。これらSGの製造元である三菱重工業(MHI)による損害賠償としては、SCE社が米国証券取引委員会に提出した報告書の記載通り、MHIの契約上の責任上限は約1億3,700万ドルであり、代替燃料コストを含む間接的な損害は除外されている。しかしSONGSを共同所有するSCE社とその他3社は、MHIが品質保証義務を怠ったとして少なくとも40億ドルの補償を国際商業会議所(ICC)に提訴。今年7月にICCに提出した証拠文書では、請求額を75億7,000万ドルと見積もっていた。
今回の発表の中でSCE社は、顧客を救済する手段として今後も追加的な措置を取ると明言。ICCの調停を通じたMHIとその米国法人に対する補償追求を継続し、顧客への補償に充てる考えを明らかにしている。