WH社:米商務省のウクライナ公式訪問団に参加、燃料供給等で協力強化へ

2015年10月30日

 東芝傘下のウェスチングハウス(WH)社は10月26日、米商務省のP.プリッカー長官が率いるウクライナ公式訪問団に参加し、同国が進める原子力発電所の効率性・安全性改善包括プログラムに支援協力していくことになったと発表した。WH社がウクライナの原子力市場に参入したのは1994年のことで、これまでウクライナによる燃料・原子力機器の購入先多様化に貢献するとともに、原子力発電の国際的な良慣行や革新的技術を同国にもたらしてきたと強調。昨年12月にはウクライナの原子力発電所向け核燃料の供給を大幅に増加することで同国の国営原子力発電会社と合意するなど、協力関係が一層強化されつつある点をアピールした。

©ウクライナ首相府

        ©ウクライナ首相府

 プリッカー長官の訪問団にはWH社のほか、穀物大手のカーギル社やシティバンク社など大手米国企業の代表者が参加(=写真)。首都キエフではウクライナのA.ヤツェニュク首相やP.ポロシェンコ大統領をはじめ、複数の関係閣僚と大規模な協議の場を持ったという。WH社のD.ロデリック社長兼CEOは、ウクライナが現在、総発電量の5割以上を原子力に依存している事実を指摘し、「効率性と安全性の改善計画が成功すれば、安全性とセキュリティを促進しつつ国内エネルギーの容量を上げることができる」と保証。ウクライナは電力需要を満たすだけでなく、欧州エネルギー市場との統合により取引することも可能になると説明した。

 ヤツェニュク首相も、ウクライナが7月にワシントンで米国との投資フォーラムを開催したのに続き、10月23日にはドイツと開催、また、フランスとも同様のフォーラムを開催予定であることに言及した。その上で、米国の代表団が今回ウクライナを訪問し、経済関係の実用的な問題について協議を行ったことは重要との認識を示しており、ウクライナで民主主義が発展するには経済開発という裏付けが必要であり、今回の協議が具体的な結果をもたらすことを確信していると断言。欧米諸国との関係強化に対する期待をにじませた。