仏アレバ社:中国核工業集団公司からの出資協力含む連携で覚書
フランスのアレバ社は11月2日、少数の同社株購入可能性を含めた連携協力で中国核工業集団公司(CNNC)と覚書を締結したと発表した。財政難に陥った同社は7月末、同社の原子力サービス・機器部門である「アレバNP社」の株式、少なくとも51%をフランス電力(EDF)に売却し、自らは最大25%保有の少数株主となることでEDFと合意。EDFでは残りのアレバNP社株を購入する可能性のある企業を模索している。しかし今回、資本関連以外でアレバ社とCNNCが協力合意した事業は、ウラン採掘、燃料サイクルのフロント・エンド、使用済み燃料リサイクル、事業ロジスティクス、廃止措置などで、EDFが買収予定の原子炉事業は除外。燃料サイクル事業もEDFの買収とは直接関係しないとしている。
今回の覚書は、6月末に両者が中国における使用済み燃料の再処理・リサイクル施設建設プロジェクトや燃料サイクル全般に関して合意した協力枠組に基づくもの。調印は中国の習近平国家主席とフランスのF.オランド大統領立ち合いの下、CNNCの銭智民総経理とアレバ社取締役会のP.バラン会長が北京で行った(=写真)。アレバ社の経営再建については、三菱重工業がアレバNP社への出資を前向きに検討しており、アレバ社およびEDFと協議中。三菱重工業は、トルコへの輸出が決定した第3世代プラスのPWR「ATMEA1」をアレバ社との合弁企業「ATMEA社」で共同開発するなど、アレバ社とはすでに緊密な協力関係にあるが、同社の宮永俊一社長は10月30日の決算説明会で、「欧州委員会の承認が得られれば、2016年1~2月にかけて基本的な合意に達したい」と述べた模様。アレバ社本体への出資についても、前向きな姿勢を示したと伝えられている。