ロシア:ノボボロネジⅡ期工事1号機で温態機能試験を開始
ロシアの国営原子力総合企業ロスアトム社は11月13日、ロシア中部のノボボロネジ原子力発電所でⅡ期工事1号機の温態機能試験を開始したと発表した。2008年7月に120万kW級ロシア型PWR(VVER)の「AES-2006」を採用して始まった同炉の建設工事は2016年の運転開始を目指して、最終段階に入っている。機能試験は原子炉の運転状態を模擬した上で、1次系や2次系を含むすべての系統が目的どおり機能するか確認するために行う起動前試験の1つ。最大135度Cの温度で行った冷態機能試験では、4つの主循環ポンプを含むすべてのシステムで機能を確証した。これに続く温態機能試験では、温度を280度Cまで上げて実施する。ノボボロネジ6号機とも呼称される同発電所Ⅱ期工事1号機では、100件以上の試験を予定しており、その後、主要機器の点検を実施。連邦環境・技術・原子力監督庁(ROSTECHNADZOR)から運転許可を取得した後に燃料を装荷する段取りだ。
同発電所ではⅠ期工事として旧ソ連製PWRが5基、1960年代から1980年代に掛けて建設されたが、1、2号機はすでに閉鎖済み。3~5号機は現在も稼働中だが、Ⅱ期工事はロシア政府の「2007年~2010年、および2015年までの原子力産業開発のための政府目標プログラム」基づいて進められている。1号機の1年後に本格着工した同2号機の建設も、順調に進展中となっている。