米規制委:ニュージャージー州の事前サイト許可審査で最終環境影響声明書
米原子力規制委員会(NRC)のスタッフと米陸軍工兵隊は11月16日、ニュージャージー州セーレム郡にある原子力発電所建設用サイトの事前サイト許可(ESP)審査において、環境影響声明書(EIS)の最終版(FEIS)を発行したと発表した。セーレムとホープクリーク両原子力発電所に隣接する同サイトで原子炉を新設しても、環境影響上の問題はないとする審査結果をまとめたもの。申請書は2010年5月にパブリック・サービス・エンタープライズ・グループ(PSEG)が提出していた。同審査でNRCはすでに今年10月、安全面について保証した最終安全評価報告書(FSER)を発行していることから、今後はこれらの報告書がESPの発給に必要な事項を満たしているか、原子力安全許認可会議(ASLB)が開催する公聴会で審査することになる。PSEGでは2016年半ばにもESPを取得できると見込んでいる。
ESPは、電力会社が原子炉新設計画への資金投入を決断する前に、サイト特有の安全性、環境影響、および緊急時計画についてNRCから事前に承認を得るためのもの。20年間有効であり、建設・運転一括認可(COL)の審査を受ける際はESPの審査結果を参照することでサイト関係の審査時間を短縮できる。
セーレム郡サイトに関するFEISは約1,900ページにおよんでおり、NRCは連邦政府のほか関係する州政府、部族、地元機関などと協議した結果と、2010年11月の公開討論会で聴取したコメントを考慮して作成。2014年8月に発行したEIS案文に対するコメントも斟酌しており、NRCでは「環境影響上、同地より明らかに優れているサイトはない」と結論付けている。FEISはまた、陸軍工兵隊が別個に実施したPSEG申請の審査結果を支持。陸軍工兵隊は、放射性物質や放射線発生装置が関わる作業現場がNRCの免許を受ける際、水質汚染防止法と1899年河川港湾法に基づいて計画の審査・承認を行うことになっており、NRCとは別に決定記録を発行する予定である。