ベトナム:原子力発電所導入計画の着工を2020年まで延期
ベトナム共産党・青年連協会の公式紙「タインニエン」は12月8日、科学技術省(MOST)原子力局のホアン・アイン・トゥアン局長の弁として、同国初の原子力発電所の着工が、環境影響評価の長期化により2020年まで延期されることになったと伝えた。ロシアが受注したニントゥアン省フォック・ディンの第1原子力発電所(2基)建設計画は当初、2014年中の着工を予定していたが、福島第一原子力発電所事故発生を受けて、政府はプロジェクトの安全性を保証する対策の審査を関係省庁に指示。着工が2020年頃にずれ込む可能性については、すでに2014年1月にグエン・タン・ズン首相が示唆していた。これにより、日本がパートナー国として選ばれたニントゥアン省ビン・ハイの第2発電所(2基)計画についても、遅れが生じることは避けられないと見られている。
ホアン局長によると、関係省庁による第1発電所の環境影響評価は国際原子力機関(IAEA)の専門家から支援を得つつ現在も継続中。福島第一事故の影響により建設場所も移動したため、サイトの点検が長引くことになったと説明した。ロシア国営の原子力総合企業ロスアトム社から技術支援を受ける同計画では、出力120万kWの原子炉2基を建設予定。経費は合計で80億~100億米ドルと見積もっており、ロシアからの融資を受けることになるとした。同局長はまた、原子力発電の経験のないベトナムでは、その準備作業も難しくなる点を強調している。