英NuGen社:ムーアサイド原子力発電所計画でサイト特性調査を開始
東芝が出資する英国のNuGen社は12月16日、北西部・西カンブリア地方におけるムーアサイド原子力発電所建設計画で、ボーリング作業や地震探査を含むサイト特性調査を今月から開始したと発表した。同調査の詳細プログラムを実施する約2,000万ポンド(約36億7,000万円)の契約を地質工学的な調査の専門企業であるFUGRO社と結んだもので、今年7月に原子力廃止措置機構(NDA)から用地を購入する契約を締結したのに続く大型契約。2024年の初号機完成を目標に、東芝傘下のウェスチングハウス社が設計したAP1000を3基(合計360万kW)建設するという同計画は、新たなステージの作業が順調に進展している。サイト特性調査の目的はムーアサイドの施設レイアウトや設計に必要な情報を得ることで、原子炉新設のための許認可や計画申請、その他の合意取得手続で役に立つ。最初の段階として、陸上調査を2016年夏まで実施するほか、海上調査の大部分を2016年春から開始する予定。具体的な作業は、(1)300以上のボーリング孔掘削と研究所分析による地質工学的調査、(2)陸上における2次元地震探査と地形学的調査、および地下水のモニタリング、(3)海洋における30の地質工学的ボーリング孔掘削と試料採取、および試験、(4)海底の水深測量--などとなっている。
NuGen社のE.ヒースカネン副CEOは、「サイト特性調査の開始はムーアサイド計画にとって重要な節目になった」と指摘。同調査の結果、得られるデータは、プロジェクトを進める上で不可欠との認識を示した。また、今回の契約では消耗品の調達など、個別作業の遂行で地元のサプライ・チェーンを頼ることになると説明している。