韓国:25基目の商業炉となる新古里3号機が初臨界
韓国水力・原子力会社(KHNP)は12月29日、同国で25基目の商業炉となる新古里原子力発電所3号機(PWR、140万kW)が初臨界を達成したと発表した。同炉は韓国で初めて完成した出力140万kWの「改良型炉(APR1400)」で、同国がアラブ首長国連邦(UAE)に輸出したバラカ原子力発電所の参照プラントとなる。「APR1400」設計の安全性を保証するため、韓国は新古里3号機の営業運転を2015年9月までに開始する約束をUAEと交わしていたと伝えられているが、同炉の安全系制御ケーブルで検査結果が偽造されていたことが発覚。取替作業が必要となったため、当初予定の運転開始日程だった2013年末からは大幅に作業が遅れている。
KHNPは2008年10月に新古里3号機の建設工事を開始。原子力安全委員会が2015年10月末に運転許可を発給したのを受けて、同年11月に241体の燃料集合体を装荷した。今後は出力を徐々に上げながら性能を検査するほか、温態機能試験も実施。通常運転時や異常な状況下でも適切に機能することを確証した上で営業運転に入る段取りだ。KHNPは「APR1400」設計で耐震性を1.5倍増強したのに加え、60年間の安全運転が可能になるよう、設計段階から厳しい安全基準を適用したと指摘。福島第一原子力発電所事故の教訓も反映し、電源喪失への対応や水素除去設備、非常用外部給水設備など、大規模自然災害への対応を行ったと強調している。