バッテンフォール社:フォルスマルク原子力発電所の安全性改善で投資決定
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©バッテンフォール社
スウェーデンでは既存原子炉10基のリプレース用に限り、建設を許可する法律が2011年に発効している。しかし、1984年に導入された原子力発電税は2000年に容量税に変更され、近年は人件費の約2倍まで徐々に上昇、長期化する電力価格の低迷と相まって、原子力発電所の採算性を圧迫していた。また、スウェーデン放射線安全庁(SSM)が2014年12月、福島第一事故後の安全性改善行動計画の一環として、2020年末までに独立の炉心冷却機能の導入を国内の原子炉すべてに要求する方針を発表。厳しい安全要件を満たすための投資も懸念材料となり、バッテンフォール社はリングハルス1、2号機、OKG社はオスカーシャム1、2号機を早期閉鎖する方針を昨年秋に公表していた。
今回の発表でバッテンフォール社は、独立の炉心冷却機能を3基に設置終えるまでに数年を要するものの、発電に影響が及ばないよう配慮すると強調。競争市場の厳しい条件に対応していくために、安全性の改善工事と並行してコストや効率性の改善プログラムも実施するとした。これらの改善により、フォルスマルク原子力発電所は2040年代に入っても発電できるとの見通しを示している。