チェルノブイリ発電所:4号機の石棺を覆う新シェルターの設置 完了
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©EBRD
同発電所では1986年の事故発生直後に石棺を建設して4号機を封じ込めたが、急場凌ぎの構造物であったこともあり、後年は崩壊と放射能漏れの危険が生じていた。このためウクライナ政府と先進7か国は1997年、石棺の安定化と新たな覆いの建設を目標とする総予算21億ユーロ(約2,510億円)の「シェルター実施計画(SIP)」を策定。NSCの建設は同計画における300以上の関係プロジェクトの中でも中心的位置付けで、世界の45か国がシェルター基金を通じて総工費を拠出した。NSCは横幅と奥行きの長さが257m×162m、高さ108mという世界でも最大級の可動式鋼材製構造物で、総重量は36,000トン。フランスの建設大手であるバンシ社とブイグ社の合弁事業体「ノバルカ社」が2010年から工事を開始していた。
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