ロシアの最新設計、クルスクII-2号機の着工準備が進展
ロシアの民生用原子力発電会社であるロスエネルゴアトム社は11月1日、第3世代+(プラス)の最新設計「VVER-TOI」を採用したクルスク原子力発電所のII期工事2号機(PWR、125.5万kW)で、着工準備が着実に進展中であると発表した。
同II期工事は、チェルノブイリ発電所と同じ軽水冷却黒鉛減速炉(RBMK)が4基稼働する既存のクルスク発電所をリプレースするもの。すでに1号機(PWR、125.5万kW)は今年の4月末に本格着工した。これに続く同2号機でも、安全確保上必要となる電気設備の敷設作業が建設サイトで始まり(=写真)、同作業の完了後は基礎部分の底面にコンクリートを敷くなど、各種の組立・建設工事を開始予定。建設業者はすでにこれに必要な溝形鋼を設置済みで、同炉は2019年5月にも本格着工する計画だ。
ロシア国営の原子力総合企業ロスアトム社によると、「VVER-TOI」では、120万kW級のロシア型PWR(VVER)シリーズ「AES-2006」をベースに、技術面や経済面でパラメーターを最適化。運転期間が60年に設定されているほか、安全系には受動的システムが全面的に採用されている。
クルスクII期工事では最終的に4基の原子炉建設が計画されているが、1、2号機は「VVER-TOI」設計のパイロット・ユニットという位置付け。ロスエネルゴアトム社は2号機の電気設備敷設作業で、応力とひずみの状態を自動的にモニタリングするセンサーを原子炉建屋の土台底部に19台、土台自体には10台設置すると説明している。
(参照資料:ロスエネルゴアトム社、ロスアトム社の発表資料、原産新聞・海外ニュース、ほか)