ロシア国営のロスアトム社、サウジアラビアに海外支部 設置へ
ロシア国営の原子力総合企業ロスアトム社は6月11日、同社の国際事業部門であるルスアトム・オーバーシーズ社の海外支部を、サウジアラビアの首都リヤドに開設すると発表した。
サウジは2040年までに1,200万~1,800万kW分の原子力発電設備設置という大規模開発を計画しており、サウジ内閣は2017年7月、ベースロード用電源の大型炉2基に加えて、脱塩や遠隔地域用に利用する複数の小型炉建設を視野にいれた「国家原子力プロジェクト」の起ち上げを承認した。
ロスアトム社は原子力平和利用分野における同国との協力関係を積極的に深めていく方針。同年10月以降、サウジ初の原子力発電所建設に関する活発な競争入札協議に加わっており、同年12月にはサウジで原子力導入計画を担当する「アブドラ国王原子力・再生可能エネルギー都市公団(K.A .CARE)」と、原子力平和利用分野における協力ロードマップに調印している。
ロシア・エネルギー省のA.ノバク大臣はリヤドでの支部設置について、「サウジ国内にロスアトム社が存在すれば、原子力発電所建設プロジェクトを巡る協議のなかで、同国の国家機関や民間企業と効率的に交流することができる」と指摘した。
ルスアトム・オーバーシーズ社のE.パケルマノフ総裁も、「大容量の発電所建設プロジェクトで受注を目指すのみならず、中小型炉の建設や燃料サイクル、人材育成など、サウジの国家原子力プログラムや原子力インフラ開発に必要なものを手配する幅広い分野で、サウジ側と協力協議を実施中だ」としている。
(参照資料:ロスアトム社の発表資料、原産新聞・海外ニュース、ほか)