UAEの規制当局、原子力発電所の最初の運転員グループを有資格と認定
アラブ首長国連邦(UAE)の連邦原子力規制庁(FANR)は7月8日、同連邦初の原子力発電所となるバラカ発電所で勤務することになる、最初の国家上級原子炉運転員(SROs)と原子炉運転員(ROs)のグループ(15名)を正式に有資格と認定した。
アブダビ首長国西部の建設サイトでは、4基の140万kW級の韓国製PWRが建設されており、2018年3月には1号機の竣工式が行われた。しかし、運転員の訓練とFANRからの承認取得にもう少し時間がかかるとの判断から、同炉の燃料装荷日程は2019年末~2020年初頭に延期されている。
FANRが現在、同炉の運転許可申請審査の最終段階に入っているため、同炉ではこの許可が下りるのを待ちつつ、燃料装荷に備えて様々な試験を進めているところ。今年3月末現在、発電所全体の工事進捗率は93%を越えており、同2号機が95%以上完成したほか、3号機は91%、4号機についても82%となっている。
今回認定を受けた初回の運転員グループは、同原子力発電所の所有者となる首長国原子力会社(ENEC)が、運転管理子会社として2016年に創設したNAWAHエナジー社の社員。運転員としての認定は、原子力発電所の運転能力を保証するためにFANRが設定した要件が遵守されていることを意味しており、FANRが運転許可を発給する際の重要要件でもある。
同グループは、ENECとNAWAHエナジー社がこのような規制に沿って開発した3年間の訓練プログラムを履修。同プログラムは、エンジニアリングと原子力分野の一流専門家が蓄積した実践的な経験と、学科中心のカリキュラムを組み合わせた内容で、FANRは世界レベルの訓練を受けた受講生がUAEの原子力産業界で就業することになるとした。初回のグループはまた、韓国や米国、南アフリカでも研修を受けたとしている。
運転員に認定された後は、FANRがNAWAHエナジー社で2年毎に再教育プログラムを実施することになっており、運転員としての能力を規制要件に照らして定期的に確認。発電所周辺の国民と環境が守られるよう、世界でも最も厳しい基準に従って安全・確実な運転を期するとしている。
(参照資料:FANRの発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの7月8日付「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)