英国のジョンソン新首相、原子力発電の強力な後押しを約束
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©英国政府
首相はこのなかで、「原子力が英国のエネルギー・ミックスの一翼を担わねばならないことを固く信じている」と発言。総電力需要量の約18%を賄う既存原子力発電所のほとんどが、2030年までに営業運転を終了することから、メイ政権に引き続いて新規の原子力発電所建設に強い意欲を示した。
この発言は、カンブリア州コープランド選出のT.ハリソン議員が「英国は今や、原子力ルネッサンスの好機を迎えていると思いますか?また、コープランドは原子力の中核的研究拠点たり得ますか」と質問したことへの回答。コープランドは、セラフィールド原子力複合サイトや建設計画が頓挫したムーアサイド原子力発電所建設サイトを擁する1都市で、2008年には放射性廃棄物深地層処分施設(GDF)の受け入れに関心表明していたが、州政府の反対により建設サイトの選定プロセスは2013年に白紙に戻っている。
ジョンソン首相は、原子力ルネッサンスに関するハリソン議員の認識は全く正しいとした上で、達成が危ぶまれるような意欲的なCO2排出量の抑制目標に対しても、原子力はこれを満たす一助として役に立つとの見解を表明している。
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©英国政府
リードサム議員はD.キャメロン政権時代の2015年5月、BEISのエネルギー担当閣外相に任命されており、最低価格でエネルギーを供給し続けるとともに地球温暖化を防止する上で、経年化が進んだ既存原子力発電所のリプレースと拡大は重要と指摘。同年中にセラフィールド・サイトや、ムーアサイドとヒンクリーポイントC原子力発電所の建設用地を視察している。
同議員はまた、消費者の電気料金を抑えつつ新たな原子力発電所を利用するには、原子力サプライ・チェーンの小型モジュール炉(SMR)技術を活用することが重要になると指摘していた。
(参照資料:英国議会、BEISの発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの7月26日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)