バングラデシュ初の原子力発発電所にロシアが燃料供給へ
ロシア国営の原子力総合企業ロスアトム社傘下のTVEL社は8月6日、バングラデシュの首都ダッカの北西160kmで建設されているルプール原子力発電所1、2号機に、原子燃料を供給する契約を同国の原子力委員会(BAEC)と締結したと発表した。
同発電所1号機はバングラデシュ初の商業炉として2017年11月に本格着工しており、主契約者として建設工事を請け負ったロスアトム社傘下のアトムストロイエクスポルト(ASE)社は、同炉の商業運転開始を2023年に見込んでいる。
同社はまた、2018年7月に同2号機の建設工事を開始しており、これら2基は、国際的な安全要件をすべて満たした第3世代+(プラス)の120万kW級ロシア型PWR(VVER)「AES-2006」を採用。2024年に2号機が営業運転を開始すれば、1号機とともに同国の電力不足解消と経済成長に寄与するとしている。
TVEL社は、これら2基の運転期間全体にわたって燃料供給する唯一の企業となっている。契約交渉においては、ロシアのノボボロネジ原子力発電所2期工事1号機など、先行する「AES-2006」における効率性の高い最新式燃料の利用経験が考慮された。TVEL社はまた、今回の契約でロシアが原子力関係で有する高い技術力を改めて実証すると強調している。
ロシアは2009年にバングラデシュに対して原子力発電所の建設協力を提案し、翌2010年に両国政府は原子力の平和利用に関する2国間協力協定を締結。2011年には、原子力発電所の建設に関する協力協定を結んでおり、ASE社は2015年12月、「AES-2006」炉を2基建設するターンキー・べースの一括請負契約をBAECと締結した。
総工費は2基分で126億5,000万ドルと現地メディアが報じており、バングラデシュ内閣は2016年6月、このうち113億8,000万ドルをロシア政府から信用取引で借り受ける政府間協定案を承認したと伝えられている。
(参照資料:TVEL社の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの8月6日付「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)