トルコのアックユ2号機建設でロスアトム社が本格着工許可を取得

2019年9月10日

 ロシア国営のタス通信は9月7日、トルコ初の原子力発電設備となる「アックユ発電所」を建設しているロシア国営の原子力総合企業ロスアトム社が、トルコの規制当局から2号機(PWR、120万kW)の本格着工許可を取得したと報じた。

 地中海沿岸の同サイトでは現在、1号機の建設工事が2018年4月から本格的に始まっており、ロスアトム社は同炉の運転開始を2023年に予定。その1年後に運転開始する2号機については、昨年12月に部分的建設許可(LWP)が発給され、ロスアトム社のトルコ子会社「アックユ原子力発電会社(ANPP)」は、原子炉安全系統を除き、すべての建設工事や機器の据え付け作業が可能になっていた。

 今回の許可を受けて、ANPP社は初秋までに2号機の原子炉建屋部分で最初の基礎コンクリート打設を実施する計画。また、同3号機のLWPを2020年第1四半期に取得できるよう、規制当局に申請書を近々提出すると見られる。
 同発電所では、第3世代+(プラス)の120万kW級ロシア型PWR(VVER)を4基建設するが、4基すべてが完成すれば、年間約350億kWhの電力がトルコ国内に供給される。

©ANPP社

 なお、同発電所では7月末、1号機用の最初の大型機器となるコア・キャッチャーが到着した(=写真)。受動的安全系を備えた近代的な原子力発電プラントの重要機器で、重さ150トンの円錐型タンク。年末までに1号機の原子炉容器下部に設置され、同炉が稼働する60年の間、炉心内の放射性物質が過酷事故時に大気中に放出されるのを防ぐことになる。

 (参照資料:タス通信社(ロシア語)ANPP社の発表資料、原産新聞・海外ニュース、ほか)