フィンランドのOL3、最新の起動スケジュールからさらに6週間の遅れ

2019年11月11日

 フィンランドのティオリスーデン・ボイマ社(TVO)は11月8日、完成が遅れているオルキルオト原子力発電所3号機(OL3)(PWR、172万kW)について、今年7月に公表した最新の起動スケジュールからすでに作業が6週間遅延していることを明らかにした。
 これは、建設工事を請け負った仏アレバ社と独シーメンス社の企業連合による提供情報に基づいており、同企業連合は今後、プロジェクト最終段階におけるスケジュールの全体的な見直しを行った上で、12月に結果を改めてTVOに提示する。OL3は2005年8月、世界で初めてフラマトム社製欧州加圧水型炉(EPR)設計を採用して本格着工したものの、様々なトラブル等により当初2009年に予定していた完成には至っていない。最新のスケジュールでは、2020年1月に燃料を装荷した後、同年4月にOL3を送電網に接続、定常的な発電の開始は同年7月から予定している。

 同企業連合によると、OL3では機械システムと電気系統、および計測制御(I&C)系の最終的な確証を、高い品質水準で注意深く行う必要がある。完成がさらに遅れるにしても、OL3が燃料の初装荷段階と起動に至る直ぐ手前まで到達したことをTVOは認識しており、同社は現在、燃料装荷の申請準備を進めている。運転認可についてはすでに今年3月、フィンランド放射線・原子力安全庁(STUK)からの意見書に基づいて雇用経済省が発給した。
 現地の報道によると、TVOは今回の遅れを6週間に留めるため、あらゆる手立てを尽くす方針。遅れの原因としては、今年の起動試験時に2~3のバルブが破損し、取り替える必要性が生じたことを示唆している。

 (参照資料:TVOの発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの11月8日付「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)