IAEAが北京で閣僚級会合を開催、事務局長「不況下でも原子力重要」

2009年4月30日

 国際原子力機関(IAEA)は20日から22日までの3日間、経済協力開発機構・原子力機関(OECD/NEA)と協力して、「21世紀のための原子力発電」と題する閣僚級会合を北京で開催した。

 冒頭声明の中でM・エルバラダイ事務局長は、「世界的な経済不況がいくつかの国で原子力発電の拡大を鈍らせることがあったとしても、それは限定的な期間にとどまる」と指摘。中・長期的に原子力が世界のエネルギー供給構造の中で重要な役割を果たし続けることに変わりはないとの見解を表明している。

 前回会合時に誰も想像しえなかった課題として、エルバラダイ事務局長は世界規模の経済不況を挙げ、各国の原子力開発計画に与える影響について様々な議論があることを認めた。その上で、「いくつかの国では確かに、期間限定で原子力開発計画の実施と拡大に遅延が生じることは考えられる」と指摘する一方、中長期的には世界各国で生活水準のさらなる向上を追及する結果、世界的にエネルギー需要が増え続けることは明白だと強調。「原子力は世界全体のエネルギー問題に対する特効薬というわけではないが、世界のエネルギー供給構造の中で重要な役割を果たし続けることに変わりはない」との認識を明らかにした。

IAEAが北京で閣僚級会合を開催、事務局長「不況下でも原子力重要」