3機関の長期エネ予測
世界では毎年、複数の機関が各国のエネルギー需給等について様々な側面から実績調査するとともに、その将来的な見通しを予測する報告書を刊行している。データの捉え方や切り口はそれぞれに個性があり、異なっているが、各国のエネルギー政策立案者が長期的なエネルギー戦略を立てる際の重要な基礎データとなり得る。そのため、ここでは国際エネルギー機関(IEA)、経済協力開発機構・原子力機関(OECD/NEA)、および米エネルギー省(DOE)のエネルギー情報局(EIA)の報告書の概要を併載し、世界全体のエネルギー動向の趨勢を推し量ってみた。
まず、今月9日に国際エネルギー機関が発表した「世界エネルギー・アウトルック(WEO)2010年版」は、エネルギーの需要と供給、貿易、投資に関する2035年までの最新予測をエネルギー源別、地域別に提示。結論として、「信頼性の高い、環境的にも持続可能なエネルギーシステム実現に向けて世界各国が新たな政策をとり始めているが、それには一層強力な行動が必要だ」と指摘している。同レポートの概要は次のとおり。
図1.「新政策シナリオ」2008−35年の一次エネ需要増加分(燃料・地域)