スウェーデン:フォルスマルクに最終処分場建設サイトを決定

2009年6月16日

 スウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB)は3日、原子炉から出る使用済み燃料の深地層最終処分場建設サイトとして、エストハンマルの海に面したフォルスマルク原子力発電所・隣接エリアに決定したと発表した。(写真は完成予想図)

 2002年から07年にかけて、もう一つの候補地であるオスカーシャムとともに現地で実施していたボーリング調査などのサイト調査の結果、同国で稼働する原子力発電所からの使用済み燃料をすべて、再処理せずに同地の地下約500メートルの結晶質岩盤上に直接処分することになった。SKBは今後、2023年の操業開始を目指して手続きを進めていく。

 エストハンマルを選択した理由としてSKBは、(オスカーシャムと比べて)(1)処分場レベルの岩盤が乾燥しており亀裂が少ない、(2)掘削の必要な岩盤が少なく埋戻し材が少量ですむ――などの技術的な特長を指摘。長期的に廃棄物の安全性を保つには重要な特性だとしている。

 地上施設は環境影響を軽減できるよう、既存の産業エリアに建設。同エリア内のインフラに対してはアクセス用の交通手段を整備する。

 今後は2010年を目処に、国の放射線安全当局および環境裁判所に設置許可申請書を提出するため、環境影響評価や安全分析に関する文書も含め、諸手続きの準備を進める計画だ。

 世界ではこれまで、2001年にフィンランドがユーラヨキ自治体のオルキルオトを使用済み燃料地層処分サイトに決定したほか、02年には米国がネバダ州ユッカマウンテンを使用済み燃料およびガラス固化体の処分サイトに決定(※政権交代により取り消し)。スウェーデンはこれらに次いで三番目に高レベル放射性廃棄物処分サイトを決定したことになる。

スウェーデン:フォルスマルクに最終処分場建設サイトを決定