スウェーデン議会が脱原子力撤回法案可決 既存炉10基の建て替え可能に

2010年6月29日

スウェーデン議会は17日、約30年前に制定した脱原子力政策の撤回法案を賛成174、反対172の僅差で可決した。現在稼働している原子炉10基の建て替えが可能になるほか、事故時に原子力事業者が支払う賠償金額が引き上げられることになった。しかし、同法案の発効期日は政府提案の今年8月から来年1月1日に修正されている。票決数が伯仲していた点からも、今年9月の総選挙で原子力問題が争点の1つとなることは確実。近年の調査でも引き続き、同国国民の過半数が原子力に好意的という結果が出ているとはいえ、反原子力の社会民主労働党が巻き返した場合、現実に新たな原子炉建設まで漕ぎ付けるか否かは微妙な状況だ。