IAEA 国際濃縮センターを創設 ロスアトムと合意文書
国際原子力機関(IAEA)の天野之弥事務局長は3月29日、IAEA加盟国に低濃縮ウラン(LEU)を供給する国際ウラン濃縮センター(IUEC)をロシアに設置するため、ロシアの原子力総合企業であるロスアトム社のS.キリエンコ総裁と正式な合意文書に調印した。
濃縮という機微な技術の拡散を防ぎつつ、各国が滞りなく原子炉を操業する権利の保障を目指したシステムだが、供給の前提はあくまでも政治的な理由による供給途絶時の「最後の手段」。同センターが実際に機能する機会について疑問視する声があるほか、ロシアが進めている濃縮事業をさらに円滑に進める意図があるものと見られている。
(写真は、天野IAEA事務局長(=左)とロスアトム社のキリエンコ総裁)