(英国)廃棄物処分計画を公表、サイト選定から閉鎖まで130年
原子力ディコミッショニング機構(NDA)は、1950年代からの英国の原子力計画にもとづき開発された原子力関連施設の維持と解体を担当している。その所掌範囲は、すべての原子力発電のほか研究開発および兵器開発活動から生じた廃棄物への対応も含まれる。
NDAは7月7日、関連施設から出る放射性廃棄物のすべてを永久地層処分するための計画を発表した。それによると予備調査の段階は5年、実際のサイト候補地の調査は10年、その後、廃棄物を受け入れるための施設建設は約15年としている。処分場は90年間の運転の後、閉鎖と埋め戻しのための期間は10年としている。
この段階的計画は、廃棄物管理の基本原則から始まり、サイト候補地域の自主的な参加を呼びかけ、その中からサイトを絞っていくことを想定している。現在、廃棄物処分の概念設計を策定中であり、英国地質調査所がサイト候補地域の文献調査を実施する。その段階で明白に不適切なサイトは除かれ、適切なサイトはさらに詳細な調査が行われ、立地選定へと進むことになる。この手続きにおいて鍵となるのは、候補地域はいつでも選定プロセスから離脱できるということである。
サイト選定の時期については、英国政府は2025年頃を目途としている。このころには建設許可が申請され、契約が交わされ、規制機関の承認の上、工事が始まることになる。
地下200〜1000メートルのところに大きな空洞をつくることになるが、(NDAによればこれが主たる作業)、この工事には15年間を考えている。この後、廃棄物が系統的に貯蔵されることになる。
NDAは、何年か後には廃棄物処分施設を閉鎖することを想定しており、その後も原子力発電利用による廃棄物が出るのであれば、新しい処分施設を作ることになる。その決定(処分したあとの入口の封鎖、アクセス道路、空洞の埋め戻し等を含む)は、地域住民との協議による。廃棄物処分に関する詳細は国のアーカイブに保管され、閉鎖後、モニタリングは継続される。
(2010年7月7日付WNN)
(原産協会・国際部まとめ)