英国、廃棄物処分計画の概要公表 1処分場に全種類埋設

2010年7月19日

英国で高レベル放射性廃棄物(HLW)処分の実施主体となっている原子力デコミッショニング機構(NDA)は6日、深地層処分計画の概要と経過についてまとめた報告書「地層処分――実施に向けた段階的手続き」を公表した。すべての放射性廃棄物は、中間貯蔵後に時期をずらして1つの深地層処分場に埋設し、2130年以降、最終的にすべての坑道と立入口を埋め戻すと仮定した概念例を提示している。しかし、まだ初期段階の暫定計画であることから、後に複数の処分場が必要になる可能性についても言及している。


英国では2006年、中間貯蔵と地層処分を組み合わせる管理方針を政府が決定し、08年に6段階の地層処分場サイト選定手続きを示した「放射性廃棄物の安全な管理に関する白書」を公表した。これに従って、サイトの選定は政府が主導権を取って進める一方、NDAは下部組織の放射性廃棄物管理局(RWMD)を通じて処分場の計画立案と開発を担当。今回の報告書は、これまでの準備作業や処分対象となる廃棄物の数量など、処分場受け入れに関心を持つ自治体等に出来るだけ多くの関連情報を提供するのが目的だとしている。このため、基礎となる「標準計画」を白書に基づいて便宜的に設定したものだが、今後の技術開発動向やサイト固有の評価など、不確定要素次第で最終的な判断が変化する可能性があると強調している。


 

英国、廃棄物処分計画の概要公表 1処分場に全種類埋設