カナダ政府、医療用RI供給で 原子炉以外の生産方法模索

2010年7月30日

医療用放射性同位体(RI)の供給オプションとして原子炉を使わない生産方法を模索するカナダ政府は26日、補助金の交付候補とするために募集していた同コンセプトに基づく研究開発プロジェクトの提案受け付けを締め切った。


連邦政府の天然資源省がNISPと呼称するこのプログラムは、医療用RI生産に関する専門家審査パネルが提出した報告書に基づいて今年3月に構想が形作られた。


カナダには、世界に5基というRI生産炉の1つとしてNRU炉がカナダ原子力公社(AECL)のチョークリバー研究所内に存在。テクネチウム造影剤の原料となるモリブデンを含め世界の医療用RI需要の3分の1以上を賄っているが、昨年5月の重水漏れで同炉が停止して以来、テクネチウム製品の供給途絶を懸念する声が国内外から上がっている。


再起動に向けて、35システム中30までが復帰したNRU炉。現在、標的集合体の設置が完了し、燃料を再装荷中。

カナダ政府、医療用RI供給で 原子炉以外の生産方法模索