福島第一原発事故による各国の反応 脱原子力転換国に影響

2011年4月1日

福島第一原子力発電所事故は、これまで技術力の確かさを海外展開のセールスポイントとしていた日本での発生ということで、各国の原子力開発は少なからず影響を受けている。過去にTMIとチェルノブイリで炉心溶融事故を経験した米国とロシア(旧ソ連)では比較的冷静なほか、原子力を重要な輸出産業と位置付けるフランスも国内原子炉で安全審査を実施するものの、開発方針に変わりはない。大規模な原子力拡大を計画しているインド、中国でも、安全確保に一層慎重を期す考えだが、今後の原子力政策に大きな変更はないと発表している。


影響が甚大なのは、近年ようやく、脱原子力政策からの転換に道筋が見え始めていたドイツ、スウェーデンなどの国々。元々、国民の中に環境問題への意識が高いこともあり、現時点以上の開発拡大は難しくなった。原子力復活を目指すイタリアでは、1年間の冷却期間を置いて、事態の収束を待つ戦略と見られている。


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