IAEAの原子力安全閣僚会議が開幕 「宣言」で安全評価促す
福島事故後の世界の原子力発電所における安全性強化策を検討する「原子力安全に関する閣僚会議」が国際原子力機関(IAEA)の主催で20日にウィーンで開幕し、25項目から成るIAEA閣僚会議宣言が採択された。
同宣言では原子力発電国に対し、原発の危険性と安全に関する包括的評価を透明性のある方法で実施するよう奨励。定期的な審査や評価ミッションを通じて、IAEAの枠組の中で国際的かつ独立の立場の原子力安全専門家から評価を受ける利点を強調した。ただし、強制力のある事項ではないため、その効果の程については疑問視する向きもある。
このほかIAEA事務局長に対しては、同宣言および閣僚会議での結論に基づいて緊急時対応や放射線防護等に関する行動計画案を9月の総会までに提出要請。同理事会には関係予算の手当を要請するなど、計画の実行に向けて早急な対処を促す内容となった。
冒頭声明を発表する天野事務局長