フィンランドの新政権 「新規計画は認めず」

2011年7月1日

フィンランドで22日に、6党の連立による新政権が誕生した。4月の議会選挙後、2か月間にわたって連立協議を続けていたもので、中道右派・国民連合党のJ.カタイネン党首を首相とする新政権はこの日、今後の施策を記した「政府プログラム」を公表。原子力関連では、前政権が「原則決定(DIP)」を与えた2件分の原子炉建設計画については「早急に建設許可を与える」との方針を示す一方、「これ以後は新たなDIPは与えない」と明言しており、福島原発事故が同国の原子力政策に少なからず陰を落としていることが明らかになっている。

議会選では、これまで与党だった中央党が議席を大幅に減らして政権から外れ、反EU政策を掲げる保守系右派の「真正フィンランド人党」が34議席増やして躍進した。「政府プログラム」の内容も、財政破綻したポルトガルに対するEUメンバーとしての支援問題等、公的資金の安定政策などに主眼が置かれ、原子力については各党首の記者会見でも全く触れられなかったと伝えられている。

記者会見するカタイネン新首相(=写真右)

フィンランドの新政権 「新規計画は認めず」