仏の公共投資計画に変更なし 第4世代炉開発に10億ユーロ

2011年7月7日

仏国のN.サルコジ大統領は6月27日、原子力の一層の安全強化に向けた研究と第4世代原子炉の開発のため、仏政府の原子力研究開発プログラムに対する合計10億ユーロ(1168億円)の投資計画に変更がないことを明らかにした。福島原発事故後、近隣のドイツやスイスが脱原子力に向かう一方、仏国は2009年12月に公表した方針を堅持。再生可能エネルギーを含め、低炭素エネルギー技術の開発で同国が世界のリーダーとなり、安全性に優れた原子力開発継続の意思を貫く考えだ。


仏国政府が09年末に開始した「未来のための公共投資」計画では、350億ユーロの新規国債発行により優先投資していく産業分野を特定。「持続可能な開発とエネルギー」分野のため割り当てられた51億ユーロのうち、10億ユーロが将来の原子力開発に投資されるとしていた。


仏政府はこのうち、6億5160万ユーロを第4世代の新型ナトリウム高速冷却炉となる「ASTRID」の詳細設計等に投入。アレバ社と仏原子力・代替エネルギー庁(CEA)が実施中の共同作業を支援する。ASTRIDは現在、予備設計段階にあり、2017年に建設に進むか否かの判断を下す予定だ。


記者会見に臨むサルコジ大統領

仏の公共投資計画に変更なし 第4世代炉開発に10億ユーロ