米国で34年ぶり認可 ボーグル3、4号が本格着工 福島事故検証後に設計承認 WH静的安全設計を採用

2012年2月16日

米原子力規制委員会(NRC)は9日、新たな原子力発電許認可制度になってから初となる建設・運転一括認可をサザン社が南東部ジョージア州で進めているボーグル原子力発電所3、4号機建設計画に発給する判断を下した。新規建設計画としては1978年に最後のシアロンハリス1号機が着工して以来、34年ぶりの建設認可。10営業日後の正式発給を待って、サザン社では米国で初めてのウェスチングハウス(WH)社製AP1000・2基を2016年と17年に運開させるため、140億ドルに及ぶ本格的な建設作業を開始する。世界最大の原子力発電国の米国が新たな選択肢として原子力発電を再び選択し、実際に建設に着手したことの意義は極めて大きい。

AP1000は現在東芝の子会社になっている米国WH社が開発した最新鋭のPWRで、外部動力を使用しない静的安全設計を採用、NRC内の専門調査チームが福島第一原子力発電所事故を受けた原子炉の安全性強化策の検討を行った上でも、昨年末に付帯条件なしに設計承認されている。中国では現在、先行して4基のAP1000が建設中だ。

格納容器底部の組立て

米国で34年ぶり認可 ボーグル3、4号が本格着工 福島事故検証後に設計承認 WH静的安全設計を採用