仏露が原子力協力で共同宣言 第3世代炉、輸出基準に

2011年12月1日

仏国とロシアの両国政府は11月18日、原子力協力に関する共同宣言を公表した。既存炉のみならず、今後新たに建設する原子炉についても福島事故を教訓とした安全確保の優先を共通誓約とするほか、静的安全性を備えた第3世代炉を新規輸出炉の基準技術としなければならないと明言。ナトリウム冷却高速炉など第4世代炉についても、双方の研究機関が協力して開発ロードマップを策定していく。来春に大統領選挙を控えた仏国では、野党が既存炉の半数を止めるなどの脱原子力政策を打ち出しているが、同国の現政権は「可能な限り高い安全性を追求する原子力政策こそ最も責任ある判断」との姿勢を崩していない。


同宣言は第16回仏露政府間協議の場で決定されたもので、両国は5件の商業契約と原子力を含めた7件の合意文書に調印。幅広い分野で協力を促進する方針だ。原子力共同宣言には仏国のF.フィヨン首相とロシアのV.プーチン首相が署名(=写真)しており、「福島事故後の世界で両国の原子力協力は重要なステップだ」と強調している。

仏露が原子力協力で共同宣言 第3世代炉、輸出基準に