(フランス)地層処分で進展、概念設計段階に
フランスの放射性廃棄物管理機関ANDRAとエンジニアリング2社の合弁会社との間で契約が締結され、同国の高・中レベル放射性廃棄物の深地層処分場の工業設計作業が始まることになった。
ANDRAは、Technip社とIngerop社の合弁会社であるGaiya社との間で、同社を『Cigeo』と呼ばれる地層処分プロジェクトの概念設計とフロントエンド管理の主契約者とする6年間の契約にサインした。地層処分施設は、主にフランスの原子力発電所の運転や使用済み燃料の再処理から発生する最も放射性の強い廃棄物を最終的に貯蔵することになる。第1次概念設計は年内に実行され、2013年には公開の協議に付される。
このプロジェクト管理契約の締結は、フランスの1991年廃棄物管理法による研究・開発の段階の終了を意味する。 2006年に更新された法律により、高レベル・長寿命放射性廃棄物の標準ソルーションとして深地層処分が公式に宣言され、ANDRAが処分場の設計・建設の責任主体となった。処分場は、2015年に建設許可を取得し、2025年の操業を目指している。
Cigeoプロジェクトは、フランス東部の、ムーズ、オート・マルヌの両県にまたがる地域の地下約500メートルに貯蔵施設を建設するものであり、同地域ではANDRAが既にビュール地下研究所において広範な地質学的・科学的研究を実施してきた。放射能拡散を防止する地質学的バリアとしてビュール粘土層の特性を利用する。Cigeoは放射性廃棄物を永久貯蔵するように設計されているが、フランスの法律は少なくとも100年間は廃棄物を回収できるよう義務づけている。
Cigeoの地表施設はおよそ300ヘクタールであり、2、3キロメートル間隔をあけ、2つの貯蔵サイトに分けられる。 地下の各貯蔵施設はモジュール方式であり、最終的には15平方キロメートルに及ぶ。施設は最終的に閉鎖されるまで100年間運転管理される。
現在始まっている工業設計段階は、工期、建設コストの推定や関連技術の収集だけではなく、生涯にわたる運転、土木工学、機器、組織、サイト運営を考慮することになる。
上記のほか2012年の間に、廃棄物施設に貯蔵される廃棄物の予測量に関して、仏電力公社(EDF)、核燃料サイクル会社(Areva)、原子力・代替エネルギー庁(CEA)などの廃棄物発生者と協力して算定される。地域レベルで関心のあるものとして、地表施設やインフラ整備の計画が進められる。
ANDRAは2013年には、地表施設、廃棄物取扱い施設、地下施設のための予備設計研究を行うために契約者の入札を開始する予定である。
(2012年1月5日付WNN)
(原産協会・国際部まとめ)
地層処分施設は最終的に最大で15k?になる