(フィンランド)フェノボイマ社、新規原子力発電所建設で2社から入札受領
フェノボイマ(Fennovoima)社は、フィンランド西海岸ピハヨキで計画中の原子力発電所の建設のために、仏アレバ(Areva)社と東芝から商業入札書を受領した。メーカーの最終決定は来年末までに行われる。
フェノボイマ社は、2008年に優先供給者としてアレバ社と東芝の2社を選定し、2010年12月にアレバ社の170万kW・EPRおよび東芝の160万kW・ABWRがフィンランドの安全要件とフェノボイマ社の技術要件を満たすようにするための技術開発契約を交わした。 さらに 2011年7月には、フェノボイマ社は両社に原子炉とタービンの設計、供給、建設に関し入札を行うよう要請した。この入札には初期のインフラ工事や準備工事等は含まれていない。 アレバ社と東芝は、1月上旬に技術入札書を提出し、今回、商業入札書を提出した。
入札では、東芝は原子炉とタービンの両方を供給するとしたが、アレバ社は原子炉を製造するものの、タービンはアルストム社またはシーメンス社製にするとしている。
フェノボイマ社は、プラント工事が始まる前の準備工事である掘削、港湾工事等は同社の責任で実施し、さらに建設労働者のための宿泊設備、事務棟、ビジター・センターを建設する考えである。準備工事の最初の作業はサイトへの道路の建設であり、その作業は2012年後半にも開始予定である。
メーカーについての最終決定は、今年あるいは来年になる模様であるが 同時に、契約の正確な範囲についても決定することになる。 フェノボイマ社は「プロジェクトの全体スケジュールは、メーカーと交渉及び契約の中で明確になる」と述べている。
フェノボイマ社は2011年10月にピハヨキを立地点に決定。原子力発電所は、ボスニア湾沿岸のハンヒキビ半島に建設される。 ロシアのビリビノ原子力発電所とコラ原子力発電所に次ぐ世界で3番目に北に位置する原子力発電所となる。
フィンランド政府は2010年5月、フェノボイマ社に対し新規建設への原則決定(Decision in Principle)を出し、同年7月に議会によって承認された。運転開始は2020年頃の予定。また、2010年5月にはオルキルオト4号機建設の原則決定がTVO社にも与えられた。フィンランドは現在4基の原子力発電所により電気の約30%を供給、5基目のオルキルオト3号機(EPR)は2013年に営業運転に入る予定。ロビーサ3号機の新規建設に関する原則決定は認められなかった。
フェノボイマ社は、E.ON(ドイツ電力会社)が34%、フィンランド企業連合Voimaosakeyhtio SFが66%の株主となっている。
(2012年2月1日付WNN)
(原産協会・国際部まとめ)
ハンヒキビ半島に建設されるフィンランドで
7基目の原子力発電所イメージ図