古里1事故報告遅れで徹底調査 韓国

2012年3月22日

韓国原子力安全委員会は16日、古里原子力発電所1号機で2月に一時的に外部電源を喪失する事象が発生したにも拘わらず、その報告が1か月近く遅れた件について、関係者全員への聴き取り調査、および非常用電源の故障に関する徹底的な調査の経過を公表した。

この事象は同炉で定検中の2月9日に発電機保護リレーの試験を行った際、約12分間外部電源供給が遮断され、非常用ディーゼル電源も作動しない状態になったもの。残留熱除去系の作動等により安全上の問題はなかったが、事業者の韓国水力原子力(KHNP)が今月12日まで同事象を報告しなかった点を重く見、安全委は即日原子炉の停止を命じ、現場調査団を派遣していた。

原子力安全技術院の専門家23名で構成される調査団は、発電所従業員と所長、本部長およびKHNP本社の幹部を対象に報告隠蔽の正確な経緯を取調中で、これまでのところ、発電所所長までは事象を把握していたことが確認された。また、電力供給系統の調査については、事象発生時に起動しなかった非常用ディーゼル発電機の性能試験を15日に実施。内部の電磁弁が故障していたことが判明した。このため、安全委は残りのディーゼル発電機1台についても性能を徹底確認するとしている。

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