ヤツコ委員長が辞意表明 NRC内での指導力に批判噴出
米原子力規制委員会(NRC)のG.ヤツコ委員長(=写真)は21日、後任が議会上院の承認を得次第、辞任するとの意向を表明した。議会関係者から「尋常でない」と評価された同委員長の管理スタイルは議会の聴聞会を始めとする様々な場で取り沙汰されており、共和党議員を中心に辞任を求める意見が噴出。任期を1年残しての辞意表明はこうした批判を考慮した結果と受け止められている。
NRCにおける同委員長のリーダーシップが疑問視された端的な例は、同委員長を除くNRCの委員4名が昨年10月、連名でW.デーリー大統領補佐官に宛てた書簡だ。委員達はその中で、同委員長の「問題の多い気まぐれな行動がNRC内の職場環境を寒々しくし、重大な被害を及ぼしている」と指摘。具体的には、(1)上級スタッフを脅すなど極度の恐怖感を与えた(2)原子炉安全諮問委員会を恫喝して福島事故分析の一部の審査作業を阻もうとした(3)NRCの法的に定められた機能に反し、多数派見解を無視した――などを挙げていた。
<後略>