ドイツ悩ます 「2013年問題」 木口 壮一郎(ジャーナリスト) 「原子炉8基の欠落分の約9割を褐炭等で代替」
ドイツの脱原子力政策の本質は石炭褐炭火力への大胆すぎる回帰だ、と約1年前に本紙で注意を促した。これがきわめて妥当な見方であったことがわかってきた。
同国のいわゆる「エネルギー転換」政策には表と裏がある。表の金看板は、「原子力の欠けた穴を再生可能エネルギーで埋める」という、大衆受けし、国際的にも評判のよい「建前」である。裏の抜け道は、「原子力の欠けた穴を火力で埋める」という、口に出すのも憚(はばか)れる「不都合な真実」だ。表は政府が進め、裏の役割は電力会社が引き受けている。
<後略>
2011年のドイツの電源構成比
(総電力生産量6,145億kWh、暫定値)
出典:エネルギー収支統計協会(2012年2月現在)