ハルデン炉で実験を開始 ノルウェーがトリウムMOX開発

2012年8月23日

世界では現在、兵器級の余剰分離プルトニウムが260トン存在すると言われている。これを効果的に処分する方策の1つとして、ウランと混合したMOX燃料への転換と原子炉での再利用が欧州を中心に行われているが、ノルウェーでは1950年代から原子力国際共同研究に利用されてきたハルデン炉を使って、信頼性の高いプルトニウム管理や核拡散抵抗性などの面で有効と考えられる別方策の実用化研究を始めている。


ノルウェーのトール・エナジー社が率いる企業連合は、トリウムをプルトニウムと混合したMOX燃料(Th−MOX)の軽水炉使用で認可の取得が可能になるよう、今年1月からハルデン炉でトリウム燃料の照射実験計画を開始した。同社はノルウェーの再生可能エネルギー開発企業であるSCATECグループの子会社だが、企業連合には東芝傘下のウェスチングハウス社、フィンランドで原子炉を操業するフォータム社がパートナーとして出資参加。英国で余剰プルトニウム処分研究を牽引する国立原子力研究所(NNL)と、ノルウェーで原子力の基礎研究を進めるノルウェー・エネルギー技術研究所(IFE)がアドバイザーとして計画に加わっている。


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実験に使われているグローブ・ボックス

ハルデン炉で実験を開始 ノルウェーがトリウムMOX開発