原子力サプライチェーンの維持・強化に向けた提言について

2022年7月22日

一般社団法人 日本原子力産業協会は、原子力産業に携わる企業を対象に毎年実施している「原子力発電に係る産業動向調査」や、昨秋実施したアンケート調査の結果について、会員企業の実務者の参加を得て分析を行いました。ここに、調査および分析の結果を取りまとめ、原子力産業の直面する課題を整理した上で、以下を提言します。

提言1:原子力発電所早期再稼働のためのあらゆる取り組みの実施

原子力発電所の早期再稼働を実現するため、効率的な安全審査、国民理解の促進など、あらゆる取り組みの実施を提言します。

提言2:新増設・リプレースを明記したエネルギー計画の明示

2050年カーボンニュートラルを実現し、その後も維持するためには、一定規模の原子力を持続的に開発することが必要です。そのための投資判断を企業ができるよう、早期に新増設・リプレースの方針を明記した具体的なエネルギー計画を示していただくことを提言します。

提言3:原子力発電所の新増設・リプレースに投資が可能な事業環境整備

電力市場の自由化によって競争が進展した環境下においても、原子力事業者が人材や技術を維持し、原子力発電を持続的に活用できるよう、諸外国が採用している債務保証、税制優遇およびZEC、RABをはじめとするコスト回収を保証する制度など、原子力発電所の新増設・リプレースに投資ができる事業環境の在り方についての検討を開始することを提言します。

提言4:大型軽水炉を含む革新炉の技術開発や実証事業への支援拡大

人材・技術などの産業基盤の維持・強化のため、安全性・経済性・機動性に優れた規制基準に対応の大型軽水炉を含む革新炉の技術開発や実証事業への政府支援の拡大を提言します。

提言5:機器や部品の輸出振興に関する包括的支援策の検討

海外輸出に関する公的な金融支援や規格適合・認証・輸出管理に関わる支援など、機器や部品についての輸出振興の包括的支援策の検討を提言します。

お問い合わせ:(一社)日本原子力産業協会 情報・コミュニケーション部 石橋・木室

080-2260-6466 / media@jaif.or.jp

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