「原子力産業界の誓いー2050 年までに世界の原子力発電設備容量を3倍に!」
の表明について
一般社団法人日本原子力産業協会
日本原子力産業協会は、現地時間2023年11月30日~12月12日、UAE・ドバイにて開催されている国連気候変動枠組条約第28回締約国会議(COP28)に参加し、原子力産業に携わる関係団体、企業120社と共同で誓約を表明しました。
COP28においては、12月2日、日本をはじめとする米英仏加など22か国の政府が、「パリ協定」で示された1.5℃目標の達成に向け、2050年までに世界の原子力発電設備容量を3倍に増加させるという野心的な宣言に賛同しています。
このような政策目標の実施に責任を負うのは原子力産業であり、脱炭素化、クリーンエネルギー供給、エネルギー安全保障強化のための世界的な目標の達成に向けて、当協会はこの誓約に署名しました。
【誓約:原子力産業の誓い―2050年までに世界の原子力発電設備容量を3倍に!】
【誓約仮訳】
原子力産業界の誓い―2050 年までに世界の原子力発電設備容量を3倍に!
原子力発電がクリーンで低炭素な電力の中で2番目に大きな単一の供給源であり OECD諸国においてはクリーンで低炭素な電力の最大の供給源であることを認識し、
2000 年以来、原子力発電は平均して毎年2500 TWhの電力を供給しており、世界中の原子炉は現在、世界の電力の約10%、クリーンな低炭素電力の約1/4を供給していることに留意し、
国際エネルギー機関(IEA)によると、電力需要は2050年までに大幅に増加すると予想されていることに留意し、
アラブ首長国連邦政府が主催した気候変動に関する国際連合枠組条約 (UNFCCC) の第28回締約国会議 (COP 28) において、IAEA及び原子力発電国である加盟国が発表した声明に述べられているように、持続可能な経済発展を達成し、抑制されない気候変動による壊滅的な影響を回避するために、原子力を含む利用可能なすべての低排出技術が認識され、積極的に支援されるべきであることに合意し、
各国政府は、COP 28における決定及び国の政策を通じて、原子力エネルギーから気候変動緩和へのより大きな貢献を支援することを可能にする政策環境を作り出すことができることを認識し、
原子力が他のクリーンエネルギー源と同等の気候資金へのアクセスを確保することにより、各国政府は世界規模での原子力能力の大規模な展開が可能となることを認識し、
既存及び新規の原子力発電所、支援施設及び関連技術の建設及び運用を通じて、上記の政策目標の実施について責任を負うのは原子力産業であることに留意し、
本誓約書の参加者は以下項目に署名する;
- 原子力が急速で大幅な脱炭素化の実績を有していることを考慮すると、ネットゼロを達成するための強靭な戦略には、原子力による電力供給の割合の増加を含めるべきであると考える。したがって、世界の電力需要の増加よりも速いペースで成長する必要がある。
- 原子力発電は、他の多くの発電オプションよりも物質集約度が低く、土地利用もはるかに少ないため、電力構成に占める原子力発電の割合が高いことは、他の利益をもたらすと考える。
- 原子力技術はまた、例えば、高温工業プロセス熱の提供、水素製造、地域暖房及び合成燃料の生産を通じて、排出削減が困難な部門の脱炭素化を支援する上で重要な役割を有することを強調する。
- 脱炭素化、クリーンエネルギー供給、エネルギーの強靭性と安全保障の強化のための世界的な目標の達成を支援するために、原子力発電能力を現在の水準から2050年までに少なくとも三倍になるべきことを決意する。
- 各国政府、世界銀行、国際的な開発銀行に対し、原子力が他のクリーンエネルギー源と同等の気候変動資金へのアクセスを確保するよう要請する。
- 国際原子力インフラ銀行 (IBNI) が提案するような革新的な資金調達メカニズムを通じたものを含め、原子力への投資を結集することに尽力する。
- 原子力産業を代表する企業は、2050年までに原子力発電能力を少なくとも三倍にするという目標達成のため、既存の稼働中の原子力発電所による貢献を最大化し、安全で責任ある確かな方法で新規原子力展開のペースを加速させるよう、政府、規制当局、その他の利害関係者と協力した取り組みを約束することを宣言する。
- 今週初めに閣僚宣言を発表した各国政府に対し、この目標を達成するために協力するとのコミットメントに感謝する。
- また、原子力への投資を結集し、小型モジュール型原子炉や先進的な原子炉を含む原子炉の開発と建設を支援するというこれらの政府のコミットメントに感謝する。
- 本日の誓約に示された目標及び目標を達成するのに役立つ原子力政策目標の実施において政府を支援することに尽力する。
- これらの目標と目標に向けた進捗状況の年次レビューを支援することに尽力する。
- 他の企業にも本宣言への参加を呼びかける。
以上
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なお、COP28においては、日本をはじめ22か国が、「パリ協定」で示された1.5℃目標の達成に向け、「世界の原子力発電設備容量を3倍に増加させる」という野心的な宣言文書に賛同しました。
内容は以下をご確認ください。
Declaration to Triple Nuclear Energy
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