玄海町における高レベル放射性廃棄物の最終処分地選定に向けた文献調査の受け入れ決定について

一般社団法人 日本原子力産業協会
理事長 新井 史朗

 5月10日、佐賀県玄海町が、高レベル放射性廃棄物の最終処分地選定に向けた文献調査の受け入れを決定されたことについて、玄海町の皆様のご理解、ならびに関係された方々のご尽力に敬意を表する。
 国および原子力発電環境整備機構(NUMO)には、住民の皆様の疑問や懸念、意見に耳を傾け、丁寧な対話による信頼関係を構築し、事業への理解を深めていただけるよう誠意をもって調査・説明に当たってほしい。

 高レベル放射性廃棄物の最終処分は、原子力発電による安定した電力供給の恩恵を受けてきた我々世代の責務であり、原子力を通じた気候変動の緩和と持続的発展の両立に大いに寄与するものである。政府は、2023年4月28日の閣議決定「特定放射性廃棄物の最終処分に関する基本方針」で『現世代の責任であり、将来世代に負担を先送りしないよう、その対策を着実に進めることが不可欠である』と明記している。

 高レベル放射性廃棄物は、長期間にわたって人の生活環境から遠ざける必要があることから、わが国でも採用している地下深くの安定的な地層の中に埋める「地層処分」が最も適切であることが国際的に認められ、フィンランド、スウェーデン、フランスなどでは具体的な取組が進められている。

 この度、玄海町が受け入れを決定されたことで、高レベル放射性廃棄物の地層処分への国民的関心がさらに高まり、その必要性や安全性についてより一層理解が進むことを期待するとともに、当協会においても引き続き地層処分事業の必要性、安全性などについて科学的裏付けのあるデータを用いた分かりやすい情報発信、理解の促進に力を尽くして参りたい。

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