米原子力規制委員会(NRC)は12月5日、フロリダ・パワー&ライト(FPL)社がフロリダ州で操業するターキーポイント原子力発電所3、4号機(各76万kWのPWR)に対して、2回目の運転期間延長を承認したと発表した。両炉は、1972年と1973年にそれぞれ営業運転を開始。当初の認可運転期間である40年に加えて、すでに2002年に追加で20年間の運転継続を承認されている。今回さらに、20年が追加されたことから、それぞれの合計運転期間は全米で初めて80年に延長され、3号機は2052年7月まで、4号機は2053年4月まで操業することが可能になった。 現地の報道によると、FPL社のスポークスマンが今回の判断について、「クリーンで信頼性が高く、価格も適正な原子力発電をフロリダ州で継続していく大きな節目になった」と評価。これら2基の運転継続に向けて多額の資本を機器の改修に投下したこと、確かな安全運転実績をこれまでに2基で積み重ねてきたと強調した。 FPL社が両炉について、2回目の運転期間延長を申請したのは2018年1月のことである。NRCは同年5月に申請書を受理しており、NRCの担当部門は今年7月に安全性評価報告書の最終版(FSER)を発行したほか、10月には環境影響評価について補足文書の最終版(FEIS)を発行。これらの中で、両炉の運転期間をさらに20年延長したとしても、安全面や環境影響面の問題はないと結論付けている。 また、NRCの原子炉安全諮問委員会(ACRS)と原子力安全許認可会議(ASLB)も、同申請の安全性に関わる部分を審査した。ACRSは同申請について、「一般国民の健康や安全を過度のリスクにさらすことなく、両炉は追加の期間も運転し得る」と勧告、ASLBは複数の国際環境保護団体が共同で申し立てていた同申請への異議を退けた。 米国の商業炉における運転開始当初の認可運転期間は40年だが、これは技術的な制限ではなく、経済性と独占禁止の観点からのもの。40年あれば原子力発電所は通常、電気料金によって費用の回収が完了するため、減価償却の観点から議会がこの期限を定めた。それ以降は20年間ずつ、追加の運転期間について、NRCに申請することになっている。 NRCはこれまでに、約100基の商業炉のうち91基(うち5基は早期閉鎖済み)に対して初回の運転期間延長を承認しており、運転を開始して以降60年間の運転継続が一般的。2回目の運転期間延長に関しては、FPL社のほかにエクセロン社がピーチボトム2、3号機で、ドミニオン社がサリー1、2号機で申請を行っており、NRCはそれぞれについて2018年7月と10月から審査を実施中である。 ドミニオン社はまた、ノースアナ1、2号機についても2回目の申請意思をNRCに連絡済みで、実際の申請は2020年10月から12月の間に予定されている。このほか、南北カロライナの両州で6サイト・11基の商業炉を運転するデューク・エナジー社が今年9月、これらの原子炉で2回目の運転期間延長を申請する方針を表明している。 (参照資料:米規制委の発表資料、原産新聞・海外ニュース、ほか)
06 Dec 2019
79
国連環境計画(UNEP)は11月26日、国連気候変動枠組条約・締約国会議(COP25)がスペインのマドリードで開幕する直前に、世界の温室効果ガス(GHG)排出量に関する年次報告書の2018年版を公表し、「2020年から2030年の間に毎年、排出量を7.6%ずつ削減していかなければ、世界は産業革命以前と比べて気温の上昇を1.5度Cに抑えるという2015年のパリ協定の目標を達成する機会を失う」と警告した。UNEPのこの報告書は「温室効果ガス排出ギャップ報告書(Emissions Gap Report)」で、2011年から毎年発行しているもの。2030年に予想されるGHG排出量と、気温上昇の抑制目標値である1.5度Cと2度Cに相応する排出量とのギャップを評価し、このギャップを埋めるための方策に焦点を当てている。それによると、過去10年間で世界のGHG排出量は年率1.5%増加しており、2018年は森林伐採などの影響を受けて排出量が過去最高の553億トン(CO2換算)に達した。UNEPは「パリ協定における誓約がすべて実行されたとしても、世界の世界の平均気温は3.2度C上昇し、我々は地球温暖化で一層広範囲かつ壊滅的な影響を受けることになる」と説明。気温上昇を1.5度C未満に抑えるためには、各国が現行レベルから5倍以上高い削減目標値を定め、今後10年間でGHG排出量を削減していく必要があるとした。そのための行動を起こすという意味で2020年は非常に重要な年であり、英国のグラスゴーで開催されるCOP26では、このような危機を回避する努力の方向性を定めるとともに、参加各国がそれぞれの目標を大幅に強化することを目指すという。UNEPは、平均気温の上昇を抑えるために2030年の年間GHG排出量を、気温上昇2度C未満という目標達成に向けた各国の対策計画(NDC)から、CO2換算で150億トン削減する必要があると指摘。この場合、2020年から2030年まで年率2.7%でCO2を削減しなければならないとした。また、1.5度C未満に抑えるのであれば排出量の削減幅を320億トンに拡大する必要があり、年間ベースの削減率は7.6%になると説明している。国連のA.グテーレス事務総長はUNEP報告書について、「過去10年近く、この報告書は警告を発し続けてきたが、この間に世界ではGHG排出量がただ増えただけだった」と強調。「各国とも警告を聞き入れず、温暖化防止で思いきった対策も取らなかったのだから、我々は今後も致命的で最悪の熱波や荒天、公害などに苦しめられるだろう」と述べた。UNEPのI.アンダーセン事務局長も、「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」が「1.5度Cを越えて気温が上昇すれば、温暖化の影響頻度と強度はさらに増していく」と通告していた事実に言及。「これまで各国は揃って、地球温暖化に迅速かつ熱心に取り組んでこなかったため、今後10年間で均等割りしたとしても年に7%以上ものGHG排出量削減を強いられることになる」と説明した。同事務局長によると、このことは地球温暖化防止で新たな強化策が必要になる2020年末まで、座視し続けてはいけないということを示しており、「それぞれの市や地域、企業や個人も今、行動を起こさねばならない」と明言。差し当たり2020年に、世界では排出量を出来るだけ引き下げておく必要があり、その後、各国が一層強力な対策を始動して経済・社会を大規模に改革する。「今までグズグズ先延ばしにしていた何年かの遅れを取り戻さねばならないが、これを逃せば2030年になる前に1.5度Cという目標の達成は手の届かないものになる」と警告している。報告書では、G20諸国の合計でGHG排出量全体の78%を占めたにも拘わらず、この排出量を実質ゼロとする目標を掲げた国は、この中でわずかに5か国だと指摘。短期的に見て、先進国は公平性の観点から、発展途上国より速やかに排出量を削減する必要があるとした。しかし、削減効果を上げるためにはすべての国が努力を結集しなければならず、途上国は先進国の成功例を学ぶだけでなく、先進国を追い越してクリーン・エネルギー技術を早いペースで採用することもできる。重要なことは、すべての国がそれぞれの対策計画(NDC)で高い目標を定め、2020年以降もそのための戦略や政策を実行することだと報告書は強調。パリ協定の目標達成で解決策は存在するものの、その開発速度が追いつかない、実効規模に満たないなどの課題も残されるとしている。 (参照資料:UNEPの発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの11月29日付「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)
05 Dec 2019
3752
カナダのSNC-ラバリン社は12月2日、中国核工業集団公司(CNNC)傘下の中国核能電力股分有限公司(CNNP)が2021年頃に中国国内で着工予定の新型重水炉(AHWR)2基について、プロジェクトの準備作業契約をSNC社の完全子会社であるCANDUエナジー社が受注したと発表した。同契約の下、主に建設プロジェクトに備えた計画の立案と許認可手続に関わる作業を実施する。中国では現在、CNNCがカナダ原子力公社(AECL)から導入したカナダ型加圧重水炉(CANDU)が2基(各72.8万kW)、秦山原子力発電所Ⅲ期工事として稼働中で、SNC社はAHWRがCANDU炉設計に基づいて開発されている点を指摘。AHWRは第3世代の70万kW級重水炉(HWR)であり、様々な革新的技術を採用したことで、この世代の設計に要求される事項や最新の国際的な安全基準に適合している。その中でも、新たに動的と静的両方の改良型安全系が装備されたほか、メンテナンス経費や資本コストが削減された標準設計になるとした。同社のこの説明は、2016年9月に同社とCNNC、および製造集団である上海電気が「新型燃料CANDU炉(AFCR)」を共同で開発、販売、建設するため、合弁事業体の創設で原則合意した際の、AFCRの説明と同一である。同社と中国側パートナーは、すでに2011年からAFCRの開発を開始し、AFCRの最初の2基は中国で建設するとしていたことから、今回のAHWR計画はこの協力の成果と見られている。SNC社は2011年にAECLのCANDU炉事業を買収していたため、AHWRプロジェクトではその設計と解析、建設、起動、運転に適用される規制面と安全面の要件に沿って、許認可手続の概要説明文書を作成する。具体的には安全設計ガイドや、安全性に関わる設計変更部分の評価書などを準備する。一方のCNNPはこれまで、中国で稼働する原子力発電所の多くで建設と運転を担当しており、秦山発電所Ⅲ期工事については株式の過半数を保有している。また、上海核工程研究設計院(SNERDI)がAHWRプロジェクトの一般設計を担当する組織として参加。今回の契約に関しても、SNERDI はSNC社がCNNPに代わって提出する文書の受け入れと審査を担当するなど、技術管理者の役目を果たすとしている。(参照資料:SNC-ラバリン社の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの12月3日付「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)
04 Dec 2019
1573
カナダ・オンタリオ州のD.フォード首相、ニューブランズウィック州のB.ヒッグス首相、およびサスカチュワン州のS.モー首相は12月1日、出力の拡大・縮小が可能で革新的技術を用いた、多目的の小型モジュール炉(SMR)をカナダ国内で開発・建設するため、3州が協力覚書を締結したと発表した(=写真)。 3人の首相はともに、原子力発電は炭素を出さず信頼性が高く、安全で価格も手ごろな発電技術と認識しており、SMRは遠隔地域などを含むカナダ全土において、経済面の潜在的可能性を引き出す一助になると明言した。同覚書に法的拘束力はないものの、今後は3州のエネルギー大臣が2020年1月から3月の間に冬季会合を開催して、最良の開発・建設戦略を議論。国内の主要な発電事業者には、費用対効果検討書も含めたフィージビリティ報告書の作成で協力を求める方針であり、同年秋までにSMRの戦略的開発計画を策定するとしている。 SMRの利点について3首相は具体的に、送電系統とつながっていないコミュニティに対してもクリーンで低コストなエネルギーを供給できるとしたほか、鉱山業や製造業などエネルギー多消費産業に対して便宜を図れるなどと指摘。また、SMR技術がカナダのみならず世界中で採用されれば、カナダの経済成長を促すとともに輸出機会を拡大することにもつながるとした。こうしたことから、3州の政府はそれぞれに特有の必要性や経済面の優先事項に見合う方法で経済を成長させ、温室効果ガスの排出量を削減するために協力体制を敷く方針。力を合わせて革新的なエネルギー・ソリューションを開発し、地域の雇用や成長促進に向けた最良のビジネス環境を創出していくと述べた。今回の覚書によると3州は、カナダ連邦政府の天然資源省が昨年10月に公表した「カナダにおけるSMRの開発ロードマップ」とともに、付託された「行動要請文」の策定に貢献した。カナダは原子力産業の全領域を備えるなど最上位に位置する原子力国家であり、SMR開発で先駆的国家となることにより、このように高度な革新的技術分野で戦略面や経済面、および環境面の利益が得られるとした。3州は世界でも有数の原子力企業が多数所在する地域であり、3州それぞれが州内でSMRを導入することに関心を抱いている。このような背景から、3州は以下の点について合意し、相互協力を行うことになったもの。(1)地球温暖化や州内のエネルギー需要、経済開発などに取り組むため、それぞれの必要性に応じたSMRの開発と建設を3州が協力して進める。(2)SMR開発における重要課題――技術的な準備状況、規制上の枠組整備、経済性と資金調達、放射性廃棄物の管理、国民および先住民との関わり合い――などに一致協力して取り組む。(3)「原子力のようにクリーンなエネルギーは地球温暖化への取組みの一部として必要」という明瞭明解なメッセージが発せられるよう、3州が連邦政府に積極的に働きかける。(4)3州内のオンタリオ・パワー・ジェネレーション(OPG)社、ブルース・パワー社、ニューブランズウィック・パワー社、およびサスクパワー社のCEOから要請されたように、開発ロードマップで特定されたSMR開発への支援提供を、3州が協力して連邦政府に働きかける。(5)原子力やSMRが有する経済面や環境面の利点について一般国民に情報提供するため、3州が協力する。――などである。 (参照資料:オンタリオ州政府の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの12月2日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)
03 Dec 2019
1417
原子力発電を支持するスウェーデンの専門家グループ「Analysgruppen(アナリシス・グループ)」はこのほど、民間の世論調査会社であるNovus社との協力で実施した「原子力発電に対するスウェーデン国民の意識調査」結果を公表し、原子力支持派の割合が前年実績の71%から78%に増加したことを明らかにした。このうち43%は原子炉の新設に賛成するなど、同じ設問への賛成が28%だった2017年、36%に増加した2018年を経て、総発電量の約40%を賄う原子力発電の支持派は確実に増加したと強調している。この調査はアナリシス・グループが1997年から毎年行っているもので、今回Novus社は、18歳から79歳までのスウェーデン人1,027名に対し、ウェブを通じたインタビュー形式で10月下旬に調査を実施。調査への回答率は54%だったとした。同グループに所属するウプサラ大学の原子核物理学者M.ランツ博士によると、78%のうち残りの35%は「既存の原子炉が寿命を終えるまで稼働させる」ことを選択した。一方、政治的判断で既存炉を廃止することに賛成したスウェーデン人の割合は、これまで安定的に20%台をキープしていたが、今回大幅に変化して過去最低の11%に留まった。また、男女間の見解の相違は徐々に縮まっており、これまで女性は男性よりも原子力に懐疑的な傾向があったが、原子力発電を受け入れる女性の比率は徐々に高まっているとした。同博士は、昨年来、原子力を巡る議論に弾みが付き、この議論が鈍化する兆しは見うけられないとした上で、原子力発電の潜在的な危険性を一方的に取り上げるのではなく、事実に基づいた認識や原子力のもたらす恩恵が議論されるようになったと指摘。化石燃料に代わって、天候に左右されずに安定的に発電するというエネルギー部門の需要に、原子力は応えつつあるとした。これらに関する個人的な結論として、同博士は「地球温暖化に原子力が与える影響は小さいとの知識が広く普及してきたことによる」と明言。化石燃料の使用量増加にともない、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書や、その他のニュース報道が様々な警告を発しているため、温暖化の防止で原子力の果たす役割が一層明確になってきたと説明している。スウェーデンでは、TMI事故後の約30年間にわたり脱原子力政策を敷いてきたが、代替電源の見通しがたたず、2010年6月に同国の議会がこの政策を撤回。既存の原子炉10基に限り、建て替えを可能にする法案が2011年初頭から施行された。しかし、2014年9月に発足した(緑の党を含む)中道左派政権は、連立与党間のエネルギー政策合意の中で原子力発電所を将来的に全廃し、再生可能エネルギーとエネルギーの効率化で代替することを決めた。また、スウェーデン放射線安全庁(SSM)は2014年10月、原子力発電所における中長期的安全対策として、2021年までに独立の炉心冷却機能を設置するよう事業者に指示。市場においては電力価格が長期的に低迷し、1980年代に導入された原子力発電税が徐々に上昇していったことから、原子力発電事業者は経済性の低下したオスカーシャム1、2号機を2017年6月までに永久閉鎖している。リングハルス原子力発電所の事業者も、1、2号機を2020年12月までに閉鎖する方針を表明。しかし、政府は2016年6月、責任のあるやり方で2040年までに再生可能エネルギー100%のエネルギー供給システムに移行するため、「原子力発電税を今後2年間で徐々に廃止する」方針を打ち出した。新設に関しても、既存の原子力炉10基分であれば建て替えを許可すると明言。これを受けて、事業者はリングハルス3、4号機については独立の冷却システムを設置するため、合計9億クローナ(約103億円)を投資するとの判断を2017年11月に下した。フォルスマルク発電所の3基に関しても、同事業者は同様の投資を行い、2020年以降も運転を継続するとしている。 (参照資料:アナリシス・グループ(スウェーデン語)の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの11月26日付「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)
02 Dec 2019
1492
カナダの核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は11月26日、使用済燃料の深地層処分場建設計画におけるサイト選定プロセスで、候補地点をいよいよ2地点に絞り込む段階に来たと発表した。使用済燃料処分の実施主体であるNWMOは、処分場の建設・操業まで含めてのサイト選定プロセスを2010年に開始しており、2012年9月末までに22地点が施設の受け入れに関心を表明した。現在は第3段階として、これらの自治体の「潜在的な適合性を予備的に評価」している。机上調査を行う第1フェーズと、地質学的調査や制限付き掘削調査などの現地調査を行う第2フェーズを通じて、選定作業を実施中。22地点のうち、9地点が2015年に第3段階・第2フェーズに進んだ後、2017年12月にはオンタリオ州内の5地点まで候補地点が絞り込まれていた。今回NWMOは、これらのうち州北西部のイグナス地域、および州南部に位置するヒューロン=キンロス地域とサウスブルース地域の合計3地点を選定しており、これらで処分場の立地可能性をさらに追求することになった。ヒューロン=キンロスとサウスブルースの2地点はほとんど隣接しており、このエリアが立地点となった場合、現在進められている土地所有者との交渉に基づいて、どちらかがサイト選定プロセスの次の段階に進むことになる。一方、州北部のホーンペインとマニトウェッジの両地域では、これ以上の評価は行わず除外するとしている。NWMOは今後、残りの3自治体と協力しながらさらに詳細な技術評価と社会調査を実施し、処分場施設が安全なものになるか見定める。また、これらの地域で住民の福祉を向上させつつ、建設プロジェクトを進めるための方法を模索。2023年までに、使用済燃料を長期的かつ安全に処分することが可能な1地点を最終決定することになる。NWMOのM.ベン=ベルファドヘル副総裁は、「最終的な判断を下すのは非常に難しく軽々には行えない」とコメント。「施設近隣の住民や環境を確実に防護しつつ、カナダの最終処分計画を進められるような、プロジェクトを十分理解した上で協力的な1地点を特定したい」と述べた。カナダでは、現在稼働中の加圧重水炉19基から出る使用済燃料を再処理せず、発電所サイト内で30年間保管し、1か所で集中管理することになった場合は、その施設でさらに30年間保管する方針。深地層に最終処分するのは原子炉から取り出して約60年後からとなるが、NWMOの最終処分場では銅をコーティングした専用キャニスターに使用済燃料を封入して、地下500mの深地層部分に埋設する計画である。サイト選定プロセスにおいては、参加自治体のみならず近隣自治体に対しても、建設プロジェクトへの貢献が認められた場合、福祉向上のための一時金が支払われるとしている。 (参照資料:NWMOの発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの11月27日付「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)
28 Nov 2019
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米国のD.トランプ大統領と同国を訪問していたブルガリアのB.ボリソフ首相は11月25日に共同声明を発表し、原子力を含む様々なエネルギー分野で両国間の協力を一層拡大する方針を表明した(=写真)。 ブルガリアにおけるエネルギー供給保障を強化するため、米国製原子燃料をブルガリア唯一の原子力発電施設であるコズロドイ発電所5、6号機(各100万kWのロシア型PWR)で使用可能となるよう、許認可手続の迅速な進展を両国政府の協力により支援。その際は、発電所の安全性やエネルギーの多様化に関する欧州連合(EU)の厳しい要件を満たすことになるとしている。 共同声明の中で両国首脳は、「エネルギーの安定供給確保こそ、国家の安全保障そのものである」との認識で一致。エネルギー源の多様化は、その供給保障や自給、国家経済の競争力を保証することになると強調した。ブルガリアはまた、国内のエネルギー源を一層効率的かつクリーンなものに移行させたいと考えていることから、両国は信頼性の高い様々なソースから天然ガスの供給量を拡大するとともに、ブルガリアの原子力部門で(燃料の調達先等の)多様化で協力していく。協力拡大の可能性を模索するために、米国はブルガリアに技術チームを派遣することも計画している。 ブルガリアでは1989年に共産党の独裁政権が崩壊した後、1991年に民主的な新憲法を採択して民主制に移行。2004年に北大西洋条約機構(NATO)に加盟したほか2007年にはEUにも加盟したが、加盟条件としてこの年までに、西欧式の格納容器を持たない「V230モデル」のロシア型PWR(VVER)であるコズロドイ1~4号機(各44万kW)をすべて、閉鎖させている。 現在のボリソフ政権は同首相による第3次内閣で、2009年に発足した第1次内閣時には、前政権がロシアとの協力で進めていたベレネ原子力発電所建設計画は「コストがかかりすぎる」として2012年に中止を決定。親欧米派として知られる同政権は、ベレネ発電所の代わりにコズロドイ発電所7号機として、ウェスチングハウス(WH)社製「AP1000」を建設する案も、一時期検討していた。 現在は、再びベレネ発電所を建設する案が浮上しており、ブルガリア電力公社は今年3月、建設の再開を目指して戦略的投資家を募集。完成した発電所からの電力購入希望も含めて、8月下旬までに13件の関心表明があったと公表した。採用設計は第3世代の100万kW級VVER「AES-92」に決まっており、2012年に同計画が中止された際、倉庫に保管した1号機用の長納期品や2号機用の一部機器を最大限に活用するとしている。 今回、米国とブルガリアの協力案件に取り上げられた原子燃料に関しては、東欧諸国からのVVER用燃料の需要拡大にともない、米国籍のWH社が2016年にスウェーデンのバステラスにある原子燃料製造加工工場を拡張済み。ウクライナで稼働するVVERには、すでに複数の原子燃料を納入した実績がある。 (参照資料:米ホワイトハウスの発表資料、原産新聞・海外ニュース、WNAの11月26日付「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)
27 Nov 2019
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ロシアの民生用原子力発電公社であるロスエネルゴアトム社は11月21日、北極圏のムルマンスク地方で電力需要の約6割を賄うコラ原子力発電所(44万kWのロシア型PWR×4基)(=写真)で2号機の運転期間が15年延長され、2034年まで稼働が可能になったと発表した。 1974年に送電開始した同炉は、すでに2004年に初回の運転期間延長として15年間が認められており、今回の延長により同炉のトータルの運転期間は60年に延長。今月20日付で国内送電網に再接続されている。 第3世代+(プラス)より前の世代のロシア型PWR(VVER)の公式運転期間は最大30年だが、同国では連邦政府の原子力発電所開発プログラムや、ロスエネルゴアトム社の運転期間延長プログラム等に基づき、運転開始後30年が経過しつつある原子炉から適宜、10~25年ほど期間の延長対策が進められている。 これまでに、レニングラード原子力発電所(Ⅰ期工事)の4基(各100万kWのRBMK)それぞれについて、運転開始後30年目に15年間の運転期間延長が承認され、1号機は送電開始後45年目の2018年末に永久閉鎖、2~4号機は2020年~2026年頃まで運転の継続が可能になった。ノボボロネジやクルスクの両発電所でも、経年化したものから順に15年ずつ運転期間が延長されているほか、バラコボ発電所(100万kWのVVER×4基)では今の所1~3号機まで、追加で約30年ずつ延長が認められた模様。それぞれの合計運転期間は約60年となった。さらに、カリーニン発電所(100万kWのVVER×4基)でも今月23日から、1号機の運転期間を2044年まで60年間に拡大する大規模な設備の最新補強作業が始まっている。 コラ発電所については、1973年に送電開始した1号機の運転期間が2003年に15年間延長された。2018年に2回目の運転期間延長措置が取られたため、現在の運転認可の有効期限は2033年である。 2号機については、設備の最新補強作業が279日間にわたって行われ、すべての診断・制御システムの更新とデジタル機器や新たなハードウェアとソフトウェアの設置、受動的安全システムの導入など、すべての作業が完了したのは今年10月下旬のこと。同炉は同月26日に試運転を開始し様々な試験を実施していたが、規制当局の連邦環境・技術・原子力監督庁(ROSTECHNADZOR)は今月13日、同炉を一旦停止した上で、最新補強作業の品質と原子炉設備の安全運転を最終確認する手続きを指示していた。 (参照資料:ロスエネルゴアトム社(ロシア語)の発表資料、原産新聞・海外ニュース、ほか)
26 Nov 2019
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中国の華能核電開発有限公司(HNNP)は11月19日、海南省・自由貿易試験区における建設プロジェクトの1つとして、昌江原子力発電所Ⅱ期工事(3、4号機)の起工式がこの前日に海南島で執り行われたと発表した。 Ⅱ期工事では総投資額394.5億元(約6,100億円)をかけて、中国が知的財産権を保有する第3世代の120万kW級PWR設計「華龍一号」を2基建設する計画。2019年の投資額は18億元(約278億円)を予定しており、3号機の原子炉系統部分で最初のコンクリート打設を2020年8月に実施した後、約60か月の工期を経て2025年の完成を目指す。4号機については、3号機の着工から10か月のインターバルを設けており、2026年に完成させたいとしている。 中国では現在、中国核工業集団公司(CNNC)と中国広核集団有限公司(CGN)、および国家電力投資集団公司(SPIC)が3大原子力発電事業者となっており、HNNPは5大電力会社の1つである華能集団公司の傘下企業。昌江原子力発電所建設計画は華能集団公司がCNNCとの共同出資で進めているもので、Ⅰ期工事の1、2号機はすでに、2015年12月と2016年8月に営業運転を開始。採用設計はCNNCが開発した第2世代PWRの「CNP600」だが、総投資額249億元(約3,850億円)というこれら2基により、すでに海南省における電力供給量の3分の1が賄われている。 HNNPはⅡ期工事を「第3世代設計・大量建設時代の先駆け」と位置付けており、昌江発電所で「華龍一号」を複数基建設することで海南島をクリーン・エネルギーの島とし、華能集団公司による原子力産業の発展を印象付ける方針。海南自由貿易試験区で建設案件が増大すれば、習近平国家主席の掲げる国家戦略に貢献することになり、海南省の包括的な経済改革を支援することにもつながる。このような支援の強化により、同省の社会経済は急速に発展するとともに、低炭素でクリーン、安全かつ効率的な近代のエネルギー・システムの建設が促進されるとHNNPは強調している。 (参照資料:華能核電開発有限公司、中国核能行業協会の発表資料、原産新聞・海外ニュース、ほか)
25 Nov 2019
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米エネルギー省(DOE)の国家核安全保障局(NNSA)は11月19日、サウスカロライナ(SC)州サバンナリバーサイトで昨年10月に建設工事の中止が決定した「ウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料製造施設(MFFF)」に関して、契約企業のCB&IアレバMOXサービス社、およびその親会社と包括的な和解協定を結んだと発表した。中止決定の後、余剰プルトニウムを処分するための代替策や、70%まで完成したMFFFを核弾頭の中枢部分である「プルトニウム・ピット」の生産施設として活用するというNNSAの計画は、MFFFの建設契約に関わる様々な訴訟等により遅れていた。今回の協定により、これらの訴訟はすべて解決し、契約終了にともなうコストもカバーされるとNNSAは説明。和解金の額は公表していないものの、「MFFFの建設を継続した場合、(2016会計年度時点の見積額である)170億ドルのコストをかけたとしても2048年までに完成させることはできなかった」との認識を強調した。今後はプルトニウムの希釈・処分(D&D)など、納税者に負担をかけない合理的な方法によってSC州から余剰プルトニウムを取り除き、国家安全保障の使命を遂行するとしている。MFFFの目的は、米国の兵器級余剰プルトニウム34トンから不純物を取り除き、酸化ウランと混合して商業炉用のMOX燃料集合体を製造すること。米デューク・エンジニアリング社と仏コジェマ社、およびストーン&ウェブスター社で構成される企業連合(DCS)は1999年3月、MFFFの設計・建設・操業について1億3,000万ドルの契約をDOEから受注した。MFFFの建設は、米国とロシア両国の兵器級余剰プルトニウムを、双方の核兵器削減のために処分するという2000年の「米ロ・プルトニウム管理処分協定」と並行して実施されるもので、DCSは2001年2月、米原子力規制委員会(NRC)に対してMFFFの建設許可(CA)を申請。2005年3月にCAが発給されたのを受けて、2007年8月から建設工事が始まった。しかし、2004年当時に18億ドルと見積もられていた総工費は、2007年の見積で48億ドルに上昇。その後さらに、68億ドルに拡大したことから、米国会計監査院(GAO)は2013年2月の報告書で、MFFF建設計画を財政的危険性の高い政策プログラムの1つに挙げている。建設工事の遅れも指摘されており、契約企業のCB&IアレバMOXサービス社(DCSから改名)の要請を受けたNRCは2014年11月、CAを2025年3月末まで10年延長することを許可した。しかし、着工当時に操業開始が予定されていた2016年になると、当時のB.オバマ政権が「MFFFの建設を打ち切って余剰プルトニウムは希釈・処分(D&D)を検討する」と表明。後続のD.トランプ政権もこの方針を支持しており、NNSAは2018年10月、CB&IアレバMOXサービス社に対してMFFFの建設終了を通知した。NRCも、同社からのその後の要請により、今年2月にCAの終了を決めている。(参照資料:NNSAの発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの11月20日付「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)
22 Nov 2019
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フランス電力(EDF)は11月20日、所有していた米コンステレーション・エナジー・ニュークリア・グループ(CENG)の株式49.99%を、共同保有者であるエクセロン・ジェネレーション社に売却する方針を表明した。これにともない、CENGが米国内で保有する3サイト・5基(約400万kW)の商業炉についても、両者の今後の交渉次第ですべての所有権がエクセロン社に渡ることになる。CENGはコンステレーション・エナジー(CE)社の原子力発電子会社であり、EDFが2009年にCE社株を購入した際、CE社とEDFの合弁事業体として設立された。エクセロン社は2011年にCE社を買収しており、CENGに関しては、CE社が確保していたCENG株の50.01%をエクセロン社が引き継いだ。また、5基の商業炉(ニューヨーク州のR.E.ギネイ発電所とナインマイルポイント発電所1、2号機、およびメリーランド州のカルバートクリフス発電所1、2号機)についても、エクセロン社が2014年にEDFと結んだ「共同運転サービス協定」に基づき、同率の所有権に加えて運転認可がエクセロン社に譲渡されていた。 一方のEDFは、4億ドルの特別配当金を受け取ることになったほか、2016年1月1日から2022年6月末までの期間、CENG株を市場の適正価格でエクセロン社に売却できる権利「プット・オプション(売付け選択権)」を得ていた。EDFは今回、このオプションを行使するとエクセロン社に伝えたもので、理由としては「中核部分を除いた資産売却計画」の一部であると説明。取引価格は同オプションの契約条項に沿って後日決定されるが、取引を完了するにはニューヨーク州公益事業委員会、連邦エネルギー規制委員会(FERC)、および原子力規制委員会(NRC)の承認が必要になる。このためエクセロン社は、規制関係のこれらの手続で1~2年、あるいはそれ以上の期間を要する可能性があると説明。同社のC.クレーン社長兼CEOは、「これら5基の運転を引き継いで以降、当社の管理モデルによって全体的な運転効率と実績が向上するなど、EDFと当社には多くの利益がもたらされたが、今後はEDFが保有する株式の購入プロセスで同社と連携していきたい」と述べた。また、取引価格の交渉で両者が合意に至らなかった場合、第三者の調停により決定されるとしている。なお、EDFは2007年、CE社との折半出資による合弁事業体「ユニスター・ニュークリア・エナジー(UNE)社」を設立しており、仏アレバ社(当時)製の欧州加圧水型炉(EPR)を北米市場で販売することを計画していた。UNE社は、同設計を採用したナインマイルポイント3号機、およびカルバートクリフス3号機の建設計画について、建設・運転一括認可(COL)をNRCに申請したほか、米国企業と共同で進めていたキャラウェイ2号機とベルベンド1号機の建設計画についても、同様の申請を行った。しかし、2010年にUNE社からCE社が撤退し、外国資本であるEDFの100%出資企業となったのに加え、2014年に巨額の損失を計上した仏アレバ社の米国法人が、EPRの米国版の設計認証(DC)審査について一時停止を2015年2月にNRCに要請。これらのCOL申請は2016年9月までにすべて、取り下げられている。 (参照資料:EDFとエクセロン社の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの11月20日付「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)
21 Nov 2019
1533
カナダの国立原子力研究所(CNL)は11月15日、同国内で小型モジュール炉(SMR)の研究開発と建設を促進するため、今年7月に設置した「カナダの原子力研究イニシアチブ(CNRI)」の候補となる企業4社を選定したと発表した。CNRIは世界中のSMRベンダーに対し、CNLの専門的知見や世界レベルの研究設備を提供する新しいプログラム。対象分野としては市場分析や燃料開発、原子炉物理、モデリングなどを指定しており、これらに関するプロジェクトの提案企業を毎年募集することになっている。参加企業はCNLが提供する資源を最大限に活用するとともに、技術的知見を共有。開発中のSMR技術の商業化に向けた支援を、出資金あるいは現物出資の形でCNLから受けることができる。次回の募集についても、CNLは来年初頭を予定していることを明らかにした。同イニシアチブで最初の受益者に選ばれたのは、(1)英国の原子炉開発企業モルテックス・エナジー社のカナダ支社、(2)米カリフォルニア州のKairosパワー社、(3)米ワシントン州のウルトラ・セーフ・ニュークリア社(USNC)、(4)カナダを本拠地とするテレストリアル・エナジー社。CNLは今後、研究開発費の分担等について、これら4社との最終交渉を開始する。モルテックス社は現在、カナダのニューブランズウィック大学と共同で、カナダ型加圧重水炉(CANDU)の使用済燃料をピン型溶融塩炉(SSR)の燃料に転換する試験装置について、建設と合理化を進めている。また、Kairos社の提案プロジェクトは、高温のフッ化塩で冷却する「KP-FHR」設計を実現するため、トリチウムの管理戦略を策定するというもの。片やUSNCは、同社製「Micro Modular Reactor(MMR)」の開発で浮上する様々な技術的課題について、解決に向けた作業プロジェクトを提案した。テレストリアル社は、同社製「一体型溶融塩炉(IMSR)」等に対して、安全・セキュリティや核不拡散関係の技術を適用する可能性を評価したいと提案。CNLが保有する設備の中でも特に、「ZED-2原子炉」の利用機会を得たいとしている。CNLのM.レジンスキー所長兼 CEOは今回の選定について、「CNLが実施した市場調査の結果や、カナダのSMR開発ロードマップの判明事項からも、原子力産業界がCNLの知見や設備を一層必要としていることが明確に示された」と説明。CNLのCNRIプログラムは、そのような利用機会を実現する方法として設置されたと強調した。CNLのK.マッカーシー科学技術担当副所長も、「カナダをSMR研究のハブとするため、CNLが過去3年間に実施した作業は大きく前進した」と指摘。SMRに共通する主要な技術分野で、CNLが膨大な知見を蓄積してきたという事実に言及した。SMR開発についてCNLは、2017年4月に公表した今後10年間の「長期戦略」の中で、2026年までにCNLの管理サイト内で少なくとも1基、実証炉を建設するという目標を明示した。2017年中にSMRの開発企業から19件の関心表明を受けており、2018年4月に開始した全4段階の審査プロセスにより、提案企業の募集と選定作業を進めている。今年2月には、USNCが開発したMMR設計が同審査で唯一フェーズ3に進んだほか、テレストリアル社のIMSRもフェーズ2に移行している。MMRについては、エネルギー関係のプロジェクト開発企業グローバル・ファースト・パワー(GFP)社が今年4月、CNLのチョークリバー・サイト内で建設するため、SMRとしては初の「サイト準備許可(LTPS)」をカナダ原子力安全委員会(CNSC)に申請した。CNLの審査プロセスは、CNSCの許認可プロセスから完全に独立していることから、許認可段階に進展した建設プロジェクトには法的規制要件が課され、提案企業は一般国民や先住民コミュニティなどとプロジェクトの重要事項に関する協議を行わねばならない。 (参照資料:CNLの発表資料、原産新聞・海外ニュース、WNAの11月18日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)
20 Nov 2019
1334
米国のX-エナジー社は11月15日、同社製の小型ペブルベッド式高温ガス炉(HTR)「Xe-100」(熱出力20万kW、電気出力7.5万kW)(=図)を2030年までにヨルダン国内で建設するため、基本合意書(LOI)をヨルダン原子力委員会(JAEC)と交わしたと発表した。 同社とJAECは2017年11月、「Xe-100」の建設に向けて、技術的なフィージビリティと開発準備状況を評価するための了解覚書を締結。今回のLOIで建設プロセスを加速するとしており、2030年までにヘリウム冷却型の「Xe-100」を4基備えた合計電気出力30万kWの原子力発電所をヨルダンで建設し、同設計で使用する3重被覆層・燃料粒子「TRISO」の供給を目指すとしている。 X-エナジー社によると、「Xe-100」は物理的にメルトダウンの恐れがないHTR設計であり、冷却材喪失時も運転員の介入なしで安全性が保たれる。機器類を工場内で組み立てられるため工期が短縮され、コストも大幅に削減できるとした。 ウラン酸化物を黒鉛やセラミックスで被覆するTRISO燃料については、元々米エネルギー省(DOE)が開発した技術に基づくことから、テネシー州のオークリッジ国立研究所内に同社のプロトタイプ製造施設が存在する。同社はさらに、商業規模の製造施設「TISO-X」を2025年までに操業開始するため、米国内のウラン濃縮企業セントラス・エナジー社(旧USEC)と予備設計を共同で進める契約を2018年11月に締結。必要な機器の供給に関しても、日本の原子燃料工業(原燃工)と協力していく覚書を今年5月に結んでいる。 今月11日のLOI締結に際しては、ワシントンDC駐在ヨルダン大使館の大使が主催する記念式で、X-エナジー社のK.ガファリアン会長とJAECのK.トゥカン委員長がLOIに署名した。これには、同社のC.セルCEOとJAECのK.アラジ副委員長が同席。このほか、両者の代表団とDOE、商務省、原子力産業界の代表者らが参加した。 JAECは、ヨルダン国内のエネルギー供給保証を目的に民生用原子力発電プログラムの開発を進めており、この要件を満たす上で最良の原子炉設計を選択するため、評価プロセスを実行中。首都アンマンの東85km地点のアムラで100万kW級のロシア型PWR(VVER)を2基建設することで、2013年10月にロシア国営の原子力総合企業ロスアトム社を選定したが、その後の建設資金調達交渉が上手くいかず、2018年6月にJAECはこの取引の破棄を発表している。 一方、SMRについては海水脱塩や地域熱供給にも利用できることから、ヨルダン政府は大型炉の建設プロジェクトと並行して導入の可能性を検討していた。2016年12月には、運転員の教育訓練用を兼ねる多目的の韓国製「ヨルダン研究訓練炉(JRTR)(熱出力0.5万kW)」が、同国初の原子力設備としてヨルダン科学技術大学内に完成。ロシアとの協力においても、ロシア製SMRのフィージビリティ・スタディ(FS)を共同実施することでJAECが合意したと、2018年5月にロスアトム社が発表した。 JAECはまた、2017年3月に、韓国原子力研究所(KAERI)が中東諸国向けに開発した小型炉「SMART」(電気出力10万kW)を、ヨルダン国内で2基建設することを想定したFSの実施で合意。これ以外では、英ロールス・ロイス社や米ニュースケール・パワー社とも、それぞれが開発中のSMR設計についてFSを実施するとしている。 (参照資料:X-エナジー社の発表資料、原産新聞・海外ニュース、ほか)
18 Nov 2019
1090
チェコのA.バビシュ首相は11月13日、自らが議長を務める「原子力発電所の建設に関する常設委員会」の第2回会合後に記者会見を開き、ドコバニ原子力発電所(51万kWのロシア型PWR×4基)で2036年にも新規原子炉を完成させる方針を明らかにした(=写真 バビシュ首相は右から2人目)。同国にとってエネルギーの供給保障は最優先事項であることから、首相は今回の会合で、エネルギーの自給を維持するために増設計画の具体的な日程が示されたことは喜ばしいとコメント。ドコバニ発電所Ⅱ期工事の最初の1基について、供給企業の選定を2022年末までに終え、遅くとも2029年までに建設工事を開始、2036年までに同炉の運転開始を目指すとしている。新規原子炉の増設に踏み切った理由の1つとして、バビシュ首相は近年、欧州で地球温暖化防止とCO2の排出量削減に関心が高まっている点を指摘。50基以上の原子炉で総発電量の75%を賄う仏国の例を挙げ、同国は2050年までにCO2排出量の実質ゼロ化を目指すリーダー的存在であるとした。一方、チェコの原子力発電シェアは30%台に留まっており、2040年までに少なくとも40%に引き上げることが目標。首相は、「我々は地球温暖化を深く憂慮しており、チェコ政府にはこれに対応する明確な計画がある」と強調した。同首相はまた、国営送電会社(CEPS)が10月にまとめた「(国内の発電システムに関する2040年までの)中期的適性評価予測報告」に言及した。この報告書は、国内で既存の石炭火力発電所が閉鎖されるのにともない、チェコは2030年代初頭から徐々に電力を輸入し始めると指摘。新規電源を増設しなかった場合に、供給力不足に陥る時間数の予測値も提示していた。これらのことから、同首相は「石炭火力に代わる新規の電源が必要だ」と述べる一方、再生可能エネルギーでは国内すべての電力消費量を賄うことは出来ないと説明。K.ハブリーチェク副首相兼産業貿易大臣も、チェコの原子力発電レベルは世界的にも認められていることから、「原子炉を増設するのが論理的選択だ」と述べた。同首相はさらに、ドコバニ発電所Ⅱ期工事について今年7月、国営電力のCEZ社グループが100%子会社を通じて資金調達するという投資家モデルをチェコ政府が承認した事実に触れた。新規原子炉の建設協議は、これを持って具体的な準備段階に移行しており、政府が2015年に承認した改定版の「国家エネルギー戦略」は徐々に実行に移されつつあるとした。このことは、チェコの原子力発電開発にとって非常に重要であり、地球温暖化の防止目標を達成する上でも大きな影響があると首相は指摘。差し当たりドコバニ発電所を優先するものの、投資金の回収問題で2014年に頓挫したテメリン原子力発電所増設計画についても、協議をいずれ再開することになると強調した。なお、現地の報道によると、記者会見に同席したCEZ社のD.ベネシュCEOは「来年6月までに新規原子炉の入札準備を進め、2021年に最大で5社から提案を申し受ける」と発言した。市場の見積価格として1基あたり1,400億~1,600億チェコ・コルナ(約6,500億~7,500億円)を予想していると述べた模様。これまでに6社が入札に関心を示しており、それらは中国広核集団有限公司(CGN)、ロシア国営の原子力総合企業ロスアトム社、韓国水力・原子力会社(KHNP)、仏電力(EDF)、米国のウェスチングハウス(WH)社、三菱重工業を含む仏ATMEA社の企業連合であると伝えられている。(参照資料:チェコ首相府(チェコ語)の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの11月14日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)
15 Nov 2019
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国際エネルギー機関(IEA)は11月13日、世界のエネルギー・ミックスに関する2040年までの見通しを3通りのシナリオで解説した最新の年次報告書「ワールド・エナジー・アウトルック(WEO)2019年版」を公表した。それによると、今日のエネルギー世界は現状と到達点に大きな差異が生じており、石油市場に十分な供給量があるにも拘わらず、生産国を巡る地政学的な緊張と不確実性は増大。かつてないほど大量の温室効果ガスが排出される一方、国際的な温暖化防止目標に沿って排出量を削減するための現行政策は不十分である。また、世界中すべての人へのエネルギー供給を約束しながらも、今なお世界の8億5,000万人の人々が電気のない生活を強いられており、将来、持続的で確実なエネルギーが確保される方向に世界を向かわせるには、エネルギー・システムのあらゆる部分で、迅速かつ大規模な変革が必要になると報告書は訴えている。WEOはIEAが発行する最も重要な刊行物の1つであり、最新版はこのような差異の広がりについて詳細に分析した。今日下された政策的な判断は、将来のエネルギー・システムに影響を及ぼすとの観点から、世界的に人口が増加する中、信頼性のある適正価格のエネルギー供給に今後も大きな重点を置きつつ、地球温暖化や大気汚染の防止目標を達成するための道筋を示している。WEOによれば、各国政府による決定事項は将来のエネルギー・システムにおいて、引き続き重要なものとなる。このことは、WEOが以下の3つのシナリオで示した今後数10年間の異なる道筋においても明白であり、政策立案者が現在推し進めている政策や投資、技術などがこれに相当する。【現状政策シナリオ】:これは世界が今、正に進んでいる道筋で、各国政府が現状の政策を維持した場合、世界のエネルギー・システムがどのように発展するか、基本的な状況を描いたもの。このシナリオによると世界のエネルギー需要は2040年までに1.3%上昇し、結果としてエネルギー市場のあらゆる側面に緊張がもたらされる。エネルギー部門のCO2排出量も、大幅に上昇し続けるとした。【決定政策シナリオ】:これまで「新政策シナリオ」と呼称していたシナリオで、既存の方策に加えて、現時点の政策目標が盛り込まれている。現行計画による影響の説明を目的としたもので、このシナリオが描く将来のエネルギー像でもやはり、持続可能で確実なエネルギーという目標からは、かなり不十分なものになる。すなわち、2040年時点においても世界の何億もの人々がやはり、電気のない生活をしており、大気汚染で早死にする人の数は現状の高めのレベルに留まる。また、地球温暖化がもたらす深刻な影響も定着するとしている。【持続可能な発展シナリオ】:世界各国の政策決定者が、地球温暖化やその他のエネルギー問題で設定した目標の全面的な達成に向け、それぞれについて何をしなければならないかの抜本策を示したもの。このシナリオはパリ協定の履行と完全に一致する道筋を示したもので、世界の平均気温の上昇を2度C以下に抑えることを目的としている。ここでは、エネルギー・システム全体で大掛かりな変更を迅速に行わねばならならないが、温室効果ガスの大幅な削減は複数の燃料と発電技術を組み合わせることで可能であり、効率的かつコスト面の効果も高いサービスの提供につながる。IEAのF.ビロル事務局長は、今回のWEOが極めて明確に示した事実として、「世界のエネルギー・システムを変革する上で、ただ1つの単純な解決策というものは存在しない」という点を強調。複数の発電技術や燃料が各国経済のあらゆる部門でそれぞれの役割を担っていることから、各国政府は将来を形作るための幅広い視野を持ち、行動するという明確な責任を負う一方、政策立案者に強力なリーダーシップが求められると指摘している。(参照資料:IEAの発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの11月13日付「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN」)
14 Nov 2019
654
南仏のサン・ポール・レ・デュランス(呼称を「カダラッシュ」から行政住所に変更)にある国際熱核融合実験炉(ITER)建設サイト(=写真)で、主要建屋の建設を担当する仏国VINCI社の企業連合は11月8日、トカマク実験炉を格納するトカマク建屋の土木工事が完了したと発表した。 このプロジェクトを主導するITER機構、および欧州連合(EU)の担当組織である「フュージョン・フォー・エナジー(F4E)」と共同で発表したもので、前日の段階で、同建屋の上部に最後のコンクリートを注入する作業がスケジュール通りに終了。建屋内では間もなく、トカマク実験炉の組立てが行われるが、この作業により建屋は屋根部分に金属フレームを設置することが可能になり、「2025年にファースト・プラズマを達成する(運転開始)」という意欲的な目標に、これまでどおり変更はないと強調している。ITER計画は、平和目的の核融合エネルギーが科学技術的に成立することを実証するため、人類初の核融合実験炉を実現しようとする超大型国際プロジェクト。日本、EU、ロシア、米国、韓国、中国、インドの7極が技術開発や機器製造を分担して進めており、2005年6月に建設サイトを決定した後、2006年11月に参加7極がITER協定に署名。翌2007年10月に同協定が発効したのを受けてITER機構が正式に設立され、建設工事が始まった。トカマク建屋は、トリチウム建屋および計測建屋とともに「トカマク複合建屋」を構成しており、複合建屋の高さは73m、幅は120mとなる。土木工事は2010年に開始されたが、用途の特殊性から、並外れて複雑なプロジェクト管理能力と最先端の専門知識を要したという。建設作業が進むにつれITER科学チームが要請してくる設計変更すべてを統合するため、VINCI社の企業連合(仏国のRazel-Bec社、スペインのFerrovial社など)の作業チームは、効率的かつ迅速に動けるようプロジェクト組織を編成した。トカマク建屋に使用する非常に特殊なコンクリートの生産にあたっては、約10通りの製造方式を開発。これらのいくつかは、核融合エネルギーが発する放射線から作業員や環境を防護する特殊機能を備えたものとなった。同建屋ではまた、通常のアパート壁で使用する補強鋼材の10倍の密度を持つ鋼材を必要とした。最終的に、同建屋中心部へのアクセスに使われる46の特注遮へい扉については、各70トンのドイツ製の扉をサイトに搬入。コンクリートを充填した上で、同建屋の中心部で組み立てたとしている。(参照資料:VINCI社の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの11月8日付「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)
13 Nov 2019
1734
国連安保理の5か国とドイツ、および欧州連合が2015年にイランと結んだ「核合意」から米国が離脱し、イランもウラン濃縮量を拡大するなど、同合意が崩壊の危機に瀕するなか、ロシアの国営通信社を母体とするRIAノーボスチ通信社は11月10日、商業規模の原子力発電所としては中東唯一というイランのブシェール発電所で、2号機(PWR、105.7万kW)の原子炉系統部分に最初のコンクリート打設が行われたと報道した。イラン駐在のロシア大使館から得られた情報だとしており、イラン原子力庁(AEOI)のA.サレヒ長官と、建設工事を受注したロシア国営原子力総合企業ロスアトム社のA.ロクシン第1副総裁は、双方が署名した記念のコンクリート・キューブ(立方体)を交換。ブシェール発電所がイランの長期計画通り、現在稼働中の1号機に続き、2、3号機が2026年までに運転開始すれば、AEOIは同国の原子力発電設備容量が300万kWを越えると指摘している。イラン南西部に位置するブシェール発電所では、2011年5月にイラン初の商業炉となる1号機(PWR、100万kW)が初めて臨界条件を達成し、同年9月から国内への送電を開始。建設工事を請け負ったロスアトム社傘下のNIAEP-ASE社は、2016年4月に同炉をイラン側に正式に引き渡した。2014年11月にロスアトム社は、同発電所Ⅱ期工事となる2、3号機の増設契約をイランの「原子力発電開発会社(NPPD)」と締結した。これと同時に、両国間の既存の協力協定を補完するための議定書にロスアトム社とAEOIは調印。ここでは、同発電所でロシア型PWR(VVER)をさらに2基、その他のサイトでも4基をターンキー契約で建設することが明記された。これら8基の原子燃料はロシアが供給するとともに、使用済燃料も再処理・貯蔵のためにロシアが引き取る約束。両国の協力は平和利用分野に限定され、国際社会が危惧する核兵器開発への転用疑惑は払拭されるとしている。ロスアトム社は、ブシェール発電所Ⅱ期工事の起工式を2016年9月に執り行っており、2、3号機は1号機と同様100万kW級のVVERになると説明。最新の安全性能を有する第3世代+(プラス)の「AES-92」設計を採用するため、動的と静的両方の安全システムや二重の格納容器が装備されるほか、欧州電力会社要求事項(EUR)の技術要件にも適合するとした。2号機用の地盤掘削作業などはすでに2017年に始まっており、これまでに300万立方m以上の土砂が掘削され、ベースマットには3,000トンの鉄筋コンクリート、35万トンものセメントを使用。最初のコンクリート打設を実施したことにより、AEOIは建設プロジェクトの約30%が完了したことになると強調している。(参照資料:RIAノーボスチ通信社(ロシア語)、AEOI(アラビア語)の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの11月11日付「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)
12 Nov 2019
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フィンランドのティオリスーデン・ボイマ社(TVO)は11月8日、完成が遅れているオルキルオト原子力発電所3号機(OL3)(PWR、172万kW)について、今年7月に公表した最新の起動スケジュールからすでに作業が6週間遅延していることを明らかにした。これは、建設工事を請け負った仏アレバ社と独シーメンス社の企業連合による提供情報に基づいており、同企業連合は今後、プロジェクト最終段階におけるスケジュールの全体的な見直しを行った上で、12月に結果を改めてTVOに提示する。OL3は2005年8月、世界で初めてフラマトム社製欧州加圧水型炉(EPR)設計を採用して本格着工したものの、様々なトラブル等により当初2009年に予定していた完成には至っていない。最新のスケジュールでは、2020年1月に燃料を装荷した後、同年4月にOL3を送電網に接続、定常的な発電の開始は同年7月から予定している。同企業連合によると、OL3では機械システムと電気系統、および計測制御(I&C)系の最終的な確証を、高い品質水準で注意深く行う必要がある。完成がさらに遅れるにしても、OL3が燃料の初装荷段階と起動に至る直ぐ手前まで到達したことをTVOは認識しており、同社は現在、燃料装荷の申請準備を進めている。運転認可についてはすでに今年3月、フィンランド放射線・原子力安全庁(STUK)からの意見書に基づいて雇用経済省が発給した。現地の報道によると、TVOは今回の遅れを6週間に留めるため、あらゆる手立てを尽くす方針。遅れの原因としては、今年の起動試験時に2~3のバルブが破損し、取り替える必要性が生じたことを示唆している。(参照資料:TVOの発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの11月8日付「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)
11 Nov 2019
1552
英国で小型モジュール炉(SMR)開発の企業連合を率いるロールス・ロイス社は11月5日、同国の準自治的非政府組織で戦略的政策研究機関の「UKリサーチ・アンド・イノベーション(UKRI)」から、英国政府の「産業戦略チャレンジ基金」のうち1,800万ポンド(約25億2,000万円)を受領したと発表した。これは、国内初のSMRを予備設計している同企業連合への、4年にわたる共同投資金の初回分となるもの。ロールス・ロイス社は英国全体の計画として、2050年までに最大で16のSMR発電所を国内で建設できると考えており、これにより最大4万人分の雇用が創出されるとともに、英国経済に対する貢献は520億ポンド(約7兆3,000億円)、輸出への貢献は2,500億ポンド(約35兆円)にのぼるとした。また、必要な法制やサイト選定プロセスなど、許認可手続や支援措置が順調に進めば、2030年代初頭から最初のSMRで信頼性の高い低炭素なエネルギーを得られるとしている。UKRIは2018年4月、革新的技術開発企業に研究開発費などの助成を行う英国政府機関「イノベートUK」、科学政策を調整する政府外公共機関である国内7つの「英国研究会議(RCUK)」、および大学の研究活動や知識交換活動への助成を担当する「リサーチ・イングランド(RE)」を統合して設立された。UKRIの投資金は、ビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)の科学予算を通じて提供されている。英国では今年6月、国内すべての温室効果ガス(GHG)排出量を2050年までに実質ゼロとするための法案が可決・成立した。この目標を達成するには、政府と産業界との協力が不可欠であるとの認識から、BEISは7月、新規原子力発電所建設プロジェクトの資金調達モデルとして検討中の「規制資産ベース(RAB)モデル」について、実行可能性の評価結果をパブリック・コメントに付した。また、革新的技術を用いたSMR原子力発電所の建設に対し、政府資金の中から最大で1,800万ポンドの投資を提案していた。ロールス・ロイス社の企業連合は、国際的な原子力エンジニアリング・研究開発サービス企業のアシステム社とアトキンズ社、建設土木企業のBAMナットル社とレイン・オルーク・グループに加えて、英国溶接研究所(TWI)、国立原子力研究所(NNL)、先進的原子力機器製造研究センター(NAMRC)などで構成される。ロールス・ロイス社によると、同企業連合が計画しているコンパクト設計の原子力発電所であれば、既存の原子力サイトへの輸送前に機器類を工場で製造し、サイト内の雨よけのある場所で迅速に組立てることが可能。天候による作業の中断を回避できるためコストの削減につながり、標準化・合理化された機器製造プロセスの活用により効率性も徐々に向上していくとした。また、各発電所の目標建設コストとして、同社は5つ目までは18億ポンド(約2,500億円)を設定、それぞれの運転期間は60年を想定している。今回の投資金は、規制当局が実施する包括的設計審査(GDA)の準備に宛てられるほか、革新的技術の開発推進と実現に向けた最終意思決定に活用される。ロールス・ロイス社のP.ステイン最高技術責任者は、「官民が連携することで、2050年までのGHG排出量実質ゼロ達成に向け、持続可能で適正価格かつ効率的な方策を見つけることができる」と強調。「政府との連携作業は、英国経済の低炭素化に向けた、また、英国社会にとって極めて重要な電力需要量を満たすための重要な一歩になる」と述べた。(参照資料:ロールス・ロイス社の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの11月7日付「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)
08 Nov 2019
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米メリーランド州のセントラス・エナジー社(旧米国濃縮会社(USEC))は11月5日、新型原子炉用の燃料として使用が見込まれているHALEU(U235の濃縮度が5~20%の低濃縮ウラン)の生産能力を実証するため、遠心分離機カスケードをオハイオ州パイクトンの「米国遠心分離プラント(ACP)」に配備するという3年契約を米エネルギー省(DOE)と締結した。HALEUを国内で確保できなければ、米国が世界の新型原子炉開発市場でリーダー的立場を確立する上で、大きな障害になることは広く知られていると同社は指摘。2017年の調査によると、米国内で新型原子炉を開発している大手企業のうち67%が、「HALEUの供給確保は緊急の課題」あるいは「重要課題」と回答したという。今回の契約の下で、同社は独自に開発した新型遠心分離機「AC100M」、およびHALEU生産用のカスケードを構成するインフラについて、許認可手続と建設・組立および運転を請け負うことになる。HALEUで製造した燃料は、米国の政府と民間の両部門で開発されている数多くの新型原子炉で必要となる一方、国内で商業的に入手することは困難。典型的な既存の原子力発電所ではU235の濃縮度が5%程度のウランを燃料に使用するのに対し、HALEUではこれが最大で20%となるため、セントラス社は「技術面と経済面ともに潜在的な利点がある」とした。一例として、ウラン濃縮度が高まることによって燃料集合体や原子炉を小さくすることが出来、燃料交換の頻度は低下すると同社は指摘。原子炉内では高い燃焼度を達成できるため、燃料の必要量が少なくなり、結果的に放射性廃棄物の排出量も少なくなる。HALEUはまた、米国をはじめ世界中で稼働している既存の原子炉に対し、将来的に次世代燃料を製造する際に用いられる。HALEUをベースとするこれらの新しい燃料であれば、既存の原子炉で発電量を増やしつつ、経済性を改善し固有の安全性も得られると同社は説明している。DOEとセントラス社による今回の連携プログラムは、今年5月末に両者が調印した予備的合意書簡に基づき進められてきた。セントラス社のD.ポネマン社長兼CEOは、「(この連携により)次世代の新型原子炉への移行を米国がリードする一助になる」と指摘。官民の両部門で様々な使命を持つ新型原子炉に、同社が力を与えられると確信していると述べた。また、国産HALEU技術への投資は、新型原子炉や燃料を開発している顧客のニーズに同社が応えることを可能にすると強調した。米国内では現在、HALEUの製造が直ちに可能な商業施設が存在せず、DOEはアイダホ国立研究所(INL)内に保管中のHALEU約10トンを使って、原子燃料を製造加工するパイロット・プログラムを推進中。昨年10月に、同プログラムが周辺環境に大きな影響を及ぼすことはないとする評価結果(案文)を1か月間、パブリック・コメントに付しており、今年1月には、INL設備を使ってのHALEU燃料製造が決定している。(参照資料:セントラス・エナジー社の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの11月6日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)
07 Nov 2019
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ロシアの民生用原子力発電公社であるロスエネルゴアトム社は11月1日、モスクワの南約500kmに位置するノボボロネジ原子力発電所で、II期工事2号機(PWR、115万kW)が予定より30日前倒しで営業運転を開始したと発表した(=写真)。出力3万kW以上の商業炉としては同国33基目のもので、これにより原子力発電設備容量は3,000万kWを越えた。また、ロシアで開発された第3世代+(プラス)の120万kW級ロシア型PWR(VVER)「AES-2006」としては、2017年2月と2018年10月にそれぞれ営業運転を開始した同発電所II期工事1号機(118万kW)、レニングラード原子力発電所Ⅱ期工事1号機(118.8万kW)に次いで国内3基目となる。ベラルーシやバングラデシュ、トルコなどでは、すでに同設計を採用した原子炉を建設中であるほか、ハンガリーやフィンランドでも計画中。中国で建設する話も提案されている。ロシア国営の原子力総合企業ロスアトム社は、ノボボロネジ発電所で完成した2基を参考炉として、海外で同設計をさらに建設していく考えである。ロスアトム社によると、同設計は第2世代の100万kW級VVER「VVER-1000」と比較して、経済面と安全面で数多くの利点がある。出力が20%向上した一方、必要とする運転員は30%~40%削減され、公式の運転期間も「VVER-1000」の30年から60年に倍増。さらに20年間、延長することも可能である。2009年7月に本格着工したノボボロネジII-2号機は、同発電所I期工事のVVER×5基(1号機:21万kW、2号機:36.5万kW、3、4号機:各41.7万kW、5号機:100万kW)から数えて7基目にあたるが、1号機から3号機は1984年から2016年までの間に永久閉鎖されている。II-2号機では今年2月に燃料が装荷され、3月に初めて臨界条件を達成。5月には送電を開始しており、営業運転を開始するまでに25億kWhを発電した。また同炉により、ロシア中央連邦管区の原子力発電シェアは27%に増加。同管区における経済成長を一層促進しつつ、CO2も年平均で400万トン分、排出を抑えられるとしている。(参照資料:ロスエネルゴアトム社、ロスアトム社の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの11月1日付「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)
06 Nov 2019
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英国最大の産業組織で日本の経団連に相当する英国産業連盟(CBI)は11月4日、国内の温室効果ガス(GHG)排出量を2050年までに実質ゼロとする目標を掲げた英国にとって、「クリーン・エネルギー産業中心の経済成長に向けた投資の促進」といった国家的なアクションが緊急に必要とする報告書を公表した。発電部門においては、再生可能エネルギーに加えて原子力に対する支援を(12月の総選挙後の)次期政権に要請する考えで、2030年までに小型モジュール炉(SMR)の初号機を完成させるため、新設計画への資金調達用に「規制資産ベース(Regulated Asset Base=RAB)モデル」を構築すべきだと強調している。英国は2020年11月の国連気候変動枠組条約・締約国会議(COP26)を国内で開催予定であり、CBIによれば、GHGの削減で英国が世界的リーダーとなるための国際的協調活動と並行して、長期の国家的アクションの重要性を実証することになる。このため、直面している事態の複雑さと早急に動く必要性等に鑑み、ビジネス界が今後10年間で加速していくアクションに対し、政府による支援策の中でも優先すべき決定項目のいくつかを今回の報告書の中で指摘した。分野としては具体的に、(1)CO2の削減に向け輸送部門全体で必要となる(電気自動車の導入など)重要な変更事項の促進、(2)熱源の低炭素化とエネルギー効率の改善、に加えて(3)発電部門におけるCO2排出量の削減――など。(3)の中でCBIは、SMRの初号機建設を支援する資金調達の枠組整備を挙げた。政府は新規の原子炉建設に対する支援方針を明確に表明しているが、それは適正なコストでの建設であり、その他の低炭素電源に対してもコスト面の競争力を実証しなくてはならない。また、資金調達の新たなアプローチにより、将来的な原子炉建設プロジェクトでコストを削減できることも判明した。この点に関してCBIは、「RABモデル」を詳細に検討する方向性を支持しており、これにより建設期間中のリスク共有と収益確保の可能性が高まるとした。RABモデルはまた、資本コストの大幅な削減により、電気料金の削減という形でエンド・ユーザーに利益をもたらすことも可能。CBIは、政府が「環境と社会およびガバナンス(ESG)を考慮した責任投資」の中に原子力を含める努力を続けるべきだと指摘している。CBIはまた、従来の大型炉に加えてSMRも、コスト面や革新的技術の側面で英国のエネルギー・ミックスに貢献できる可能性があるとした。もちろん、2030年までに初号機の運転開始を可能とするためには、政府が時宜を得たタイミングで行動する必要がある。CBIによると、この目標の達成に向け、政府は可能な限り早急にSMRの建設サイトを特定しなければならず、SMRへの将来的な投資を支えていく政策面での支援も必要。政府はまた、今後のSMR建設プロジェクトでコストを削減するためには、サイト許可が継続的に発給されるよう規制手続の整備を確実に進める必要があるとしている。今回の報告書に関してCBIのC.フェアバーン事務局長は、「温暖化防止への取組みで残されている時間を考えると、我々はこれまで以上に迅速、かつ一層踏み込んだ取り組みが必要で、これからの10年間は非常に重要な時期だ」と指摘。「技術開発が急速に進展しコストも低下しているため、CO2排出量の実質ゼロという目標達成は可能だが、ビジネス界だけで成し遂げることはできない。目標達成までのあらゆる段階で、政府と連携することが必要だ」と訴えている。(参照資料:CBIの発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの11月4日付「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)
05 Nov 2019
1458
ロシア国営の原子力総合企業ロスアトム社の傘下で、核燃料の濃縮・転換・成型加工を担当するTVEL社は10月31日、同国で初めて軽水炉用に開発した事故耐性燃料(ATF)の原子炉試験で第一段階が完了したと発表した。同社は今年1月、ウリヤノフスク州ディミトロフグラードにある国立原子炉科学研究所(RIAR)で、ロシア型PWR(VVER)用と外国製PWR用の実験集合体2体を、所内のMIR材料試験炉に装荷。同炉の水流ループで設計外事象発生時のATFの耐性を試験するため、それぞれ2種類の燃料ペレットと被覆管を使って、合計4通りの異なる材料を組み合わせたATF燃料棒を1体に付き24本ずつ組み込んでいた。同社は今後、原子炉試験をさらに拡大していく方針で、2020年はATF燃料棒を含めた(取替用燃料1回分の)実験集合体を商業用の100万kW級VVERに装荷する計画。また、新たな有望材料を燃料ペレットと被覆管に組み合わせて、最適なATFを模索していくとしている。今回の原子炉試験でTVEL社は、被覆管としてジルコニウム合金にクロムをコーティングしたものと、クロムとニッケルによる合金製を使用。燃料ペレットについては、従来型の二酸化ウラン製のものに加え、高い密度と熱伝導率を持つウランとモリブデンの合金を使った。初回の照射サイクルを終えたこれらの実験集合体は、すでにMIR材料試験炉から取り出されており、モスクワにあるロシア無機材料研究所(VNIINM)の専門家が予備的な試験を実施。その結果、燃料棒の形状や被覆管表面に変化や損傷は認められなかった。また、それぞれの燃料集合体から燃料棒を何本か抽出して照射後材料科学研究を行っているほか、未照射の燃料棒をさらにMIR材料試験炉に装荷する試験も実施中だとしている。ロシアのATFコンセプトは、冷却材の喪失など、原子力発電所で過酷な設計基準外事象が発生した際の耐性を高めることが主な目的。炉心からの崩壊熱除去に失敗した場合でも、ATFは蒸気とジルコニウムの反応によって水素が発生するのを抑えつつ、長時間にわたって健全性を維持するよう設計されており、ATFは原子力発電所に全く新しいレベルの安全性と信頼性をもたらすとTVEL社は指摘している。(参照資料:TVEL社(ロシア語)の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの10月31日付「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)
01 Nov 2019
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仏国のB.ル・メール経済・財務相は10月28日、北西部にあるフラマンビル原子力発電所3号機(FL3)の建設プロジェクトが大幅に遅延し、建設コストも超過していることについて、事業者であるフランス電力(EDF)のJ.-B.レビィ会長に対し「(問題解決に向けた)アクション計画を1か月以内に提示すること」を要請した(=写真)。これは、この件に関してPSA(プジョーシトロエン)グループのJ.-M.フォルツ元会長が独自に取りまとめた監査報告書が25日に公表され、「度重なる計画の遅れとコストの超過はEDFの失策」と指摘したことを受けたもの。ル・メール経済・財務相は記者会見で、「これは仏国の原子力産業界全体で挽回しなければならない問題だ」と述べ、仏国におけるエネルギー産業の存立に関わる重要問題と訴えている。フラマトム社製・欧州加圧水型炉(EPR)設計を採用したFL3の建設は2007年12月に開始されたが、原子炉容器鋼材の品質問題など様々なトラブルにより、2012年に予定されていた完成は2023年にずれ込む見通しである。EDFは2018年3月に2次系配管で事前点検を行った際、溶接部で複数の欠陥を検知。同年7月に修理を行ったものの、格納容器の2重壁を貫通する溶接部8か所については同年12月、仏原子力安全規制当局(ASN)に「十分な品質があり破断の心配はない」と保証した上で、修理対象から外していた。しかしASNは、諮問機関らの協力によりEDFの提案内容を引き続き検証。今年6月にはEDFに対して、「FL3の運転を開始する前に8か所の修理を終えること」を命じていた。今回の監査報告書は今年7月、EDFのレビィ会長がフォルツ氏に宛てた書簡の中で、10月末までに取りまとめることを依頼していた。この中でレビィ会長は、ASNが6月にEDF提案を却下した点に触れ、「プロジェクトにEPR設計を採用した理由や、スケジュールがたびたび遅延した原因、コストの初期見通しと完成までの差額、建設に関わる様々な企業の責任等について、株主である国に対し正確かつ完全な分析結果を示したい」と説明。同型設計ですでに営業運転を開始した中国の台山原子力発電所、およびフィンランドで完成に近づいているオルキルオト3号機と比較することも求めていた。フォルツ氏はEDFの内部資料や幹部職員へのインタビュー等を通じて検証を行い、2006年5月当時に33億ユーロ(約4,000億円)と見積もられていた建設コストが、今年10月までに7回改定され、現時点で124億ユーロ(約1兆5,000億円)に増加した事実に言及。完成の遅れと合わせて、これらはEDFの失策と考えられるが、台山発電所の2基が世界初のEPRとして営業運転を開始したことにより、EPRのコンセプトと設計が妥当であることが実証されたとフォルツ氏は見ている。当然のことながらEPRのシリーズ建設再開に向けて、これまでに得られた経験を保持しつつ、EPRのコスト削減と「建設可能性」について一層の改善を図るべきだとフォルツ氏は勧告。FL3計画の遅れは、必ずしも現行のプロジェクト管理チームが原因というわけでは無いが、最新のプロジェクト管理技術を持った常勤スタッフ、および潤沢な自己資金を備えた、強力なプロジェクト・チームに立て直すべきだとした。フォルツ氏はまた、EDFに対しても、安全規制当局やサプライヤーと更なる調整を図ることを進言。産業界に対しても、より一層協調していくことで作業員の訓練、とりわけ溶接作業員の能力が改善される。要求の高い分野で質の高い専門家を多数蓄えるためには、初期の訓練と能力の維持で多大な努力を積み重ねることが必要だと強調している。(参照資料:仏経済・財務省(仏語)の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの10月29日付「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)
31 Oct 2019
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