ポーランド環境保護総局(GDOS)は9月19日、ポーランド国営エネルギー・グループ(PGE)傘下の原子力事業会社であるPEJ(=Polskie Elektrownie Jądrowe)社が計画する同国初の大型原子力発電所(合計出力375万kW)建設に対し、「環境条件に関する意思決定(環境決定)」を発給した。これは、原子力発電所の建設に向けた重要な行政認可手続きの一つ。同決定により、同国北部ポモージェ県ホチェボ自治体内のルビアトボ-コパリノ地区における原子力発電所の建設・運転にあたり、環境保護上の要件などが確定したことになる。今後建設サイトへの投資決定や建設許可申請を行う際は、「環境決定」に明記された条件等と整合性を取る必要があり、建設許可申請時には改めて環境影響評価の実施が義務付けられることになる。気候環境省のA.ギブルジェ-ツェトヴェルティンスキ次官は、「環境防護の責任機関であるGDOSの専門家が評価した結果、CO2を大量に排出する我が国の経済活動に、ポーランド初の原子力発電所が環境面のプラス効果をもたらすことが明らかになった」と強調している。PEJ社はポーランドの改訂版「原子力開発計画(PPEJ)」に基づいて、2040年頃までに国内複数のサイトで最大6基の大型炉(合計出力600万~900万kW)の建設を計画中。2021年12月に最初の3基、合計375万kWの立地点としてルビアトボ-コパリノ地区を選定した。これら3基に採用する炉型として、ポーランド政府は2022年11月にウェスチングハウス(WH)社製PWRのAP1000を閣議決定。今年7月には、気候環境省がこれら3基の建設計画に「原則決定(DIP)」を発給した。これに続いてPEJ社は翌8月、AP1000建設サイトとして同地区の正式な承認を得るため、ポモージェ県知事に「立地決定」を申請している。 「環境決定」を取得するにあたり、PEJ社は2022年3月末、GDOSにポモージェ県内の環境影響評価(EIA)報告書を提出した。原子力発電所の建設・運転にともなう環境上の利点を確認するため、GDOSが分析した文書は1万9,000頁を越えたという。また、PEJ社はその際、ルビアトボ-コパリノ地区のほかに建設候補地として名前が挙がっていたジャルノビエツ地区(クロコバとグニエビノの両自治体が管轄)についても、原子力発電所の建設と運転が及ぼす影響等を分析していた。さらに、ポーランド政府はこの件に関する国民の意見を聴取するため、今年7月から8月にかけて国内協議を開催したほか、近隣の14か国を交えた越境協議を2022年9月から今年7月まで実施。「越境環境影響評価条約(エスポー条約)」に基づく諸手続きの一環として、ポーランド政府はこれらすべての国と議定書を締結している。政府の戦略的エネルギー・インフラ大使を兼任するA.ルカシェフスカ–チェジャコフスカ首相府担当相は、「原子力でエネルギー・ミックスを再構築するという我が国の計画は欧州で最も意欲的なものであり、様々な課題への取組と急速な変化をともなうが、だからこそ大規模で複雑なこの投資事業をスケジュール通りに進めることが重要になる」と指摘した。ポーランドではこのほか、政府のPPEJを補完する大型炉プロジェクトとして、国営エネルギー・グループ(PGE)とエネルギー企業のZE PAK社が韓国水力・原子力会社(KHNP)と協力し、中央部のポントヌフで韓国製大型PWRの建設を計画中である。(参照資料:ポーランド政府(ポーランド語)、PEJ社の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの9月22日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)
25 Sep 2023
2213
カナダのアルバータ州は9月19日、州内の石油・天然ガス総合企業であるセノバス・エナジー(Cenovus Energy)社が実施する「オイルサンド回収事業への小型モジュール炉(SMR)の適用可能性調査」に、州の「技術革新と温室効果ガスの排出削減基金」の中から700万カナダドル(約7億7,000万円)を助成すると発表した。アルバータ州は天然資源が豊富なカナダの中でも特に、石油や天然ガスなどの資源に恵まれているが、セノバス社が同州北部で手掛けるオイルサンド(からの超重質油)回収事業では非常に多くの温室効果ガスが排出される。このため州政府は、総額2,670万加ドル(約29億3,600万円)を要するというセノバス社の複数年の調査に資金協力し、州内のオイルサンド事業が排出するCO2の削減にSMRを安全かつ経済的に適用可能か、また、産業界がSMR建設を決定した場合の規制承認手続など必要な情報を探る。同州ではすでに、これに向けた規制枠組の構築準備が進められている。オイルサンドからビチューメンのような超重質油を回収するには、油層内に水蒸気を圧入し、その熱で超重質油の粘性を下げて重力で回収するという方法が複数存在する。このうち回収率の高い「スチーム補助重力排油法(SAGD)」については、カナダのエンジニアリング・開発コンサルティング企業であるハッチ(Hatch)社が今年8月、アルバータ州の公的研究イノベーション機関である「アルバータ・イノベーツ」やセノバス社のために、SMRをSAGDに活用した場合の実行可能性調査(FS)報告書を提出した。州政府によれば、この調査結果は、産業界から排出されるCO2の長期的な削減方法としてSMRが有効か見極めるための最初の一歩。州政府としては、セノバス社の今回の詳細調査に協力し、今後の事業化可能性に関する議論を本格化させたい考えだ。アルバータ州政府のR.シュルツ環境・保護地域担当相は、「数年前まで原子力を産業用に拡大利用する発想は後回しにされてきたが、最早そうではない」と断言。「SMRには当州のオイルサンド事業に熱と電力を供給するポテンシャルがあり、同時にCO2の排出量を削減することで、当州の将来的なエネルギー供給の選択肢になり得る」と述べた。また、州政府の助成金は、「アルバータ排出量削減機構(ERA)」を通じてセノバス社に提供される予定で、ERAのJ.リーマーCEOはSMRについて、「オイルサンド事業のみならず、異なる様々な産業用にも無炭素なエネルギーを供給できる」と指摘した。セノバス社のR.デルフラリ上級副社長は、「当社の事業から排出されるCO2を2050年までに実質ゼロにするため、複数の有望技術を検討模索中だがSMRはその中でも有望だ」と表明している。カナダでは、オンタリオ州とニューブランズウィック州、サスカチュワン州、およびアルバータ州の4州が2022年3月、SMRを開発・建設していくための共同戦略計画を策定。アルバータ州はその後、SMR開発を進めているカナダのテレストリアル・エナジー社や米国のX-エナジー社、ARCクリーン・テクノロジー社、韓国原子力研究院(KAERI)などと、それぞれのSMRの州内建設に向けて了解覚書を締結している。(参照資料:アルバータ州の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの9月21日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)
22 Sep 2023
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©UK Government英エネルギー安全保障・ネットゼロ省(DESNZ)は9月18日、EDFエナジー社がイングランドのサフォーク州で計画しているサイズウェルC(SZC)原子力発電所(欧州加圧水型炉:EPR×2基、各167万kW)建設プロジェクトに対し、民間部門からの投資募集プロセスを開始すると発表した。同プロジェクトの実施に必要な資金を調達するため、その第一段階として、潜在的投資家である企業や個人に予め資格審査を受けてもらう方針。EDFエナジー社の親会社であるフランス電力(EDF)とSZCプロジェクトを50%ずつ保有する英政府は、EDFエナジー社傘下のプロジェクト企業であるサイズウェルC社(※今年6月にNNB GenCo社から社名変更)への投資に関心を持つ有望な企業らに、関心表明の登録と選定要件の詳細を一定程度盛り込んだ「事前の資格審査用質問票(PQQ)」の入手を要請しており、10月9日までPQQへの回答提出を受け付ける。回答書の評価結果次第で、第2段階としてサイズウェルC社株を入手する入札への参加資格が与えられる。ただし、その参加交渉に入る際も、候補企業らは大規模原子力発電所も含めた大型インフラ建設プロジェクトの実施経験など、いくつかの重要基準を満たしていることを実証するよう求められる。英政府は2022年11月、SZCプロジェクトに最大6億7,900万ポンド(約1,240億円)の直接投資を行うと発表。同プロジェクトの半分を保有した上で、今後は同プロジェクトへの出資を希望する第三者を募る方針を明らかにしていた。当時原子力政策を担当していたビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)によると、同プロジェクトは「規制資産ベース(RAB)モデル」((個別の投資プロジェクトに対し、総括原価方式による料金設定を通じて建設工事の初期段階から、需要家(消費者)から費用(投資)を回収するスキーム。これにより投資家のリスクを軽減でき、資本コスト、ひいては総費用を抑制することが可能になる。))を通じて資金調達を行う最初の原子力発電所建設計画。今年2月にBEISから原子力政策を引き継いだDESNZは今回、「RABモデルを通じた民間投資の呼び込みは、電力消費者や納税者にとって価値の高い結果を生む可能性がある」と評価しており、サイズウェルC社のみならず民間投資家側にも、プロジェクトを建設段階に進める自信と意欲をもたらすと強調している。DESNZはSZCプロジェクトを、英国が目指すエネルギー供給保障とCO2排出量の実質ゼロ化の両立において不可欠と考えている。従来の大型炉や新しい技術である小型モジュール炉(SMR)も含め、英国の原子力発電を活性化させることで、低コスト・低炭素な安定した電力供給システムを長期的に確保し、2050年までに英国の総発電量の最大25%を原子力で供給していく考えだ。このため、DESNZは直接投資として投入した約7億ポンドに加えて、建設サイトの準備作業を加速するため、今年7月と8月に追加で合計5億1,100万ポンド(約934億円)を拠出すると発表している。9月にDESNZのトップに就任したC.クティーニョ・エネルギー安全保障・ネットゼロ相は、「SZCプロジェクトで今後の世代にクリーンで価格も手ごろな電力を提供できるだけでなく、数千人規模の雇用が創出され、我が国のエネルギー供給保障を強化する一助になる」と指摘。DESNZのA.ボウイ原子力・ネットワーク担当相も、「政府による最初の直接投資に続いて、有力な民間投資家が国家インフラの重要部分の実現に向けて、サイズウェルC社に新たな知見や経験をもたらしてくれることを期待する」と述べた。(参照資料:英政府の発表資料①、②、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの9月18日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)
20 Sep 2023
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韓国の現代E&C(現代建設)社は9月12日、ポーランドでの新規原子力発電所建設プロジェクト推進に向け、ポーランドの建設産業雇用者協会(PZPB)や国立原子力研究センター(NCBJ)などと協力覚書を締結した。ポーランドの様々な関係機関や企業と協力ネットワークを構築することで、ポーランドのみならず東欧全体で原子力などエネルギー・インフラの分野に進出していく方針。PZPBと結んだ「新規原子力事業協力のための了解覚書」では、ポーランドの建設関係政策や業界動向といった現地情報を入手し、技術面での交流を深める考えだ。同覚書は、ポーランド南部のクリニツァで開催されていた経済フォーラムへの、韓国官民合同使節団参加にともない、首都ワルシャワで締結された。調印は現代E&C社のユン・ヨンジュン社長兼CEOとPZPBのD.カジミエラク副会長が行った。NCBJとの「原子力発電所の研究開発と研究炉協力に関する了解覚書」も同じ日に結ばれており、両者は原子力発電所と研究炉分野の協力に加えて、原子力技術とその安全性、人材交流など全般的な協力体制の構築で合意している。これらを通じて現代E&C社はポーランドの原子力市場に参入する一方、同国の大手建設企業であるERBUD社およびUNIBEP社とも、新しい再エネ、新空港や都心インフラの整備、スマートシティ分野で協力するための業務契約を締結した。関係報道によるとUNIBEP社は、原子力プロジェクトについても現代E&C社と協力する意向を表明。現代E&C社はこれらの企業との連携協力に際し、東欧への進出の拠点となる現地事務所の設立もワルシャワで進めている。現代E&C社は、韓国で数多くの原子力発電所建設に携わった実績があり、アラブ首長国連邦(UAE)への大型原子炉の初輸出事業にも参加。これらに基づき、小型モジュール炉(SMR)開発や原子力発電所の廃止措置、使用済燃料の中間貯蔵施設建設など、原子力関係の全事業分野に対応・管理する能力の獲得を目指しており、世界的な原子力発電設備メーカーと戦略的な協力体制を固めている。放射性廃棄物の貯蔵設備やSMRを開発している米ホルテック・インターナショナル社とは特に、2021年11月に事業協力契約を締結しており、同社の主要EPC(設計・調達・建設)契約企業としてホルテック社製SMR「SMR-160」の商業化に向けた標準モデルの完成に協力。今年4月には、韓国の政府系輸出信用機関である韓国貿易保険公社(K-SURE)と韓国輸出入銀行(KEXIM)がそれぞれ、現代E&C社とホルテック社の企業チームと個別に協力協定を締結している。今回のポーランド訪問を通じて現代E&C社は、ポーランドに経済的発展のポテンシャルを確認。両国間の相互交流を促進してポーランドのエネルギー・インフラ拡充に寄与するとともに、民間レベルの連携協力を強化して実質的な成果を上げたい考えだ。ポーランドは政府の原子力プログラムとして、国内の複数のサイトで2043年までに100万kW級の原子炉を最大6基、合計600万~900万kW建設することを計画。2022年11月には最初の3基、小計375万kW分の採用炉型として、米ウェスチングハウス(WH)社製PWRのAP1000を選定した。同国ではこのほか、政府のこのプログラムを補完する計画として、PGEグループとエネルギー企業のZE PAK社が韓国水力・原子力会社(KHNP)などとの協力により、中央部ポントヌフで韓国製「改良型加圧水型炉(APR1400)」の建設に向けた活動を進めている。(参照資料:現代E&C社の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの9月15日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)
19 Sep 2023
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米国のホルテック・インターナショナル社は9月12日、ミシガン州で2022年に永久閉鎖となったパリセード原子力発電所(PWR、85.7万kW)を再稼働させるため、子会社を通じて、同原子力発電所が発電する電力を州内のウルバリン電力協同組合(Wolverine Power Cooperative)に長期にわたり販売する契約を締結した。ホルテック社は今年2月、同発電所の再稼働に必要な融資依頼を米エネルギー省(DOE)に申請している。米原子力規制委員会(NRC)のスタッフとは、すでに複数回の公開協議を通じて、同発電所の運転再認可に向けた規制手続について議論を重ねており、「パリセード発電所は閉鎖後に再稼働を果たす米国初の原子力発電所になる」と強調。再稼働を必ず実現させて、ミシガン州の各地に無炭素エネルギーによる未来をもたらしたいと述べた。また、長期停止中の原子力発電所を数多く抱える日本や脱原子力を完了したドイツでも、同様の流れになることを期待するとした。米国では、独立系統運用者が運営する容量市場取引きの台頭など、電力市場の自由化が進展するのにともない、電力事業者間の従来通りの電力取引をベースとしていたパリセード発電所の経済性が悪化。2007年に同発電所をコンシューマーズ・エナジー社から購入したエンタジー社は2022年5月、当時の電力売買契約が満了するのに合わせて、合計50年以上安全に稼働していた同発電所を閉鎖。その翌月には廃止措置を実施するため、同発電所を運転認可とともにホルテック社に売却していた。ホルテック社は、原子力発電所の廃止措置のほか、放射性廃棄物の処分設備や小型モジュール炉(SMR)の開発など、総合的なエネルギー・ソリューションを手掛ける企業。同社によると、近年CO2の排出に起因する環境の悪化から各国が炭素負荷の抑制に取り組んでおり、原子力のようにクリーンなエネルギー源が重視される時代となった。パリセード発電所の購入後、ホルテック社は、DOEが既存の原子力発電所の早期閉鎖を防止するため実施中のプログラムに同発電所を対象に申請書を提出。これを受けてミシガン州のG.ホイットマー知事は2022年9月、この方針を支持すると表明していた。ホルテック社が今回結んだ電力売買契約では、パリセード発電所が発電する電力の3分の2をウルバリン電力協同組合が買い取り、同組合に所属する他の電力協同組合を通じてミシガン州主要地域の家庭や企業、公立学校等に配電する。残りの3分の1は、ウルバリン協同組合が協力中のフージャー・エナジー(Hoosier Energy)社が買い取る予定。なお、今回の契約では、ホルテック社がパリセード原子力発電所敷地内で、出力30万kWのSMRを最大2基建設するという契約拡大条項も含まれている。これらを追加建設することになれば、ミシガン州では年間約700万トンのCO2排出量が削減される見通し。ホルテック社の説明では、パリセード発電所の再稼働に対する地元コミュニティや州政府、連邦政府レベルの強力な支持は、CO2の排出削減における原子力の多大な貢献に基づいている。ホルテック社で原子力発電と廃止措置を担当するK.トライス社長は、「パリセード発電所を再稼働させることで、ミシガン州は今後のエネルギー需要を満たしつつ地球温暖化の影響を緩和できるほか、高収入の雇用を数百名分確保し地方自治体の税収を拡大、州経済の成長にも貢献できる」と指摘している。(参照資料:ホルテック社、ウルバリン電力協同組合の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの9月13日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)
15 Sep 2023
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ウクライナの原子力発電公社であるエネルゴアトム社は9月12日、ウェスチングハウス(WH)社製の小型モジュール炉(SMR)「AP300」の導入に向けて、同社と了解覚書を締結した。今後10年以内に国内初号機の設置を目指すとともに、将来的には同炉設備の国内製造も視野に入れた内容。差し当たり、具体的な建設契約の締結に向けた作業や許認可手続き、国内サプライチェーン関係の協力を進めるため、共同作業グループを設置する。「AP300」は100万kW級PWRであるAP1000の出力を30万kWに縮小した1ループ式のコンパクト設計。AP1000と同様にモジュール工法が可能なほか、受動的安全系や計装制御(I&C)系などは同一の機器を採用している。ウクライナは2050年までのエネルギー戦略として、無炭素なエネルギーへの移行とCO2排出量の実質ゼロ化を目指している。このため原子力発電の増強を進めており、引き続き新しい大型炉を建設していく一方、ウクライナにとって有望な選択肢であるSMRの設置も進める考えだ。WH社との協力については、エネルゴアトム社が2021年11月、フメルニツキ原子力発電所で国内初のWH社製AP1000を建設するとし、同社と契約を締結。翌2022年6月には、国内で稼働する全15基のロシア型PWR(VVER)用にWH社製の原子燃料を調達し、AP1000の建設基数も9基に増やすための追加契約を結んだ。15基中13基の100万kW級VVER(VVER-1000)については、すでにWH社製原子燃料の装荷が進んでいるが、エネルゴアトム社は今月10日、残り2基の44万kW級VVER(VVER-440)に初めてWH社製の原子燃料を装荷している。WH社のP.フラグマン社長兼CEOは、「原子燃料の調達からプラントのメンテナンス、発電に至るまで、長期的に信頼されるパートナーとしてウクライナにクリーンで確実なエネルギーをもたらせるよう貢献したい」とコメントしている。今年5月に発表した「AP300」については、同社は稼働実績のある第3世代+(プラス)のAP1000に基づく炉型である点を強調しており、実証済みの技術を採用しているため許認可手続きが円滑に進むことや、AP1000用の成熟したサプライチェーンを活用できると指摘した。同社の計画では、2027年までに米原子力規制委員会(NRC)から「AP300」の設計認証(DC)を取得し、2030年までに米国で初号機の建設工事を開始、2030年代初頭にも運転を開始するとしている。(参照資料:エネルゴアトム社、WH社の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの9月12日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)
14 Sep 2023
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アラブ首長国連邦(UAE)で初の原子力発電所を建設・運転中の首長国原子力会社(ENEC社)と、ポーランド初の小型モジュール炉(SMR)建設を計画しているオーレン・シントス・グリーン・エナジー(OSGE)社は9月11日、将来的に複数のSMRをポーランドのみならずその他の欧州地域で協力して建設していくため、了解覚書を締結した。建設が比較的容易でクリーンな電力を供給できるSMRへの投資を通じて、欧州のエネルギー部門や産業界の脱炭素化をともに支援。エネルギー・セキュリティと地球温暖化という二つの課題の解決に取り組む考えだ。ENEC社は2012年7月、北部のアブダビ首長国で韓国製の140万kW級PWR「APR1400」×4基で構成されるバラカ原子力発電所の建設工事を開始。1~3号機はそれぞれ2021年4月と2022年3月、および今年2月から営業運転中で、残る4号機の作業も佳境に入っている。もう一方のOSGE社は、カナダ・オンタリオ州のOPG社がカナダ初のSMRとして、GE日立・ニュクリアエナジー(GEH)社製SMR「BWRX-300」の建設準備を進めているのに倣い、同じく「BWRX-300」をポーランドで建設することを計画。今年4月下旬には、候補地として絞り込んだ7地点のうち、6地点での建設計画について「原則決定(DIP)」を政府に申請している。OSGE社の「BWRX-300」初号機は2030年頃の完成を目標としているが、それ以降同社は、英国や中・東欧地域などその他の欧州大陸でも「BWRX-300」の建設を目指す方針。そのため今回、GEH社のパートナーとしてポーランド国内で同炉の独占使用権を持つOSGE社と、UAEで大型原子力発電所の建設を「スケジュール通り予算内」で進め、運転実績も有するENEC社が協力することになった。加えてENEC社は、「BWRX-300」の建設にファイナンス面での支援も視野に入れるとしている。協力覚書への調印は、世界原子力協会(WNA)が英国ロンドンで「世界原子力シンポジウム」を開催したのに合わせ、ENEC社のM.アル・ハマディCEOとOSGE社のR.カスプローCEOが実施した。同シンポでENEC社は、WNAと共同で「ネットゼロ原子力(Net Zero Nuclear=NZN)」イニシアチブを立ち上げたと発表。NZNでは、エネルギー・セキュリティの確保とCO2排出量の実質ゼロ化の両立に原子力が果たす多大な貢献を世界中に周知し、原子力開発の世界規模での拡大を目指している。UAEはまた、今年11月に開催される国連気候変動枠組条約締約国会議(COP28)のホスト国を務めることになっている。ENEC社は、原子力発電所の建設プロジェクトを成功に導くには、適切なパートナーの選定と高度な専門知識やスキルを持つスタッフの活用がカギだと強調。同社がバラカ発電所の建設と運転を通じて蓄積した様々な経験は、OSGE社の構想を支援する重要な要素になる。同社のM.アル・ハマディCEOは、「クリーン・エネルギー社会への移行とCO2排出量実質ゼロ化の推進で当社が培った知見と経験を共有し、世界中で原子力発電所の建設を加速していくという当社の計画は、覚書の締結により新たなステージに入った」と表明。「SMRの可能性については当社も綿密に検証中であるが、バラカ発電所の建設・運転経験はこのように新しい分野の研究開発や技術革新を大きく進展させるだけでなく、当社が様々な次世代原子炉を新たに建設していく機会になる」と強調した。OSGE社のカスプローCEOも、「ENEC社は、ポーランドその他で当社の複数の『BWRX-300』建設計画を支えてくれる心強いパートナーだ」と指摘。「SMR開発が原子力の将来に重要な意味を持つことをENEC社は理解しており、この協力によって我々は世界的規模のSMR建設に向けて大きな一歩を踏み出した」としている。(参照資料:OSGE社(ポーランド語)の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの9月12日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)
13 Sep 2023
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ウクライナの原子力発電公社であるエネルゴアトム社は9月10日、国内で稼働する全15基のロシア型PWR(VVER)のうち、44万kW級のVVER(VVER-440)であるリウネ原子力発電所1、2号機に、初めて米ウェスチングハウス(WH)社製の燃料を装荷した。ウクライナ・エネルギー省のハルシチェンコ大臣は、「ロシアによるVVER燃料市場の独占が終了する歴史的な日になった」と指摘。ウクライナは燃料調達先を多様化するため、2020年9月にV.ゼレンスキー大統領立ち会いの下で両機用燃料集合体の供給契約をロシアによる軍事侵攻以前に結んでいた。ウクライナでは、2000年代に複数回にわたりロシア産天然ガスの供給が停止されたほか、2014年にはクリミア半島が強制併合されたことなどから、ロシア離れが加速。100万kW級VVER(VVER-1000)である13基の原子炉については、米国とウクライナの政府間協力合意に基づいてWH社が2001年に専用燃料の設計を開始した。2005年に最初のWH社製「先行試験用燃料集合体(LTA)」がウクライナの南ウクライナ3号機(VVER-1000、100万kW)に装荷されて以降、WH社および同社からライセンスを受けた国内での燃料製造により、ロシア製燃料からの切り替えが進んでいる。今回、リウネ1、2号機へのWH社製燃料の装荷に際し、エネルゴアトム社は記念式典を開催。ウクライナのH.ハルシチェンコ・エネ相とエネルゴアトム社のP.コティン総裁のほか、WH社の燃料製造工場が立地するスウェーデンの駐ウクライナ特命全権大使やリウネ地区の軍事行政局長、リウネ原子力発電所長などがWH社幹部とともに出席した。エネルゴアトム社によると、ロシアの軍事侵攻が始まった際、同社はVVER-440用燃料の開発製造を加速するようWH社に要請。WH社側は、エネルゴアトム社からエンジニアリング関係のサポートを受けながら、通常6~7年かかる燃料開発を1年半で完了させた。エネルゴアトム社のP.コティン総裁は、「今後はロシアからの燃料サービスへの依存から脱却し、米国製燃料に切り替える」と断言、将来的にはWH社の技術を使って国内製造することを計画中だと述べた。WH社のP.フラグマン社長兼CEOは、「ウクライナのみならず欧州でVVERを運転するその他の国々も、ロシアの燃料市場支配から完全に開放される」と強調している。(参照資料:エネルゴアトム社、ウクライナ政府(ウクライナ語)の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの9月11日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)
12 Sep 2023
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世界原子力協会(WNA)とアラブ首長国連邦(UAE)の首長国原子力会社(ENEC)は9月7日、「ネットゼロ原子力(Net Zero Nuclear=NZN)」イニシアチブを共同で立ち上げた。NZNの下、エネルギー・セキュリティの確保と、CO2排出量の実質ゼロ化の両立に、原子力が果たす多大な貢献を世界中に周知し、原子力開発の世界規模での拡大を目指す。同時に、UAEがホスト国となる今年11月末から開催される国連気候変動枠組条約締約国会議(COP28)において、こうした原子力の価値が言及されることを狙う。同国の原子力発電の導入スピードはめざましく、発展が期待されるMENA地域(中東および北アフリカ)における、原子力導入のモデルケースとして世界中から注目を集めている。NZNは、国際原子力機関(IAEA)の同様のイニシアチブである「Atoms4NetZero」の協賛を得ており、英国のエネルギー安全保障・ネットゼロ省(DESNZ)もNZNへの参加を表明。日本からは、日本原子力産業協会(JAIF)が参加表明し、NZNの発足式には植竹明人常務理事が出席した。最新の分析では、世界的規模でクリーンなエネルギーによる供給を保障しつつ、2050年までに世界中のCO2排出量を実質ゼロ化するためには、原子力設備容量を少なくとも現在の3倍に拡大しなければならないと指摘されている。すなわち原子力発電プラントを年平均4,000万kWのペースで建設する必要があり、これは過去10年間の開発規模の6倍以上ときわめて難しい数字である。WNAのS.ビルバオ・イ・レオン事務局長は、「我々はエネルギー危機の真っただ中におり、CO2排出量の実質ゼロ化で原子力の果たす役割を過小評価している余裕はない」と強調。同時に、実際に原子力設備容量を拡大するには迅速で効率的な資金調達や政治的意志が必要だとした上で、「クリーン・エネルギーへの移行において、一刻も早く現実的かつ実証済みのアプローチを取るべきだ」との見解を示した。原産協会の植竹常務理事は「これまで国連気候変動枠組条約締約国会議の場では原子力の役割りが十分に議論されてこなかった。しかし、今や世界の多くの国は原子力なしで地球温暖化を防ぐことが難しいことに気付いている。今回こそイデオロギーの違いを乗り越えて原子力を正当に評価する議論をしてほしい」と、同イニシアチブ参加の意義を強調し、「COP28まで時間的余裕はないが、原産協会としても可能な限り広く賛同を得るべく努力していきたい」と強い意欲を示した。今後NZNでは、各国の政府機関や産業界、NGOなどに呼び掛けて、イニシアチブへの参加を促していく。そして世界中からステークホルダーが集まるCOP28の場で、世界へ向けてNZNとしての強いメッセージを発信していきたい考えだ。
12 Sep 2023
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国際原子力機関(IAEA)は、M.キュリー夫人の偉業に基づき、若い女性が原子力分野でキャリアを追及できるよう支援するために設置した「マリー・スクウォドフスカ・キュリー・フェローシップ・プログラム(MSCFP)」の今年の参加者を募集している。応募締め切りは9月30日。MSCFPは女性物理学者のパイオニアであるとともにノーベル賞を2度受賞したキュリー夫人にちなんで名付けられ、若い女性に原子力分野でキャリアを積む意欲を喚起させ、原子力分野における女性の数を拡大することを目的とし、現在のIAEA事務局長、ラファエル・グロッシー氏によって設置された。MSCFPは原子力関連課目の修士号取得を目指して勉強中の女子学生に修士課程への最高2万ユーロ(約313万円)の奨学金とIAEAが推進する実習研修制度(internship)に最大12か月参加する機会を提供している。さらに、学生には様々な教育的かつ専門的ネットワーク形成のためのイベントに参加する機会も提供される。2020年の創設以来、110ヶ国360人の学生が選抜されているが、さらに多くの女子学生に機会を付与できるよう、今年度は最大200名の奨学生を選ぶことを目標としている。IAEAは、女子学生を対象としたMSCFPの他にも、若手・中堅女性専門家向けのキャリア開発を目的としたリーゼ・マイトナー・プログラムを用意しており、これらを通じて原子力分野のジェンダーバランス改善に取り組んでいる。(参照資料:IAEAの発表資料、原産新聞・海外ニュース、ほか)
11 Sep 2023
1589
ハンガリーでパクシュ原子力発電所Ⅱ期工事(出力120万kWのロシア型PWR:VVER-1200×2基)の建設プロジェクトを進めているパクシュⅡ開発会社は9月5日、サイトでの準備作業として5号機用ピットの地盤を深さ5mまで掘削したのに続き、6号機用の地盤掘削も開始すると発表した。同プロジェクトは今後、建屋の建設や機器の製造など建設工事の主要段階に移行。プロジェクトを担当している外務貿易省のP.シーヤールト大臣は、「2030年までに建設プロジェクトを完了するという現行目標の達成は可能だ」と強調している。ハンガリーでは、旧ソ連時代に建設されたパクシュ原子力発電所の4基(各VVER-440、出力約50万kW)で総発電量の約5割を供給している。これらがすでに公式運転期間の30年を超過したことから、同国は運転期間を延長しながら容量の大きいⅡ期工事の5、6号機に徐々にリプレースしていく方針。シーヤールト大臣は、同発電所の拡張はハンガリーの長期的なエネルギー供給を保証する重要要素であり、総発電量の約70%も供給できるとしている。両機の建設工事については、2014年にハンガリーとロシアが政府間協定(IGA)を結んだほか、EPC(設計・調達・建設)契約を含む主要な3契約を締結した。総工費の約8割に相当する最大100億ユーロ(約1兆5,800億円)がロシア政府の低金利融資で賄われることになったが、両国政府は今年4月、IGAとEPC契約の資金調達関係項目を一部修正したと欧州委員会(EC)に伝えている。修正内容については明らかにされていないが、建設工事を請け負ったロシア国営の総合原子力企業ロスアトム社によると、ECがこの修正を承認したのに続いて両国も8月18日付で改訂契約に調印。これを受けて、パクシュⅡ開発会社は建設工事が主要段階に移行したと公式に宣言している。ロスアトム社のエンジニアリング部門であるアトムストロイエクスポルト(ASE)社も、8月21日に建設サイトで本格工事を開始。ハンガリーの請負企業が6号機用ピットの掘削準備を始めたほか、別のハンガリー企業が地下水遮断壁の作業を継続しつつ、地盤の整備作業を開始したことを明らかにした。6号機用ピットの地盤は、安定性確保の観点から部分的に地下23 mの深さまで掘削を予定しており、総掘削面積はサッカー・コート4面分に相当する。ロスアトム社の予想では、取り除く土砂の総量が約100万m3に達するため、30~40台のトラックを動員しているが、この作業は今秋の終わり頃までかかる見通しである。一方、地下水遮断壁の建設は今年7月、建設サイトの準備作業開始とともに始められており、パクシュⅡ開発会社は全長2.5 kmとなる遮断壁のうち、これまでに0.7 km 分が完成したと表明。このほかロシアでは、原子炉圧力容器の製造も始まっている。(参照資料:パクシュⅡ開発会社、ハンガリー政府、ロスアトム社の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの9月6日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)
07 Sep 2023
1406
米空軍省(DAF)の「エネルギーと施設および環境問題担当・空軍次官局(SAF/IE)」は8月31日、アラスカ州のアイルソン空軍基地に設置を計画しているマイクロ原子炉のベンダーとして、オクロ社(Oklo Inc.)を暫定的に選定した。DAFが進める「マイクロ原子炉パイロット・プログラム」に則して、国防総省(DOD)の国防兵站局(DLA)がDAFとDODを代表して、オクロ社に「発注意向書(NOITA)」を発出。オクロ社はアイルソン基地でマイクロ原子炉の設計・建設と所有・運転を担当し、今後は同炉の建設・運転認可を原子力規制委員会(NRC)に申請する。また、同炉が生産する熱や電力を、30年にわたってDLAに固定価格で販売する長期契約の締結を目指す。 オクロ社が開発したマイクロ原子炉は、燃料としてHALEU燃料((U235の濃縮度が5~20%の低濃縮ウラン))を使用する液体金属冷却高速炉「オーロラ(Aurora)」で、電気出力は0.15万kW~5万kW。同社によると、燃料交換なしで少なくとも20年間熱電供給することが可能である。DAFのパイロット・プログラムは、2019年に成立した米国国防権限法(NDAA2019)がDODに要求していた事項への対応計画として進められている。DODを構成する3省の一つであるDAFは、要求事項に沿って原子炉の設置点を選定するのにあたり、2020年9月に「関係情報の提供依頼書(RFI)」を産業界等に向けて発出した。2021年にアイルソン基地を設置点として選定した後は、2022年9月にDLAと共同で設置原子炉の「提案依頼書(RFP)」を発出しており、今後は2023年中にベンダーを確定しNRCを交えた許認可関係の活動を開始する。その後、2025年に着工して2027年末までに試運転を開始するなど、NDAA2019の要求通り10年以内にマイクロ原子炉を完成させる方針である。SAF/IEはマイクロ原子炉について、「固有の安全性を有する無炭素エネルギー源であり、炉心の過熱を防ぐために、変化する条件や需要を自動的に調整する能力を備えている」と指摘。「送電網から切り離された場所でも発電が可能なだけでなく、CO2の削減にも貢献するなど、重要な国防インフラへの電力供給源としては有望だ」と評価している。DODでエネルギーと施設および環境の問題を担当するB.オーウェンズ国防次官補は、DAFによる今回の発表について、「米国の国益に資する国産技術の開発促進にDODがどのように投資し続けていくか示したもの」と指摘。「国産の先進的原子炉をさらに多くの地点で建設し、軍事施設に対する電力供給と内部設備の信頼性が一層確保されるよう、プロジェクトの進展を絶えず注視し、国防関係の他の省とも協力していきたい」と述べた。オクロ社のJ.ドワイトCEOも、「国家の安全保障を強化しつつCO2の排出量を削減し、軍事施設の強靭性を増強する最前線に立てることを誇りに思う」と表明している。(参照資料:SAF/IE、オクロ社の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの9月5日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)
06 Sep 2023
2172
米国のGE社は8月29日、傘下のGE日立・ニュクリアエナジー(GEH)社が開発した小型モジュール炉(SMR)を使って、大気からCO2を直接回収する(DAC)システムの地域ハブを国内に設置するプログラムで、米エネルギー省(DOE)から約255万ドルの補助金を獲得したと発表した。GE社では、電力・エネルギー事業を統合したGEベルノバ社((2024年初頭に上場企業として独立・分社化が予定されている))が原子力発電と再生可能エネルギーを活用したDACシステムの開発をテキサス州のヒューストン近郊で進めており、同地で予備的な実行可能性調査の実施を計画中。同調査にかかる約332万ドルのうち約255万ドルをDOEが2年間で拠出し、年間100万トンのCO2を大気中から回収して地下に貯蔵、あるいは「持続可能な航空燃料(SAF)」の原料等に活用できるか調査する。GE社は今後、同調査の実施範囲や条件を決定するため、DOEと詳細を詰める予定である。DOEは2021年11月に成立した「超党派のインフラ投資法」に基づくプログラムの一つとして、商業規模のDACシステム開発とその地域ハブ開発を推進している。2050年までに年間4億トン~18億トンのCO2を大気中から回収するため、8月11日にはテキサス州とルイジアナ州で計画されている商業規模のDACシステム開発計画に、「DAC地域ハブ開発プログラム」の予算から最大12億ドルを拠出すると決定した。今回はDAC地域ハブ開発の実行可能性と、同ハブの構造設計に関するプロジェクトを19件選定。この中にGEベルノバ社の予備的実行可能性調査プロジェクトが含まれていた。一方、GE社は今年3月、ニューヨーク州ニスカユナにあるGEベルノバ社の研究施設で、DACシステムのプロトタイプ実証が成功したと発表。今回、GEベルノバ社がDOEの補助金交付対象に選定されたことでDACシステムの開発が加速され、2020年代の終わりまでに商業規模のシステムを完成するという目標を達成できると考えている。この調査でGEベルノバ社は具体的に、DACシステムをGEH社製SMRの「BWRX-300」や再生可能エネルギー源と統合可能か調査するが、同社としては、「BWRX-300」の生産する熱や電力を活用することで、低コストで大気中からCO2回収が可能だと強調している。GEベルノバ社はこのほか、同じくDOEの「DAC地域ハブ開発プログラム」で補助金交付先に選定されたイリノイ大学主導の2つのプロジェクトにも、DACシステムの供給者として協力する。同プログラムではまた、イリノイ州のノースウエスタン大学が主導する「原子力を活用した中西部地域のDACハブ開発プロジェクト」も、補助金の交付先の一つに選定されている。同地域は米国でも2番目にCO2排出量が多く、原子力を中心に据えたプロジェクトにDOEは総費用393万ドルのうち300万ドルを拠出している。(参照資料:GE社、DOE①、②の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの8月31日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)
05 Sep 2023
2158
スロバキアの国営バックエンド企業であるヤビス(JAVIS)社は8月25日、国内でフランス製の大型炉や小型モジュール炉(SMR)の建設が決定した場合に、フランス電力(EDF)との協力の基盤となる「枠組み協力協定(FCA)」を同社と締結した。仏フラマトム社が中心となって開発した欧州加圧水型炉(EPR)や、EDFが原子力・代替エネルギー庁(CEA)等と協力して開発中のSMR「NUWARD」など、フランス製原子炉の建設可能性について技術面や商業面の協議を詳細に行った結果、ヤビス社は原子力分野におけるEDFとの協力の中でも、新設プロジェクト関係に一層力を入れると決定。FCAへの調印は、スロバキアのP.ドフン経済相がフランスを公式訪問したのに合わせてパリで行われた。このFCAは独占的な協力合意ではなく、ヤビス社は今年7月、米ウェスチングハウス(WH)社製PWRであるAP1000(出力100万kW級)や、その出力縮小版となるAP300(出力30万kW)を国内で建設する可能性を探るため、WH社と了解覚書を締結している。ヤビス社はスロバキアの経済省が100%出資しており、同国の放射性廃棄物を管理するだけでなく、原子力発電所の廃止措置や増設と運転にも責任を負っている。2009年に同社はチェコ電力(CEZ社)との共同出資により、国内で稼働している原子力発電所の一つで原子炉の新設と運転を担当するJESS社を創設。同社に51%出資する親会社として、ヤビス社はあらゆる炉型を評価し、政府に候補炉型を提示することになっている。今回のFCAを締結した理由としてヤビス社は、新たな原子炉技術に関する情報交換をさらに緊密に行い、それらがスロバキアの国内送電網に適しているか評価するためだと説明。政府が新たに建設する原子炉の炉型や立地点を決定した際、同社は建設に向けたプロセスの管理責任を負うとしている。大型炉の候補炉型であるEPRは、出力165万kWのPWRだが、EDFがスロバキアに提案しているのは120万kW版の「EPR1200」。EDFによると、その安全性や運転効率は通常版と同等であり、国際原子力機関(IAEA)と西欧原子力規制者協会(WENRA)、および仏原子力安全規制当局(ASN)の安全要件や運転要件をクリアしている。また、福島第一原子力発電所事故後のストレス・テストをパスした原子炉であるほか、これまでに建設されたEPRやフランス国内で稼働中のPWRの教訓やフィードバックが反映されている。また「NUWARD」は、同じくEDFが手掛けるPWRをベースとしたSMR。出力17万kWの小型PWR×2基で構成される「NUWARD」プラントの合計出力は34万kWとなる。EDFの説明では、「EPR1200」と同じくIAEAとWENRAが要求する高い安全基準を満たしており、建設工事の容易さや運転面の競争力、環境上の持続可能性等に一層配慮した炉型である。EDFで新設原子力プロジェクトを担当するV.ラマニ上級副社長は、「スロバキアの原子力産業界など欧州のサプライチェーンを全面的に活用して、欧州の技術に基づいた原子力発電所の建設を欧州で進めることは当社目標の一つ。これを遂行していく上で、今回の合意は極めて重要なステップになった」と強調している。(参照資料:JAVYS社の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの8月31日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)
04 Sep 2023
1522
英国のエネルギー安全保障・ネットゼロ省(DESNZ)は8月29日、EDFエナジー社がサフォーク州で計画しているサイズウェルC(SZC)原子力発電所建設プロジェクトの準備作業を一層加速するため、昨年秋に政府が同計画用に確保した8億7,000万ポンド(約1,632億円)の中から、3億4,100万ポンド(約628億円)を拠出すると発表した。今年7月に、同じくサイトの準備活動や主要機器の調達、労働力の確保等に1億7,000万ポンド(約313億円)を拠出したのに続く措置。同サイトを「いつでも建設工事に取り掛かれる状態」にすることで、英国の原子力設備を迅速に拡大していき2050年までに総発電量の最大25%を原子力で供給。ロシアのプーチン大統領を世界のエネルギー市場から締め出す一助にするとしている。SZC計画では、サマセット州ですでに建設中のヒンクリーポイントC(HPC)原子力発電所(欧州加圧水型炉:EPR×2基、各172万kW)と同じく、EPRを2基(各167万kW)建設する。ただし、HPC計画では建設資金の調達方法として差金決済取引(CfD)を適用するのに対し、SZC計画では「規制資産ベース(RAB)モデル」((個別の投資プロジェクトに対し、総括原価方式による料金設定を通じて建設工事の初期段階から、需要家(消費者)から費用(投資)を回収するスキーム。これにより投資家のリスクを軽減でき、資本コスト、ひいては総費用を抑制することが可能になる。))を用いる予定。この方式で民間投資を呼び込み、EDFエナジー社には同計画への最終投資判断(FID)を促す方針だ。同計画ではまた、EDFエナジー社の子会社でプロジェクト企業のNNB GenCo(SZC)社(※今年6月に「サイズウェルC社」に社名変更)が2020年5月、国家的重要度の高いインフラ設備の建設・操業プロジェクトに取得が義務付けられている「開発合意書(DCO)」を計画審査庁(PI)に申請。ビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)(当時)のK.クワルテング大臣は2022年7月、PIによる審査結果等に基づき、同計画へのDCO発給を決定している。 DESNZによると、今回の追加投資でサイトでは建設工事が始まる前に、従業員1,500名分のサイト内訓練施設の建設や発電プラントの詳細な設計エンジニアリング、地元コミュニティへの直接投資等への支援が行われる。このような方策を通じて、英国は2050年までに原子力関係の政府目標を達成し化石燃料の輸入量を削減、エネルギーの自給に向けてその供給を保証していく。今回の政府発表について、サイズウェルC社のJ.パイク取締役は、「本格的な建設工事の開始に向けて、当社の立ち位置は一層確かなものになった」と指摘。今後数か月以内に、複数の周辺コミュニティと関係業務を始められるとした上で、「地元住民の方々には、建設プロジェクトの恩恵を出来るだけ速やかに提供したいと考えている。主要な工事が始まるはるか以前から、この地域をより良くするための提案を幅広く示していきたい」と述べた。(参照資料:英政府の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの8月30日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)
01 Sep 2023
1686
エジプト初となるエルダバ原子力発電所(120万kWのロシア型PWR:VVER-1200×4基)の建設計画を、地中海沿岸地域のエルダバ市で実施中のエジプト原子力庁(NPPA)は8月30日、原子力・放射線規制機関(ENRRA)から4号機の建設認可を取得した。NPPAは今年の第4四半期にも同機の原子炉建屋部分に最初のコンクリートを打設する計画で、今後サイトで予備的な土木作業を進めていく。同サイトではすでに、2022年7月に1号機が着工しており、建設工事を請け負ったロシアの原子力総合企業ロスアトム社傘下のアトムストロイエクスポルト(ASE)社が2028年の営業運転開始に向けた作業を実施中である。また、2022年11月に2号機、今年5月には3号機の建設工事も始まった。ENRRAは4号機の建設認可発給に先立ち、NPPAの申請書を審査するためNPPAの専門家も交えて技術審査会合を複数回実施。4号機がエジプトの規制要件や規約すべてを満たし、高い安全性を備えたものになることを確認したという。また、7月30日と31日の両日には、建設サイトの準備状況を点検している。エジプトの国家プロジェクトであるエルダバ原子力発電所の建設については、エジプトとロシアの両政府が2015年11月に政府間協定(IGA)を締結しており、翌2016年5月にロシア政府は最大250億ドルの低金利融資(年3%)をエジプトに提供する大統領令を公布した。2017年12月になると、NPPAとロスアトム社は4基のVVER-1200をエルダバで建設するパッケージ契約の最終文書に調印。この契約に基づいてロシア側は発電所を建設するだけでなく、発電所の稼働期間である60年間に必要な原子燃料をすべて供給する。また、使用済燃料の貯蔵施設や貯蔵キャスクも提供し、運転開始後最初の10年間は発電所の運転・保守にも協力する。NPPAによると、エルダバ原子力発電所はクリーンで安価な電力をもたらすだけでなく、エジプトの経済発展や技術開発を大きく後押しすることになる。(参照資料:NPPAの発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの8月31日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)
01 Sep 2023
1541
米国の先進的原子炉開発企業であるオクロ社は8月28日、ウラン濃縮企業のセントラス・エナジー社(旧・USEC)との協力を拡大するため、新たな了解覚書を締結した。両社は2021年、オクロ社製のマイクロ高速炉「オーロラ(Aurora)」に装荷するHALEU燃料((U235の濃縮度が5~20%の低濃縮ウラン))の製造施設建設に向けた協力で基本合意書を締結。今後は、オクロ社の「オーロラ」建設とセントラス社によるHALEU燃料の製造を、ともにオハイオ州南部で協力して進め、同地域を米国原子力産業界の将来を担う重要ハブとする方針。同炉の機器製造や同炉が発電するクリーンで安価な電力の売買にも、協力範囲を広げたいとしている。「オーロラ」は冷却材として液体金属を使用するマイクロ高速炉で、電気出力は0.15~1.5万kW。オクロ社の説明では、燃料交換なしで20年以上熱電併給が可能なほか、放射性廃棄物をリサイクルしてクリーン・エネルギーに転換できるという。オクロ社は2019年12月、米エネルギー省(DOE)が進める先進的原子力技術の商業化支援イニシアチブの一環として、「オーロラ」初号機をDOE傘下のアイダホ国立研究所(INL)敷地内で建設することを許可された。しかし、同社が2020年3月に原子力規制委員会(NRC)に申請した初号機の建設・運転一括認可(COL)は、審査用に提出された情報が不十分だとして2022年1月に却下されている。オクロ社は現在、2026年か2027年にINLで商業規模の「オーロラ」初号機の起動を目指しているほか、今年5月には、将来的に2基目と3基目の「オーロラ」を建設する地点としてオハイオ州南部のパイクトン郡を選定。同郡を含めたこの地域の4郡で構成される「オハイオ州南部の多様化イニシアチブ(SODI)」と、土地の利用に関する合意書を交わしている。一方のセントラス社は、2019年11月にDOEと結んだ契約に基づき、HALEU燃料の実証製造に向けて、独自に開発した新型遠心分離機「AC100M」16台から成るカスケードを、オハイオ州パイクトンの「米国遠心分離プラント(ACP)」サイト内で建設した。NRCは今年6月、完成したカスケードの操業に向けた準備状況を審査し、カスケードの遠心分離機にウランの注入を許可。これを受けて、セントラス社は年末までにHALEU燃料の実証製造を開始するほか、十分な予算や長期の販売契約が確保できれば、最終的に「AC100M」の数を商業規模の120台まで拡大。年間約6,000 kgのHALEU燃料を製造することを検討している。今回の覚書に基づき、オクロ社とセントラス社は今後の協議で、以下の協力活動案のうち1件以上を確定する方針。オクロ社は、将来的に商業規模に拡大されたパイクトンのHALEU燃料製造施設から同燃料を購入する。セントラス社は、オクロ社が将来的にパイクトンで建設する2基の「オーロラ」の発電電力を購入する。セントラス社は、「オーロラ」用の機器をテネシー州オークリッジにある自社の先進機器製造施設で製造し、ACP内でHALEU燃料の製造能力を増強する。両社は将来的に、HALEU燃料を六フッ化ウランから金属ウランに逆転換し「オーロラ」用燃料集合体の製造能力を確立する。セントラス社のD.ポネマン社長兼CEOは、「国産HALEU燃料のサプライチェーンを確立するには、官民の連携協力が不可欠であることは明らかだ」と指摘。「米国では国産濃縮ウランの確保に向けた投資で、オクロ社のような産業界のリーダーから強力な支援を受けるとともに、議会やJ.バイデン政権からも超党派の支持を得ている」と強調した。(参照資料:オクロ社 セントラス・エナジー社の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの8月29日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)
30 Aug 2023
2240
カナダ・サスカチュワン州が所有するクラウン・インベストメント・コーポレーション(CIC)は8月24日、同州内で小型モジュール炉(SMR)のサプライチェーンを構築するため、「サスカチュワン産業鉱業サプライヤー協会(SIMSA)」に総額47万9,000カナダドル(約5,157万円)の支援金を提供すると発表した。SIMSAの会員企業やパートナー企業が同州やカナダ国内、あるいは世界中で行われるSMRの開発事業に参加できるよう支援するのが目的で、CICは今後2年にわたり資金を提供する。具体的には、州内のSMRサプライチェーンに属するスペシャリストをSIMSAに迎え入れるほか、先住民電力公社(FNPA)にも資金の一部を提供して、先住民がカナダの電力部門で経済的利益を得る機会を模索。また、カナダ原子力産業機構(OCNI)が一部の州で、SMRサプライチェーン構築のために進めている「Ready4SMRプログラム」にも協力していく。サスカチュワン州政府は、2030年までに州内の温室効果ガス排出量を2005年レベルから50%削減し、最終的には2050年までに実質ゼロ化を目指している。この目標の達成に向けた活動の一環として、同州はオンタリオ州およびニューブランズウィック(NB)州とともに2019年12月、出力変動が容易で革新的な技術を用いた多目的SMRを国内で建設する協力覚書を締結。2021年4月にはこの覚書にアルバータ州も加わり、これら4州は2022年3月にSMRを開発・建設していくための共同戦略計画を発表している。その後、サスカチュワン州の州営電力であるサスクパワー社は2022年6月、2030年代半ばまでに建設するSMRとしてGE日立・ニュクリアエナジー(GEH)社製の「BWRX-300」を選定。州内の建設候補地2地点((南部ロアバーン地方自治体内のエルボー村、および南東部のエステバン市。))も2022年中に選定済みである。SIMSAはサスカチュワン州内の製造や建設・エンジニアリングなどの産業部門、鉱業部門、エネルギー部門に属する300社以上のサプライヤーで構成される非営利団体。SIMSAはCICとの協力を通じて専門人材を集め、州内で原子力関係の製造能力や建設能力を有する企業を育成していく方針だ。OCNIはカナダ原子力産業界の主要サプライヤー200社以上で構成される非営利団体で、カナダ型加圧重水炉(CANDU炉)や軽水炉の機器設備を設計・製造する企業やエンジニアリング・サービス企業などが参加している。OCNIが昨年夏に始動した「Ready4SMRプログラム」は、NB州など北東部の大西洋に面した4州((ニューブランズウィック州、プリンスエドワード・アイランド州、ノバ・スコシア州、ニューファンドランド・ラブラドール州の4州。))を中心に、地元企業が原子力産業に参入してNB州が州内で進めるSMR建設プログラムに参加するよう働きかけるプログラム。カナダ連邦政府も、大西洋地域開発庁(ACOA)を通じて同プログラムを支援している。OCNIのB.ウォーカー理事長兼CEOは、「サスカチュワン州でSIMSAやFNPAが当方の『Ready4SMRプログラム』に協力してくれるのは非常に有難く、世界中でSMRの建設計画を牽引するカナダの中でも、サスカチュワン州がクリーン・エネルギー・ミックス構想の一部としてSMR計画を実行することに期待する」と表明。「OCNIの役割はカナダ全体で原子力サプライチェーンを構築することだが、サスカチュワン州のようにすでにサプライヤーとしての確かな基盤を有する州にも、経済発展の機会をもたらしたい」としている。(参照資料:サスカチュワン州政府、SIMSAの発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの8月25日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)
29 Aug 2023
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スロバキア政府が34%出資するスロバキア電力(SE社)は8月25日、国内で所有・運転している44万kW級ロシア型PWR(VVER-440)の原子燃料調達先を多様化するため、米ウェスチングハウス(WH)社と長期的に協力していくための合意文書を交わした。SE社は現在、スロバキアの総発電量の約70%を供給しており、合計4基のVVER-440(合計出力200万kW)が稼働するボフニチェとモホフチェの両原子力発電所だけで、総発電量の約59%を賄っている。また、モホフチェ発電所では追加の2 基(各VVER-440)を建設中((建設中の2基のうち、モホフチェ3号機(VVER-440、47.1万kW)は2023年1月31日に送電を開始した。))で、これらが運転を開始し西部ノヴァキーにある褐炭発電所が年末に閉鎖されれば、原子力の発電シェアはさらに拡大する見通し。これらの原子炉が必要とする原子燃料および関連サービスを確保するため、SE社は今回国際入札を通じてWH社を選定。これにより、スロバキアのエネルギー供給保証を一層強化する考えだ。WH社は今回の合意に基づき、スウェーデンにある燃料製造工場でスロバキア向けの原子燃料を製造・供給する予定だが、その前にスロバキアの法律に基づく許認可手続きで、これらの原子炉がWH社製原子燃料で安全に稼働できると承認されなければならない。このため、同社から実際に最初の原子燃料が納入されるのは、この承認を得てから約1年後になるとしている。SE社は原子燃料の調達先を段階的に多様化する戦略の基本方針として、世界中の燃料サプライヤー・チェーンの中から少なくとも2社の供給企業を選定。関係資機材とサービスについても、供給可能な企業を数社確保するとしており、そのための様々な取り組みや協力を推進中である。今年5月には、同社は仏フラマトム社とも同様の協力覚書を締結している。フラマトム社はその際、「近年の国際情勢の中で、SE社も含め欧州でVVERを運転するすべての電気事業者から欧州独自の原子燃料を開発するよう要請された」と表明。ロシアが供給する燃料への依存を軽減し、燃料の途絶により欧州のVVERが運転停止することが無いよう、欧州が主体的に運営できる燃料供給体制を築くと述べていた。SE社のB.ストリーチェク会長兼CEOは、「原子力はスロバキアのエネルギー・ミックスの重要な柱であり、原子燃料の供給企業を追加で確保できたことは非常に重要だ。これらが供給する燃料で、原子力発電所を安定的に運転していく」と述べた。WH社のT.チョホ燃料担当社長は、「スウェーデンの燃料製造工場で完全に西欧製の原子燃料をVVER用に製造・提供して、古くからのパートナー企業であるSE社の原子燃料調達先の多様化戦略に貢献し、協力関係を強化できることは喜ばしい」と表明している。(参照資料:SE社、WH社の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの8月25日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)
28 Aug 2023
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スウェーデンの放射性廃棄物処理専門企業であるスタズビック社は8月24日、同国南部のニュヒェーピング(Nyköping)近郊にある同社サイトに、複数の小型モジュール炉(SMR)を備えた商業用「SMRパーク」の建設可能性を調査するため、SMRのプロジェクト開発企業シャーンフル・ネキスト(Kärnfull Next:KNXT)社と協力覚書を締結した。SMRパークの建設構想はKNXT社が中心となって進めているもので、同社はすでに5月からスタズビック社サイトの実行可能性調査(FS)の予備的作業を実施中。現時点では暫定的ながら、SMRの商業利用に適した条件を備えているとの結果が出ている。同社は12月までに本格的なFSを実施し、SMRパーク建設の技術面や環境面、および社会面や財政面の実行可能性を評価。地元住民の合意を得るのは当然のことながら、同FSで良好な結果が得られれば、KNXT社はスタズビック社と共同で、2024年後半に同プロジェクトに関する資金調達や許認可手続き、発電電力の売買契約など主要事項を決定、2030年代初頭にも欧州初のSMRパークの実現を目指す。スタズビック社によると、スウェーデン南部では将来的に電力需要の大幅な増加が見込まれている。同じく南部にある同社のサイトでは、原子燃料や核物質関係の技術、原子炉の安全解析ソフト、廃止措置や放射線防護関係のサービスなど、原子力技術の専門的知見が幅広く利用できるため、戦略的にもこの需要を満たすことが可能である。同社はまた、化石燃料発電を削減してクリーン・エネルギー社会に移行し、環境面で持続可能な将来を築くには、その重要手段の一つである原子力発電が大きく貢献すると認識。自社サイトにSMRを設置することは、同社ビジョンにも合致すると考えている。一方のKNXT社は、クリーン・エネルギーへの移行解決策として、短期間で建設可能なSMRなどの原子力プロジェクトをスウェーデンのあらゆる部門に提案する方針。国内で複数のSMRを可能な限り迅速に建設するため、2022年3月に米GE日立・ニュクリアエナジー(GEH)社と同社製SMR「BWRX-300」の建設に向けた了解覚書を締結した。KNXT社はまた、フィンランドとスウェーデンの両国で新たな原子炉の建設を検討しているフィンランドの電気事業者フォータム社とも、2022年12月に了解覚書を締結しており、共同でスウェーデン国内でのSMR建設機会を探っている。スタズビック社のC.ホフルンドCEOは、「サイト条件の本格的な調査はまだ実施しておらず、実際にSMRを設置するまで何年もかかるが、確かな知見を有するKNXT社との協力により、FSで良い結果が出ることを期待している」と述べた。KNXT社のC.ソーランダーCEOは、「既存の3つの原子力発電所に続く新たな原子炉の立地点として、スタズビック社のサイトは非常に適していると思う」と表明。その上で、「複数のSMRを設置することで安定した雇用が多数創出され、その他のハイテク産業を呼び込む機会も生まれる」と指摘している。(参照資料:スタズビック社、KNXT社の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの8月24日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)
25 Aug 2023
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英国政府は8月23日、ウクライナの原子力発電所における原子燃料確保を支援するため、英国輸出信用保証庁(UKEF)を通じて1億9,200万ポンド(約354億円)の融資保証をウクライナの原子力発電公社であるエネルゴアトム社に提供すると発表した。UKEFとエネルゴアトム社が今回締結した合意文書に基づき、ロンドンを本拠地とするウラン濃縮サービス企業のURENCO社が、ウクライナ国内の原子力発電所向けに引き続き濃縮ウランを供給する。ウクライナが冬季に向けて十分な電力を原子力発電所で確保し、ロシア産燃料への依存から脱却することや、プーチン大統領を国際的な原子力市場から締め出すことが目的である。英国政府はこのほか、ウクライナのエネルギー部門が将来的にクリーン・エネルギーに移行するための協力覚書を同国と締結している。英国政府の今回の発表に先立ち、エネルギー安全保障・ネットゼロ省(DESNZ)のG.シャップス大臣は22日にウクライナの首都キーウを訪問。ウクライナの副首相やエネルギー大臣など複数の政府高官、エネルゴアトム社のP.コティン総裁を含むエネルギー企業の要人らと、同国の復興に向けた英国の支援について協議。また、ロシアの砲撃を受けて修理中の発電所や幼稚園なども視察した。今回の英国の支援決定は、英国とウクライナの両政府が今年6月、ロンドンで「ウクライナ復興会議」を共催してからわずか2か月後のこと。両政府首脳はその際の共同議長声明で、支援国や機関がウクライナに新たに総額600億ドル(約8兆5,800億円)を拠出することで合意したと表明。英国政府はまた、今年4月に日本政府が札幌で開催したG7気候・エネルギー・環境大臣会合でも、原子力分野におけるロシアへの依存を低減し設備・機器や燃料の供給源を多様化する協力で、参加した英、米、仏、加、日の5か国が合意した事実にも今回触れている。今回の支援が実行されれば、英国がウクライナに提供する民生向け支援金は総額50億ポンド(約9,220億円)に達する見通し。原子力はウクライナの総発電量の半分以上を供給していることから、英国はウクライナが必要とする電力の確保を引き続きサポートし、エネルギー供給保証の強化に協力していく考えだ。DESNZのシャップス大臣は、「プーチンはエネルギーを戦争兵器として利用しているが、その野蛮な侵略に直面するウクライナへの我が国の支援は揺るがない」と強調した。URENCO社のB.シューヒトCEOは、エネルゴアトム社に対する2009年からの濃縮サービス提供など、既存の契約を挙げた上で、「ウクライナ支援で今後も責務を果たす準備は出来ている。このためには、今回のような英国政府との協力が不可欠だ」と指摘している。(参照資料:英国政府、URENCO社の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの8月23日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)
24 Aug 2023
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ポーランド国営エネルギー・グループ(PGE)の原子力事業会社であるPEJ(=Polskie Elektrownie Jądrowe)社は8月22日、同国初の大型原子炉となる米ウェスチングハウス(WH)社製AP1000の建設サイトとして、ポモージェ県ホチェボ自治体内のルビアトボ-コパリノ地区の正式な承認を得るため、「立地決定」申請書を同県のD.ドレリヒ知事に提出した。PEJ社は同国の改訂版「原子力開発計画(PPEJ)」に基づき、2040年頃までに国内の複数サイトで最大6基の100万kW級原子炉(合計600万~900万kW)の建設を計画しており、2021年12月に最初の3基、合計375万kWの立地点として、同国北部のバルト海に面したルビアトボ-コパリノ地区を選定した。これら3基の採用炉型として、ポーランド政府は2022年11月にWH社製・第3世代+(プラス)のPWRであるAP1000を閣議決定しており、今年7月には気候環境省が同地区で3基のAP1000を建設するという計画に「原則決定(DIP)」を発給している。これに続く「立地決定」の申請は、原子炉の着工に向けた行政手続き上、最も重要なものの一つである。「立地決定」は、2011年6月に成立した「原子力施設と関連設備の準備と建設に関する法律」に基づき、県知事が発給する。発給されれば、PEJ社は建設に必要な土地や海上エリアに投資する権利を取得。また、投資を行う際の技術面や環境面の具体的な条件が決まる。この申請について、政府の戦略的エネルギー・インフラ大使を兼任するA.ルカシェフスカ–チェジャコフスカ首相府担当相は、「PPEJを着実に進めることにより、原子力発電でポーランド国民に安全かつ無炭素なエネルギーを安定供給できる日が近づく」と指摘した。「DIP」が発給された時点で、同計画は「ポーランドの国家政策に則しており国民の利益にも適う」と正式に認められた。また、ポーランドの規制当局である国家原子力機関(PAA)からは、同計画に関する安全分析の検証範囲が正確だったことを確認したとの包括的見解が得られている。同計画ではさらに、今後一層進んだ段階の環境影響面の手続きとして、環境上の条件決定も取得する必要があるとPEJ社は指摘している。ポーランドではこのほか、政府のPPEJを補完する大型炉プロジェクトとして、国営エネルギー・グループ(PGE)とエネルギー企業のZE PAK社が韓国水力・原子力会社(KHNP)との協力により、ポーランド中央部のポントヌフで韓国製「改良型加圧水型炉(APR1400)」(出力140万kW)の建設を計画中。現地の報道では、PGEとZE PAK社が折半出資する合弁企業のPGE PAK原子力エネルギー社が6月16日、この計画の「DIP」を気候環境省に申請したと伝えられている。(参照資料:PEJ社、ポモージェ県(ポーランド語)の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの8月22日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)
23 Aug 2023
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カナダ連邦政府は8月19日、中西部サスカチュワン州で州営電力のサスクパワー社が進めている小型モジュール炉(SMR)の導入計画に対し、合計で最大7,400万カナダドル(約79億7,200万円)の支援金を提供すると発表した。その内訳は、天然資源省(NRCan)が「電力の予備的開発プログラム」の中から、最大5,000万加ドル(約53億8,600万円)をサスクパワー社のSMR計画に提供。このプログラムは、SMRなどクリーン電力の発電プロジェクトにおける予備段階の活動支援を目的としている。また、環境・気候変動省(ECCC)の「将来電力基金」から、2,400万加ドル(約25億8,600万円)以上をサスカチュワン州政府に提供することになる。サスカチュワン州政府は、2030年までに州内の温室効果ガス排出量を2005年レベルから50%削減し、最終的には2050年までに実質ゼロ化することを目指している。この目標の達成に向けた活動の一環として、サスクパワー社は2022年6月、2030年代半ばまでに建設するSMRとしてGE日立・ニュクリアエナジー(GEH)社製の「BWRX-300」を選定したほか、州内の建設候補地2地点((南部ロアバーン地方自治体内のエルボー村、および南東部のエステバン市。))も2022年中に選定済み。同社としてはこの計画を実行に移すかを2029年に最終決定するが、連邦政府からの支援金は同計画を前進させる一助として、予備的エンジニアリング作業や技術面の調査、環境アセスメント、規制関係の調査、関係コミュニティや先住民との協議等に活用する方針である。連邦政府は、世界がCO2排出量実質ゼロの経済に移行していくなか、カナダが優位な競争力を確保し、カナダ自らの削減目標を達成するには、各家庭や企業に提供する電力の無炭素化を大規模に進める必要があると認識。SMRのような次世代原子力技術も含め、CO2を排出しない新しい電力インフラの開発プロジェクトはこの移行で重要な役割を担い、カナダのあらゆる地域に経済的繁栄をもたらすと考えている。SMRに関しては、連邦政府は州内の送電網やCO2を多量に排出する産業の脱炭素化に大きく貢献すると指摘。出力30万kWのSMRは、それ一基で30万戸の世帯に無炭素電力の供給が可能であり、送電網が届かない遠隔地域のコミュニティが、汚染度とコストの高いディーゼル発電への依存度を低減するにも非常に有効である。また、CO2を排出しない新しいインフラ開発プロジェクトへの支援は、カナダ全土に安価で信頼性の高いクリーンな電力をもたらすための、連邦政府による包括的アプローチの一部。このことは、NRCanが8月10日付で公表した発電部門の脱炭素化ビジョン「パワーリング・カナダ・フォワード(Powering Canada Forward)」にも記されている。この報告書では、2035年までにカナダ中の送電網を安定的に脱炭素化するとともに、各家庭の電気代を低く抑えることを目標にしている。これらのことから、連邦政府はサスカチュワン州やその他の州が有望な無炭素エネルギー源としてSMRの開発や建設計画を進めるのを引き続き支援。これらの州が、州民にクリーンで信頼性の高い安価な電力を提供できるよう協力する方針である。(参照資料:カナダ政府、サスクパワー社の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの8月21日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)
22 Aug 2023
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米サザン社の子会社であるジョージア・パワー社は8月17日、ジョージア州のA.W.ボーグル原子力発電所で、ウェスチングハウス(WH)社製の第3世代+(プラス)原子炉AP1000として建設中の4号機(PWR、110万kW)で燃料装荷を開始した。157体の燃料集合体はWH社がサウスカロライナ州の工場で製造したもので、数日間で装荷を完了するとしている。同発電所では先月31日、米国で約35年ぶりに本格着工した同型の3号機(PWR、110万kW)が営業運転を開始。4号機でも燃料の装荷後は、起動試験で一次冷却系や原子力蒸気供給系が設計通りの温度や圧力で動くことを実証し、様々な出力レベルで試運転を実施する。ジョージア・パワー社は、今年の第4四半期か2024年の第1四半期には同機で送電が可能になると予想。同社と両機を共同保有する3社のうち、オーグルソープ電力は「これらの試験が首尾よく進めば、現時点のスケジュールどおり2024年3月に営業運転が開始される」と述べた。同発電所では、すでにWH社製PWRの1、2号機(各121.5万kW)が稼働していることから、4基が揃えば同発電所は米国でも最大規模となる。3、4号機だけでもそれぞれ、50万戸の世帯や企業に無炭素で安全、安価な電力を十分供給できるとジョージア・パワー社は強調している。米国初のAP1000であるボーグル3、4号機は、2013年3月と11月にそれぞれ本格着工したが、2017年3月にWH社が倒産申請したのを受けて、サザン社のもう一つの子会社で3、4号機の運転を担当予定のサザン・ニュークリア社がWH社からプロジェクト管理を引き継いだ。また、2020年には新型コロナウイルスによる感染の影響を軽減するため、建設サイトの労働力を約20%削減するなど、プロジェクトは様々なトラブルに見舞われたが、4号機では今年3月から5月にかけて温態機能試験を実施。7月末には米原子力規制委員会(NRC)から、「同機は建設・運転一括認可(COL)が認定した基準とNRCの規制通りに建設され、運転も行われる見通し」だとする確認事項書「103(g)」がサザン・ニュークリア社に到着。これにより、同機では実質的に燃料の装荷と起動が許可されていた。 WH社によると、AP1000はすでに中国・浙江省の三門発電所と山東省の海陽発電所で、合計4基が2018年以降順次営業運転を開始。ボーグル3、4号機はこれらに続いて、世界で5基目と6基目のAP1000となる。中国ではまた、中国版のAP1000となる「CAP1000」や「CAP1400」が合計6基、三門と海陽、および山東省の栄成石島湾発電所で建設中である。さらに、ポーランドなどの中・東欧地域やウクライナでも複数基のAP1000建設が計画されている。(参照資料:ジョージア・パワー社、オーグルソープ電力、WH社の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの8月18日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)
21 Aug 2023
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